毎年必ず起こる「ドラマ」が楽しみなプロ野球ドラフト会議。大船渡(岩手)の163キロ右腕・佐々木朗希が話題の中心だった令和元年も、競合指名による泣き笑いあり、一本釣りあり、サプライズありと大いに盛り上がった。


 12球団の1位指名選手と抽選くじの結果は以下の通り。

ロッテ
大船渡・佐々木朗希投手=4球団競合→当たり

ヤクルト
星稜・奥川恭伸投手=3球団競合→当たり

中日
東邦・石川昂弥内野手=3球団競合→当たり

広島
明大・森下暢仁投手=単独指名

DeNA
桐蔭学園・森敬斗内野手=単独指名

【外れ1位】
西武
東芝・宮川哲投手=2球団競合→当たり
(1巡目×佐々木

日本ハム
JFE西日本・河野竜生投手=2球団競合→当たり
(1巡目×佐々木

楽天
大阪ガス・小深田大翔内野手
(1巡目×佐々木

阪神
創志学園・西純矢投手
(1巡目×奥川)

ソフトバンク
JR西日本・佐藤直樹外野手
(1巡目×石川)

【外れ外れ1位】
巨人
青森山田・堀田賢慎投手
(1巡目×奥川、2巡目×宮川)

オリックス
興南・宮城大弥投手
(1巡目×石川、2巡目×河野)

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◆ロッテ(6人+育成2人)

 ドラフトの目玉である大船渡・佐々木には日本ハム、西武、楽天、ロッテの4球団が競合したが、井口監督がクジを引き当てた。昨年の大阪桐蔭・藤原に続く2年連続の大当たりに「良い夢を見たので、引けるだろうと思っていた。ドラフトで当たりくじを引く夢だった。誰にも言えませんでしたけど」。

 前夜に見た夢が正夢となった。

◆ヤクルト(6人)

今夏甲子園準優勝投手の星稜・奥川には3球団が競合したが、

高津新監督がくじを引き当て、大きな初仕事をやってのけた。

チーム防御率12球団ワーストの課題を克服すべく、上位指名4人は即戦力が期待できる投手。

 ネットでは「神ドラフト」などと高く評価する声が多かった。

◆中日(6人+育成1人)

 与田監督がまたも強運ぶりを発揮。

昨年は岐阜出身の大阪桐蔭・根尾、今年は愛知出身の東邦・石川と2年連続で当たりくじを引いた。

ともに甲子園で優勝した地元選手とあって、期待感十分。

与田監督は「(クジに書いてある『交渉権獲得』の)あの文字を見ることが快感になっている」とニンマリ。

◆広島(6人+育成3人)

 ドラフト前日の指名公表が奏功し、即戦力ナンバーワンの呼び声高い森下をまんまと『一本釣り』してみせた。DeNAなどと競合すると想定していた佐々岡新監督は「クジを引くつもりだった」と驚きを隠さなかった。

◆DeNA(7人)

 今ドラフト最大のサプライズが桐蔭学園・森の1位指名。名前が呼ばれると、ドラフト会場には大きなどよめきが起こった。実績のある大学生投手の1位が予想されたが「ドラフト会議の1時間前に決めた」(関係者)。

 直前まで各球団の情報を集め、指名漏れリスクも含めて地元のスター候補生を指名した。

◆西武(8人+育成1人)

 佐々木の1位指名を公表していたが、抽選で失敗。その後、巨人と競合した東芝・宮川を辻監督が引き当てた。上位指名3人が即戦力を期待できる投手と、リーグ3連覇へ補強ポイントをうめた。

◆ソフトバンク(5人+育成7人)

 王貞治会長が『作戦失敗』を認めた。前日まで1位には投手指名をにおわせていたが、フタを開けてみれば東邦・石川。

「みんな(報道陣)をだましてまで、と思ったが。思い通りにいかなかったね」と残念がった。

抽選の際、クジの入った封筒を工藤監督が落とすハプニングで、ツキも落ちたか!?

◆日本ハム(7人+育成3人)

 早くから1位指名を公表してきた佐々木のクジ引きを川村球団社長が外し『選手交代』。これまで5戦全敗中の栗山監督が、オリックスと競合したJFE西日本・河野を引き当て「験かつぎという験かつぎをやってきた」と喜びをかみしめた。

◆楽天(7人+育成4人)

 『隠し玉』として育成3位で米ハワイ大・山崎真彰内野手を指名。石井GMと同じ東京学館浦安高出身で、東京国際大からハワイ大へ編入。

 今年6月のMLBドラフトの指名候補にも挙がっていた逸材で、異色の「逆輸入野手」として注目を集めそうだ。

◆阪神(6人+育成2人)

 甲子園スターの指名を連発した。

 奥川には縁がなかったが、外れ1位で創志学園・西。2位には今夏優勝した履正社の大砲・井上。続いて横浜・及川、東海大相模・遠藤、中京大学院大中京・藤田と、高校野球ファンにはなじみの深い名前ばかり。

 社会人や即戦力にこだわる近年のドラフト戦略から、大胆に方針転換した。

◆巨人(6人+育成2人)

 とにかくクジ運が悪い。奥川、宮川を続けて外した原監督のドラフト抽選成績は1勝10敗(1勝は日本ハムに移籍して活躍中の大田泰示)。チームも11年に再抽選の松本竜也(英明)を当ててから10連敗と、12球団でもっとも当たりから遠ざかっている。3球団以上の競合は13連敗。

◆オリックス(5人+育成8人)

 こちらも運がない。

 西村監督が石川、河野を外して2連敗。3球団以上の競合はこれまで19度あるが、当てたのは97年川口知哉(平安=4球団)の1度しかない。今回は12球団最多となる育成8選手を指名し、分母を増やして競争で底上げしようという意図がうかがえる。

「指名公表」がトレンド?

 目立ったのは、近年のトレンドである「指名公表」が成功したこと。

 ドラフト前日までに1位選手を公表した6球団のうち、ロッテ佐々木ヤクルトが奥川、中日が石川と、それぞれ意中の相手を引き当てた。

 指名を公表することで他球団をけん制し、競合を減らす狙いがあるが、広島は森下の単独指名に成功し、戦略が見事にハマったといえるだろう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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