―[メンズファッションバイヤーMB]―


 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第249回目をよろしくお願いします。

 ついに発売されたエンジニアドガーメンツとユニクロコラボレーション。世界的に支持されているブランドではありますが、ファッションに疎い人からすると「新しい作業着か!?」と思えるようなネーミング。ここでは小難しいブランドのことはさておき、このコラボコレクションがなぜおすすめなのかをカンタンに解説します。

◆▼人気のボア素材、最強のデザイナーを迎えて表現

 今年は何よりボアフリースが大人気です。アウトドアの世界をはじめ、何年も前から定番としてあるボアフリース素材ですが、特に今シーズンは大人気。その秘密は「表情のある素材」だから。

 シンプル無地を好むノームコアトレンドが終わりを迎えつつあり、徐々に「無地モノは飽きた、ちょっとデザインが欲しい」と思うようになってきました。

 昔は「スティーブ・ジョブズスタイルが一番おしゃれだ!」なんて言ってた人も、今ではインスタで「バレンシアガ!」とデカデカと書かれたデザイン服を好んで着ていたりするのだからファッションいい意味で手のひら返しクルクルと起こるものです(笑)

「無地に飽きたって言われても……柄や色なんて着れないよ」

 そう思った人も多いでしょうが、まさにこの問題に直面しているのが今のファッションです。無地はもうすっかり着尽くして飽きてしまったけれど、かといって柄や色が派手なものは抵抗があるのも事実。そこで「無地だけど主張があるもの」を好むのが今のトレンドとなっており、それを端的に素材で表したのが「ボアフリース」なのです。

 ボアは表面に凹凸があり、立体感があり無地でも地味に見えません。同じ無地でもTシャツ素材のツルッとしたものは地味になりますが、ボアならそうはなりません。

 こうした陰影や立体感のある「表情のある素材」は今年からの大きな流れの一つ。そして、ユニクロにとってボアフリースは長年展開している得意素材でもあります。この機を逃すまいと、ボアフリースを使った特別コレクションを世界的に評価されているデザイナーに任せて放ったのが、今回のエンジニアドガーメンツとの協業です。

 結果、蓋をあけてみればユニクロの読み通り、発売されてからまだ1週間と経っていないのにすでに人気の色やサイズが欠品している状態。メルカリでもさっそく転売が盛り上がっているようです。

 特に今回、面白いのはXSやSなど小さいサイズから売れていること。これはおそらく女性が買っているのだと思われます。トレンドは我々男性よりも女性のほうがはるかうるさい。今回はメンズだけの展開ですが、我慢できずに小さいサイズを女性が買っているのでしょう。

◆▼ベーシックだけど一捻りある大人が使えるトレンドアイテム

フリースコンビネーションジャケット 3990円(+税)
 そして、今回のラインナップの中で最もスタンダードアイテムがこちら。ボアフリース素材のZIPブルゾンです。アウトドアなどでもよく見られる一般的なデザインですが、そこはさすが世界的なデザイナー。ただのフリースブルゾンに終わりません。

 いくつかの切り替えをつけておりときにはボアの毛並みを変えて、時にはツルッとしたスムース素材に変えて、変化をつけています。こうした切り替えデザインは色や柄を入れてしまうと派手で子供っぽい印象にもなってしまいますが……ここは同色ですべてまとめることで、大人っぽいイメージを維持できています。

 上述の「無地は嫌だけど、派手すぎるのも嫌」というトレンドの中で、絶妙なバランスがこうしたデザインにも生かされています。無地だけど切り替えがありボアの表情もあるので、シンプル黒パンなどで合わせても十分それっぽくなるのが嬉しい。

 ベージュカラーなどはいい色ですが、サイズを大きくしすぎると「くまさん」みたいになっちゃうので注意です。サイズは大きくしすぎないように。着こなしが難しくなるので!

◆▼インナー用なら明るい色を選ぶべし

フリースプルオーバー(長袖) 1990円(+税)
 ボアはちょっと……と思う人はこちらがおすすめ。インナーとして使えるプルオーバータイプです。例えば、昨年一昨年に買ったシンプルコートのインナーに入れてみてください。着尽くして見飽きてしまったコートも、こうした変化のある素材のおかげで印象が結構変わります。

 また、インナーの場合はボアの風合いを目立たせるために少し明る目の色を選びましょう。洋服は暗い色を選ぶと風合いが目立たなくなります。これは量販店の安っぽい服を買うときにはいい手段となります。安っぽい生地や軽そうな素材を選ぶ際、黒やダークトーンの服ならば風合いが潰れて目立たなくなるからです。

 ただし、今回の場合はそんなに安っぽさを感じるようなボアではないし、インナーに入れるなら風合いが多少目立ったほうが印象が変わるので、明るい色を選ぶといいでしょう。白やオリーブカラーなどがおすすめです。

 エンジニアドガーメンツですが、ブランド名を知らない人もぜひ手にとってみてください。防寒性も高く、トレンドデザインも盛り込んだ秀逸なコレクション。しかも、値段は過激に安いです。

 数あるユニクロコラボの中でも指折りでおすすめでき、おそらく完売も早いはず。気になったらぜひ早めにチェックしてみてください。また動画でも解説しております。よければご覧ください。



【MB】
ファッションバイヤー。メンズファッションの底上げを図るべく各メディアで執筆中。“買って着て書いて”一人三役をこなす。年間の被服費は1000万円超! ブログKnower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」。初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』はベストセラーに。最新刊『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』が発売中。Youtubeチャンネルも開始

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フリースコンビネーションジャケット 3990円(+税)