19日の次節で“保有元”と初対戦 レアル側がマジョルカ久保のプレーを注視へ

 マジョルカの日本代表MF久保建英は、10月のカタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選の2連戦に招集されたものの、10日の本拠地モンゴル戦(6-0)では出番なし、15日の敵地タジキスタン戦(3-0)では後半41分からの出場となり見せ場を作れなかった。本人にとっては不完全燃焼な結果になったはずだが、クラブに戻ってからの初戦でビッグマッチを控えている。現地時間19日のリーガ・エスパニョーラ第9節で、本拠地ソン・モイシュに首位レアル・マドリードを迎える大一番。久保にとっては“保有元”との初対戦になるなか、レアル専門メディア「Defensa Central」は「特別体制でスパイされる」と報じている。

 今夏J1リーグFC東京からスペインの名門レアルに完全移籍した久保は、カスティージャ(レアルB)所属ながらトップチームの北米遠征などプレシーズンツアーに帯同。スペイン代表DFセルヒオ・ラモスベルギー代表MFエデン・アザール、元フランス代表FWカリム・ベンゼマらとともにプレーし、その名は世界に知れ渡った。そして8月、スペイン1部での出場機会を求めてマジョルカに期限付き移籍。ここまでリーグ戦6試合に出場し、第5節ヘタフェ戦(2-4)では初アシストをマークしている。

 レアルは今季から、レンタル移籍中の選手が自チームとの試合に出場できない条項を撤廃しており、久保も19日のソイ・モイシュでの一戦に出場可能だ。そうしたなか「Defensa Central」は、「久保、レアル・マドリードに特別体制でスパイされる」との見出しで特集。レアルは期限付き移籍中の久保を「“監視”するためソン・モイシュにスカウティングチームを送り込む」という。

「タケフサ・クボは今週土曜、ソン・モイシュでの試合で大きな象徴の一つになる。日本人選手はレアル・マドリード戦でビセンテ・モレノ監督のチームで先発出場する可能性がある。自身にとって将来のチームを相手に輝きを放つビックチャンスを手にすることになる」

 同メディアによれば、レアル側は日本代表に招集されていた久保が10日のモンゴル戦で出番なしに終わったことを受け、19日の試合でマジョルカのスターティングメンバーに名を連ねると見ているという。

レアル側が久保の実力を「ビッグゲームで観察する好機だと認識」

「バレアレス州のチーム(マジョルカ)にレンタル移籍しているクラックは、ピッチでマジョルカの大きな脅威の一つであり、クラブ・ブランコ(レアル)自身がビッグゲームで観察する好機だとの認識がある」と、ジネディーヌ・ジダン監督のスカウティングチームが敵地に乗り込むと伝えている。

 “保有元”のレアルにとって、武者修行に出している若き才能が直接対決で出場となれば、現時点での実力を知るうえでまたとないチャンスになる。プレシーズンでともに汗を流したリーガ屈指のタレント軍団を前に、公式戦のピッチで久保がどんなプレーを見せるのか。「タケフサ・クボの成長ぶりを追う」と、レアル側はこの一戦での日本人MFの動向に目を光らせているようだ。(Football ZONE web編集部)

MF久保建英はマジョルカの一員としてレアル・マドリードと対戦する【写真:Getty Images】