地面を掘ったら土の中から金銀財宝や土器などが出てきたという話は容易に想像できるが、海外では土の中から信じられないものが出てきたようだ。

 海外ニュースサイト『The Sun』は10月14日、地中に埋められた壺の中から生きた赤ちゃんが出てきたと報じた。

 同記事によると、インド北部のウッタル・プラデーシュ州に住む妻は、地元の病院で女の子を出産したが死産だったという。

 死産児を埋葬するため火葬場に行った妻と夫は、墓堀人が穴を掘るのをそばで見ていたそうだ。すると、深さ約90cmの土の中から陶器の壺が出現し、同時に赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたという。夫婦は一瞬、死産した赤ちゃんが蘇ったのかと思ったそうだが、泣き声が壺の中から聞こえてくるので壺を開けて みると、中からおくるみに包まれた女の赤ちゃんが出てきたという。

 夫婦は救急車と警察に連絡。地元の病院に搬送された時、赤ちゃんは体重が1.1kg、早産児で生後3日目だったとみられるそうだ。医師は「早産児の赤ちゃんは酸素が少量でも生存する可能性が高い。おそらく柔らかい地面にできた微小さな空孔を通じて壺の中に微量の酸素が供給され、赤ちゃんが生存できたのではないか」と話しているそうだ。低体温症と肺感染症を起こしていた赤ちゃんは病院で治療を受けているという。

 警察は、女児を望まない両親によって赤ちゃんが生き埋めにされたとみて、赤ちゃんの両親を探しているという。なお、赤ちゃんを発見した夫婦は、赤ちゃんを養女に迎えたいと考えているそうだ。

 同記事によると、インドでは、息子を望む親によって娘が殺害されることは珍しくないという。親が息子を望む理由としては、伝統的な男尊女卑の考え方によるもの、親の老後の面倒を見てくれることなど挙げられるそうだ。一方、娘を望まない理由は、インドの伝統的慣習から娘が嫁ぐ際に多額の持参金が必要とされるなど、金銭的負担が大きいことが挙げられるという。

 このニュースが世界に広がると、ネットでは「赤ちゃんが生きているうちに見つかってよかった」「必ず赤ちゃんの生みの親を見つけ出して処罰して欲しい」「早産児が特別な処置を受けずに生きていたなんて奇跡だわ」「相変わらずインドには人権を無視するようなひどい事件が多いな」「赤ちゃんの両親は地獄に堕ちろ」「夫婦にはぜひ赤ちゃんを養女にして欲しい。死産で子を失った親が墓の中から子を授かるなんて、まるでおとぎ話じゃないか」「生き埋めなんて、ある意味殺人よりむごい」といった声が挙がっていた。

 インドには女児を望まない親たちがいると疑われている例が他にもある。

 インド北部・ウッタラカンド州内の132の村で、過去3か月間に合計216人の赤ちゃんが生まれたが、生まれたのは全て男の子で女の子は1人もいなかったと、海外ニュースサイト『Newsweek』が7月26日に報じた。当局は、この地域で偏った男女の出生率が生じた原因の調査に乗り出したという。

 同記事によると、インドでは1994年に出生前胎児性別診断を法律で禁じ、男女を産み分ける目的の中絶を禁止しているが、女子胎児の中絶が蔓延しているという。

 インドの人口における男女比の不均衡を示すデータもある。同記事によると、前回2011年に実施されたインド国勢調査の結果、インド全体で6歳以下の子どもの男女比は、男児1000人に対し女児914人だったという。別の調査では、北部の州の中には男児1000人に対し女児850人の地域もあるそうだ。インド政府は2018年、約6300万人の女性がインドの人口から消えているとして、「娘より息子が望まれるインド社会全体の問題」を指摘した報告書をまとめたという。

 女子というだけで忌み嫌われ排除される社会全体の問題は深刻だ。

記事内の引用について
MIRACLE BABY Three-day-old baby girl found barely breathing and weighing just 2.4 lbs after ‘parents buried her ALIVE
https://www.thesun.co.uk/news/10134077/three-day-old-baby-girl-found-barely-breathing-parents-buried-alive/

Probe Launched After Not a Single Girl Among 216 Babies Born in Indian District
https://www.newsweek.com/india-sex-selection-uttarakhand-uttarkashi-india-feticide-1450473

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