10月20日スタートのドラマ「日曜劇場/『グランメゾン東京』」TBS系)の制作発表会見が10月16日、東京・新宿のハイアット リージェンシー東京で開催された。主演の木村拓哉をはじめ、鈴木京香、玉森裕太尾上菊之助及川光博沢村一樹が登壇した。

木村拓哉挨拶からスタート
通常はホールで行われることが多い制作発表会見も、ドラマにちなんでホテルで開かれた。会場の奥には「グランメゾン東京」のパネルと、マカロンなどのスイーツが並べられ、来場者に振舞われた。マカロンには「グランメゾン東京」の文字。一つ一つきれいに並べられたスイーツは、フランスで3つ星を取り続けているフレンチの名店「トロワグロ」のもの。

試写会には抽選で選ばれたファンの姿もあったが、声を抑えめにしていてホテルならではの雰囲気が漂っていた。しかし、キャストの姿が見えると「キャー!」と声援と大きな拍手。

型破りなフランス料理のシェフ・尾花夏樹を演じる木村拓哉から挨拶がスタート。
「今日はお忙しい中、みなさん試写に足を運んで下さいましてありがとうございました。一話はこのような形で作らせていただいております。今現在、撮影現場はもうすでに3話まで録り終えてます。もう着々と色んなことをさらに、僕らは手をつけてますんで、ぜひぜひ出来上がったものを、今日のように、皆さん最後までじっくり楽しんでいただければと思います」。

続いて、三つ星を目指すシェフ・早見倫子役の鈴木京香。「美味しい料理がたくさん出てきたと思いますが、この美味しそうな料理を美味しく作るだけじゃなくて、その料理にしっかり心を込めて、目標を、夢を皆さまのところにお届けしたいと日夜頑張っています。期待に思いっきり応える作品になっています」。

尾花と倫子と対峙するのが、尾上菊之助演じる丹後学。日本のフレンチレストラン「goku」のシェフ。「私は物心ついたときから歌舞伎の道を歩んでるんですけれども、唯一歌舞伎の道ではなく憧れを頂いたのが料理人でして。その夢がこのドラマで叶って、撮影現場そして料理研修でも毎日充実した撮影現場を楽しませていただいてます」。最後に「学もご贔屓に!」と締めくくった。

「はい、ミッチーです!」たった一言でわっと会場を湧かせた及川光博。「レシピ動画の貴公子、相沢瓶人、及川光博です。いや素晴らしい第1話、よかったね!僕たちもさぁ仲いいし(笑)盛り上がってますね現場は。そして現場でお芝居をしながら料理したり、料理しながらお芝居したり、結構大変な作業ですけど、大人の青春ということで僕たち情熱を持って 作品に向き合っております。ボナペティ!」。

陽気なミッチーのあとは喋りづらいと訴えた沢村一樹。尾花とはパリの店で一緒に働いていた京野陸太郎を演じる。現在は丹後と同じ店で、ギャルソンをしている。「料理のお皿を見るようになって。料理人の情熱だったり料理に負けないぐらい色んなレシピが詰まったドラマ」と紹介した。

大変なのは撮影をしてくれるスタッフの皆さん
ここから代表質問へ。大変だったことについて聞かれた木村は、演技について語ると思いきや、撮影について話した。
「大変なのは撮影をしてくれるスタッフの皆さん。どんな色で、どれくらいの明かりを当てて、一番ベストな状態はどこなんだろうっていう。料理を作る僕らは味見も出来ますし、熱も感じることができるので、僕らが大変というよりかは、いかに美しく、匂いを届けることができないこのテレビドラマという世界の中で、見てくださる人達にああこれ絶対美味しいんだろうなっていうような想像を膨らませる、そんな映像を撮ってくれているスタッフ、監督が一番大変なんじゃないかなっていう風に僕は持ってます」。

さらに、劇中に登場したメニューについて、木村が種明かし。「パリで倫子さんに手長エビのエチュベを作ったんですけども、その際にはあのワンシーンの撮影で16人前作りました。あとでスタッフで美味しくいただきました(笑)」。

誤魔化しがきかないシーンだけに、キャストも努力を重ねたと沢村が説明。「ちゃんと時間かけて練習して、全部覚えて撮影に入ってきてるんです。だから適当にワンカット、ワンカットやってるんじゃなくて、頭からちゃんと作りながら覚えて現場に入ってるんです」。これには会場も「おお!」と声を上げて拍手。

さて、木村とTBSといえば…カリスマ美容師にパイロット、医師など話題作を残してきた。
今作の主題歌を手掛けるのは山下達郎。2003年放送の日曜劇場『GOOD LUCK!!』のエンディングテーマ「RIDE ON TIME」以来2度目、16年ぶりのコラボレーションとなる。タイトルは「RECIPE」。楽曲とドラマがリンクする『GOOD LUCK!!』のような感覚が蘇りそうだ。

料理はごまかしがきかない、チームワークは三つ星
撮影についての感想を聞かれた鈴木は、「女性は私一人なんですけれど、こんなに、世界最高峰の素敵な方達と一緒に仕事をしてですね、様子を見て学べるだけではなく、仲間として引っ張ってもらえることもあって、とても素晴らしい時間を過ごさせていただいています。いま日本で一番羨ましがられてる女は私だなーって実感しながら仕事をしています。先ほど、木村さんが別の取材で『チームワークでは既に三つ星』と言ってくださったので、何よりその言葉が嬉しいです。キャストだけじゃなくてスタッフの皆さんにも感謝しますし、最高の現場ですので、最高の料理に最高のお話も確実に届けます!お待ちください」。
シェフらしい言葉で締めくくった。

木村と鈴木は、ドラマ「華麗なる一族」以来12年ぶりの共演。「一緒に同じ夢を追い求める役ということで、とても嬉しかったです」と鈴木が言えば、木村も「全く同じなんですけど、本当に今回は同じ方向を向いて、同じ熱量で前に進んでいけるパートナーとして京香さんが来てくれたことは本当に頼もしいですし、楽しいですし、美しいですし、本当に毎日ワンカット、ワンカットが本当に充実してますし。ここにいるみんな…もっともっとたくさん素敵なキャストがいらっしゃるのですけれど、ワンカットごとにありがたいですし、嬉しいです」
サラッと「美しい」を挟んだ木村。重すぎず軽すぎず、なんてスマートな褒め方なんだろう。

続いて、苦労したことについて聞かれた玉森。「そんなに普段から料理してなかったのでやぱり…(笑)」言葉を噛んで表情がやわらいだ玉森。「やっぱり、手慣れてる感だったり、料理をやってる仕草っていうのはごまかせないので。どれだけいかに自分が撮影入る前に料理と向き合えて、これだけ包丁だったりフライパンだったりそういう器具に、どれだけ触って実感できるかっていうのをすごく課題にしてたので。そういうところ、入るまではすごく自分の中では努力はしてました」。

オムレツ上手かったじゃん!」すかさず及川がフォロー。ミッチーも一目置くオムレツについて、玉森は「緊張したんですよ!あの…焼き色をつけちゃいけないとかシワを入れちゃいけないとか、やっぱり美味しいオムレツの見た目もあるし…」。言いかけたところで木村が「後ろからね、彼女がこう…」ドラマのワンシーンを拾ってツッコミをいれると、会場からも笑い声が聞こえてきた。
「ああいうシーンがあるんだよ一人だけ。尾花は女に手が早いとかいう設定、インフォメーション入れてたけど、そんなシーンないけど」。玉森のシーンにちょっと嫉妬ぎみ?の木村。若き料理人の青春ストーリーもあるのか!?

料理研究家でシングルファーザー、相沢を演じる及川は出版や料理動画などメディア露出をする役どころ。「メディアに出てくる料理人でございまして、意識しているのは好感度です!」。ミッチー節を挟みつつ、「今回、第2話、すごーいパスタが登場します」と第2話のみどころも忘れない。ギャルソン・京野役の沢村は「お客様の口に入るまでが調理」と教わったという。「ごまかしが利かない」を合言葉のように語っていたのが印象的。調理シーンや立ち居振る舞いもみどころの一つだ。

「願うことであればパート2なども…」思わぬ方向から要望が…

撮影のために、パスポート持参でフランス大使館を訪問したキャスト陣。ゲストに駐日フランス共和国特命全権大使ローラン・ピック氏が登場。
演技や撮影時の緊迫感などを踏まえ、「必ずや一般の視聴者にもこのドラマを楽しんでいただけると確信をしています。願うことであればパート2なども実現したらどんなに素敵か…」。早くも続編を希望と、ファンの気持ちを代弁したかのような言葉に、客席からは「そうだそうだ!」と言わんばかりの小声で賛同する声が聞こえてきた。
ちなみに、公式HPによれば大使館でのドラマ撮影は初めてなんだそう。(大使館の室内が気になる!)

後半は、ファンからの質問に答えるコーナー。セリフをどうやって覚えるかの質問に、意見が分かれたキャスト陣。バスタブで覚える派の沢村と及川、対する尾上はケータイに相手と自分のセリフを録音して聞いて覚える。「昔から変えてない」という木村は、「(台本で)他の人のセリフも含めて、このシーンの中で一番大事なところをまず探して、これかなっていうところに丸でかこんで。そっから自分のセリフを読むようにしてます」。

現場での呼び名について聞かれると、及川が「セットの中では役名で呼び合ってますよね」と投げかけた。さっき統一されたばかりだという尾上は「菊ちゃん」。沢村が、木村が玉森を「裕太」と呼んでいることを明かすと、玉森は照れた様子で「呼ばれるたびにちょっと心拍数が上がっています」。及川と沢村が「せーの!裕太ー」とさっそく名前を呼んでいた。

撮影タイムを挟み、木村が最後に客席にむけて挨拶して、会見を締めくくった。
「グランメゾン東京、しっかりみなさんを迎えることができますように、これから僕たち全員で、力を合わせて作っていきますので、ぜひご来店をお待ちしております」。

日曜劇場「グランメゾン東京」は10月20日スタート(初回25分拡大)。毎週日曜よる9時から放送。
(柚月裕実)