11月1日(金)公開の映画「最初の晩餐」の公開記念トークショーが10月15日に都内で行われ、主演の染谷将太永瀬正敏が登壇した。

【写真を見る】撮影を振り返り、笑顔になる染谷将太

■ 染谷、窪塚の出演シーンに歓喜!?

主人公の東麟太郎を演じる染谷は、姉・美也子役の戸田恵梨香について、「姉貴っぷりがすごくて、自分は何もしなくても、ただ甘えればきょうだいになれると初日から感じました。自分はただ甘えただけですね」とコメント。

兄・シュン役の窪塚洋介に関しては、「久々にご一緒させていただいて、劇中で洋介さんと初めて対面するシーンでは『きたーーー!』って感じになりました(笑)」と笑顔で語った。

一方、染谷演じる麟太郎をはじめ、美也子(戸田)、シュン(窪塚)の父・日登志役の永瀬は、病気に侵される役どころのため、撮影中も節制に励んでいたという。

■ 永瀬「これ握ってよとお願いして…」

「劇中に出てくる食事以外、撮影中はあまり食べなかったのですがある日、かやくご飯みたいなものがお弁当で出て…」と撮影を振り返る永瀬。

続けて、「それがどうしても食べたかったのですが、スケジュールの都合であまり時間もなく。そこで、娘役の森七菜さん(美也子の少女時代)にこれ握ってよとお願いして」と話し、「そしたらちゃんとしたおにぎりを握ってくれて、それを新幹線の中で食べていたら、人の手が加わるだけでこんなに食事っておいしくなるんだなと、あらためて感じました」と感慨深げに語った。

■ 染谷「初めての体験でした」

本作の構想に7年掛けたという常盤司郎監督がメガホンをとる本作は、思い出の味を通して家族の時間を取り戻すヒューマンドラマ。

亡くなった父の通夜で、母が仕出し屋を突然キャンセルして「通夜ぶるまい」を披露。目玉焼きをはじめ、次々と出てくる料理に家族は戸惑うが、それは父が残した1冊のノートから作られた思い出の料理だった。それらを味わいながら、父との時間がよみがえり、家族も知らなかった秘密が浮き彫りになっていく。

そんな常盤監督について染谷は、「脚本と演出がすごく乖離しているんですよ。それが面白くて、初めての体験でした。普通自ら脚本を書いて監督をすると、脚本に沿った演出になるんですけど、それが常盤監督は、すごく客観的に演出していて、新鮮でした」と明かす。

■ 永瀬は登山にも挑戦

さらに、劇中で登山にも挑戦した永瀬は、台本を読んだ際には緩やかなハイキング程度だと思っていたが、実際にはクライミングだったことを明かし、「大変だったんですよ! 頑張って登ったんですけど、とにかく食事をあまりとっていなかったので、撮影中に疲れちゃって…。皆さんにご迷惑をおかけしました」と撮影秘話を明かし、会場の笑いを誘った。

最後に染谷は、「一つの食事を通して自分の記憶を巡り、いろんな感情が押し寄せてきて、それを自分で包み込んで一歩前に出ることができる。この作品は白いパズルだと思っていて、見ていくうちにピースはそろうんですけど、そこに見える光景は皆さん一人一人、違うというか、そんな映画だと思っています」とメッセージを。

対して永瀬は、「去年、一人大事な家族を亡くしているので、演じている時と今で、感じ方が違ってくる。だから、いろんな世代の方に、さまざまな時代に見ていただくと感じ方が変わると思います。常盤監督の7年の思いが詰まっていますので、ぜひおいしく見ていただければ」と呼び掛けた。(ザテレビジョン

映画「最初の晩餐」の公開記念トークショーに登壇した染谷将太と永瀬正敏