香港の高齢者は12日午後から、中心部の警察本部前で「48時間座り込み」を行った。参加者らは、若者に対する警察の過剰な暴力を批判し、政府に独立調査委員会の設置を求めた。

香港では、30人以下の集会の場合、当局に事前申請の必要がない。12日の高齢者座り込みでは、主催側が参加者が少ないと予想したため、警察に申請を行わなかった。12日午後2時座り込みが開始した後、約50~60人の年配者が警察本部の前で集まった。当局は、今後参加者を起訴する恐れがあると警告した。多くの参加者は逮捕されても構わないとした。

48時間座り込みを発起した市民の譚国新さんは大紀元に対して、「過去数カ月、警察は権力を濫用して、2000人以上の市民を恣意に逮捕した。しかも、拘束された一部の若者が警官から暴行をうけた」と批判した。譚さんは、現在香港の警官らは「非常に横暴になっている」と指摘した。

香港警察は10日、6月から始まったデモで、当局が2379人を逮捕したと発表。このうちの750人は18歳以下の未成年者だ。

香港メディアはこのほど、15歳女子学生の不審な水死事件や、香港中文大学の女子学生が警察に拘束された際性的暴行を受けたと報道している。

市民の楊澤民さんは、これらの報道に「市民は皆非常に驚いている」と話した。楊さんは、「明らかに中国共産党政権が本土の国民を抑圧する手法を、香港市民にも用いている」と糾弾した。楊さんは、香港市民が行政長官を民主的に選ぶ、いわゆる「真の普通選挙」が実現されるまで抗議活動を続けていくとした。

座り込みに加わった高齢者は、香港政府の「緊急条例」の発動と「覆面禁止法」の実施への反対を強く訴えていた。同日夜8時頃、座り込みの現場にさらに1000人以上の市民が駆け付けた。高齢者に水や食品を提供する市民もいた。

市民らは13日、香港18の区の大型ショッピングモールやスーパーで集まり、抗議活動のテーマ曲、「香港に栄光あれ」を合唱した。

(記者・梁珍、翻訳編集・張哲)
 

9月7日の抗議活動で、治安部隊に対して若者を傷つけないようと呼び掛ける85歳の香港市民の黄おじいさん(宋碧龍/大紀元)