サンミュージック所属の若手俳優集団・SUNPLUS(サンプラス)の第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」が、10月18日に東京・新宿村LIVEでスタート。その舞台稽古が公開された。

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■ 初めてメンバー11人だけで作り上げた舞台

結成から4年半を迎えたSUNPLUSにとって、蒼木陣、井澤巧麻、佐伯亮、佐奈宏紀、谷水力、野口準、平野宏周、丸山隼、水田達貴、三井理陽、山形匠のメンバー11人だけで作り上げる舞台は今回が初。

脚本を宮本武史、演出を赤澤ムックが手掛けるオリジナル脚本の会話劇で、男子高校生の日常の中に、それぞれが抱える不安や悩みを乗り越えるまでの葛藤を描く、少しほろ苦い青春グラフィティー。

その中に、クスッと笑えるシーンや動きのあるシーンが散りばめられた、盛りだくさんな内容となっている。

■ リアルな男子校の雰囲気を感じる“男子トーク”

舞台は、海沿いの全寮制男子校。夏休みで生徒たちは続々と実家に帰省し、寮に居残ったのは明るく軽いノリの秋吉風太(井澤巧麻)、控えめな性格の小山内正人(谷水力)、クールでモテ男な堀尊(佐奈宏紀)、真面目で勉強熱心な脇坂淳之介(佐伯亮)の2年生4人だけ。

同じ2年生とはいえ、一緒のクラスでもなければ、寮で喋ったこともなかった4人に、実家から通う通学生で同級生、おしゃべりなお調子者の宮野優平(山形匠)が加わり、教師・橘陸夫(丸山隼)の指示で寮の伝統行事「サマー・バザー」の準備をすることに。

最初は距離感のあった寮生4人だったが、寮の冷房が壊れて仕方なく一つの部屋に集まって過ごすことで、徐々に打ち解けていく。

本作で、リアルな男子校の雰囲気を感じることができるのが“男子トーク”。男子特有の“女子”や“モテる男”に対しての、過剰なまでの反応も面白い。

準備を進める5人の元へ、家族がバザー用の品を持ってくるシーンでは、それぞれの“家族との関係性”が明らかに。秋吉家は、弟の秋吉公太(野口準)が届けに来るが、明らかに会話がギクシャクしており、脇坂は妹に溺愛されていることにうんざり、そして小山内には出来の良い兄がいた。

そんな親や兄弟とのわだかまり、他にもさまざまな不安や悩みを抱える彼らの、夏の終わりの平凡な日常は、互いの知らなかった事実が見えてきたことで、少しずつシリアスな雰囲気をまとい始める。

■ 気になる日替わりシーンは?

秋吉風太は普段はヘラヘラしているが、実は母親にまつわる記憶にとらわれて、弟との関係がギクシャクしていたりと、内側に溜め込むタイプ。そんな彼を“ある出来事”が変えることになるが、そのシーンでの息を呑む迫真の演技は注目だ。

そして、会場の新宿村LIVEはステージと客席の距離が近いため、表情も注目ポイントとなる。特に小山内は、みんなといるときの楽しげな顔、おどおどとした表情、遠慮がちな笑い方、そして兄と接するときの表情からは、彼の内側にある不安や悩みが伝わってくる。

また、正人の兄・小山内渉(蒼木陣)は一見して面倒見の良い兄に見えるものの、実は弟との関係性には根深い問題があり、なかなかに腹黒い性格。今まで見たことのない、蒼木の一面を引き出す役となっている。

そして寮の管理人の孫・榊淳史(水田達貴)は、管理人の仕事を任されていたり、みんなが先輩だったりするせいか、気を遣って少し控えめ。だが、同級生の公太には普段の自分を見せており、些細な感情の演じ分けにも注目したい。

舞台といえば日替わりシーン。本作でも、教師・夏井望(平野宏周)がけんかを止めるシーンや、芸大生・岸直次郎(三井理陽)の作品のネーミングなど、日替わりになる部分がある様子。

さらに、個性豊かなSUNPLUSメンバーの得意分野を生かしており、劇中に流れる校歌は井澤の作曲、岸の作品はメンバー数人で手作りした作品となっている。(ザテレビジョン

SUNPLUSの第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」がスタートした