06年大会予選のホーム&アウェー方式採用後では、3連勝&無失点は“最高のスタート

 森保一監督率いる日本代表は、15日に行われた敵地でのカタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選タジキスタン戦に3-0で勝利。グループFの上位対決を制し、3連勝で単独首位に立った。10月の2連戦は不動の1トップを務めるFW大迫勇也ブレーメン)が不在だったなか、開幕3試合で「11得点・0失点」。現行のホーム&アウェー方式になった2006年W杯以降では“最高のスタート”となったが、森保ジャパンは盤石なのか。

 W杯アジア2次予選で日本(FIFAランキング31位)は、キルギス(同97位)、タジキスタン(同115位)、ミャンマー(同145位)、モンゴル(同183位)と同居。初戦となった9月の敵地ミャンマー戦で2-0と白星スタートを飾った。10月の2連戦はエースの大迫が負傷で不在のなか、モンゴル戦では6人がゴールを挙げて6-0で大勝。敵地でのタジキスタン戦も、後半にMF南野拓実ザルツブルク)の2得点などで相手を突き放し、3-0で勝利した。

 現行のホーム&アウェー方式になった06年ドイツW杯予選以降の予選開幕3試合を見てみると、ドイツ大会予選:3勝(10得点・1失点/ホーム2試合)、南アフリカ大会予選:2勝1敗(7得点・2失点/ホーム2試合)、ブラジル大会予選:2勝1分(10得点・1失点/ホーム2試合)、ロシア大会予選:2勝1分(9得点・0失点/ホーム2試合)。04年の初戦オマーン戦(1-0/ホーム)、08年の第2戦バーレーン戦(0-1/アウェー)、2011年の初戦北朝鮮戦(1-0/ホーム)、15年の初戦シンガポール(0-0)と過去の予選では、敗戦も含めていずれも序盤でギリギリの戦いを強いられてきた。

 今回の3連勝(11得点・0失点/アウェー2試合)は、数字上は最高のスタートと言っていい。では、森保ジャパンは盤石なのか。その答えは決して「イエス」ではないだろう。グループに同居した対戦国は、日本にとって“格下”である。タジキスタン戦の前半は、人工芝という不慣れな環境を差し引いても相手に主導権を握られるシーンが多かった。

柴崎はタジキスタン戦の課題に「切り替えのスピード」「攻撃時のポジショニング」を指摘

 ディフェンスリーダーのDF吉田麻也サウサンプトン)は、タジキスタンが引いてくる予想とは異なる展開になったことについて、「相手の強度が強かった」「思った以上につなぐ意識があった」と言及している。

「(タジキスタンは)強さはないですけど、すばしっこさと推進力がありました。がちゃがちゃと(混戦に)なったところで相手にこぼれるシーンも多々ありましたし、それは人工芝だから起こり得ることではあったと思います。そこは上手くできなかったですね、今日は」

 守備陣ではDF冨安健洋(ボローニャ)がモンゴル戦で負傷離脱。DF植田直通(セルクル・ブルージュ)が代役に入り、連携の微調整を余儀なくされたことは、タジキスタンにギャップを突かれてピンチを招くきっかけになってしまった。

 ボランチのMF柴崎岳(デポルティボ)も、「相手の技術が思ったより高かったけど、日本としては切り替えのスピードがいつもより遅かったことと、攻めている時のポジショニングがいつもより曖昧だった。奪えればいいけど、ひっくり返される場面は多かったですね」と語り、タジキスタンの序盤のパフォーマンスが良かった以上に、自分たちに課題があったことを認めている。

南野は大迫不在のなかでの勝利に手応え「チーム力を皆さんに見せらたんじゃないかな」

 攻撃では、不動の1トップである大迫を欠いたモンゴル戦、タジキスタン戦で計9ゴールタジキスタン戦の後半にはトップ下・鎌田大地フランクフルト)、左サイドハーフ浅野拓磨(パルチザン)と新たなオプションにもトライしている。カズことFW三浦知良横浜FC)以来、史上2人目のW杯予選開幕3連続ゴールを挙げたMF南野拓実ザルツブルク)は、「大迫選手がいないから、と僕は思っていない」とプライドを覗かせる。

「大迫選手はすごくいい選手ですし、このチームの絶対的な選手だと思います。でも、そういう選手がいないなかで、今いるメンバーでやらないといけない。そういう意味では、総力戦で勝てたのはチーム力を皆さんに見せらたんじゃないかなと思います」

 大迫の代役探しの継続、そして18歳のMF久保建英(マジョルカ)をどうチームの競争に組み込んでいくかは、チームの底上げを図るうえで必要なファクターだろう。

 キャプテンの吉田は11月以降のW杯予選に向けて、「こういう移動が長く人工芝という、中央アジア独特の難しさは2次予選につきもの。次の11月キルギス戦)にもしっかり勝つこと。次に勝てば先が見えると思うので、気を緩めずにやるだけです」と語った。

 森保監督の下、チームがさらなる進化を遂げることに期待したい。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

アジア2次予選、3連勝で単独首位に立った日本代表【写真:Yukihito Taguchi】