大学生の仲間たちによるイタズラ。笑えるものも多いが、中にはシャレにならないものもある。

ある大学生たちの飲み会では、特定の大学生を酔い潰して、その大学生の顔認証や指紋認証でスマートフォンロックを解除して、LINEの履歴を見たり、LINEグループで、「セックスしたい」のような卑わいな言葉を投稿したりして、面白がっているという。

やられた側としては、辛い思いをすることになるだろう。人を酔い潰して、勝手にスマホロックを解除して、その人になりすましてLINEに卑わいな言葉を投稿することは、どのような法的問題になる可能性があるのだろうか。木村康紀弁護士に聞いた。

民事・刑事の両面で問題になる可能性あり

「『セックスしたい』といった内容の投稿をすることは、本人の社会的評価を下げますので、民事上の責任として、名誉権の侵害になり、投稿者は不法行為に基づく損害賠償責任を負います」

では、刑事責任はどうだろうか。

「一般論として、本人や第三者の社会的評価を下げる事実を投稿した場合は、名誉棄損罪が整理しますし、事実でなくても罵倒や悪口を投稿すれば侮辱罪が成立します。

ただ、名誉棄損罪は『事実の摘示』が要件です。この『事実』とは『人の意見判断ではなくしていわゆる真実の証明に適するような具体的事実』(東京高判昭和33年7月15日)と解されています。

そのため、『セックスしたい』という投稿は真実の証明に適する事実か否かという点で見解が分かれる余地もあるように思います。

私見にはなりますが、『本人が『セックスしたい』と考えているという事実』を摘示したと評価されれば成立するものと考えられます」

他に法的な論点はないのか。

「勝手にスマホロックを解除してその中を見ること自体がプライバシー権の侵害に該当し民事上の責任を負う余地があります。また、LINEを無断で利用することは、無断で本人のIDとパスワードを入力し個人のアカウントログインすること(自動ログインもこれに該当しうる)が前提にあるので、不正アクセス行為にあたるとして、刑事罰が課せられる余地もあります。

酔い潰すこと自体も状況によっては強要罪、傷害罪、過失傷害罪などが成立し得る行為です。 いずれにしても、単なるイタズラで許されるものではないことは十分認識すべきかと思います」

【取材協力弁護士
木村 康紀(きむら・やすのり)弁護士
様々な分野の顧問企業を抱える傍ら、ベンチャー支援にも注力しており、シードラウンドのベンチャー支援も行う。内閣府への3年間の出向経験もある。
事務所名:メリットパートナーズ法律事務所
事務所URLhttp://www.meritopartners.jp/

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