ドライブレコーダーの設置も有効策の1つだ

チューリッヒ保険会社は10月18日「あおり運転」に関する調査結果を発表した。調査は、9月にネット上で実施し、週1日以上運転するドライバー2230人からの回答をまとめた。

あおり運転は、車間距離を極端につめて威圧したり幅寄せや急停止することによって、交通上の危険を生じさせる行為のこと。2017年6月に東名高速道路で夫婦2人が死亡した事件を端緒に、法整備やドライブレコーダーの普及が進んでいる。

「速く走るよう挑発」「幅寄せ」「不必要なハイビーム」「執拗なクラクション」


59.8%の人が「あおり運転をされたことがある」と回答。実際に遭遇した被害としては「車に接近してきて、もっと速く走るよう挑発してきた」(74%)、「幅寄せされた」(23.5%)、「必要のないハイビームをされた」(19.5%)、「執拗にクラクションを鳴らされた」(18%)、「左側から追い越された」(14.8%)が挙がった。

また、あおり運転の「思い当たる理由」について答えてもらったところ、最多だったのが「制限速度で走っていたから」(19.2%)、次いで「スピードが遅かった」(17.5%)。低速で走る車にイライラしてしまう人が多いようだ。このほかには、「車線変更をした」「追い越しをした」「合流トラブル」とやり方によっては双方に原因がありそうな回答が並んだ。

実際に取った対処法としては、「道を譲った」(43.3%)、「何もしなかった」(40%)のように8割以上の人が冷静に対処できていることが分かった。中には、「他の道に逃げた」(13.3%)、「ドアや窓をロックして完全に閉めた」(12%)や、「ドライブレコーダーやスマートフォンで撮影した」(6.3%)、「警察に通報した」(1.8%)などの方法によってリスク管理しているようだ。

対策としては「ウインカーを早めに出す」「車間距離をしっかりとる」など

道路交通法の改正検討について聞くと、75.5%が「知っている」と回答。ドライバーたちの関心の高さが伺える。警察庁では重度の結果を招きかねない「あおり運転」が現行法で規定されていないことから、2018年1月から危険運転致死傷罪や暴行罪などを適用してきたが、今年9月からは規定の新設や、より厳しい罰則を設けることを含めた道交法の改正を検討している。

また、昨今の報道を受けて77.3%の人が「より意識して運転するようになった」という。あおり運転の被害に遭わないよう81.2%が「何らかの工夫している」とも答えており、具体的な方法としては、「車間距離をしっかりとる」(58.8%)、「ウインカーを早めに出すようにしている」(43.3%)、「急な割込みをしない」(40.8%)などさまざまだ。このほかにも、

「バックミラーをよく確認する」(40代男性)
「車を周りのスピードに合わせる」(20代女性)
「周囲の車の些細な動向に目を配っている」(40代男性)

といった意見もあり、多くのドライバーが高い危機意識を持っているようだ。