かつては中国人旅行客の大半が団体旅行客として日本を訪れていたが、近年はこの傾向に大きな変化が生じており、個人旅行ビザで日本を訪れる中国人が増えている。

 旅程があらかじめ決められていて、大型の観光バスで決められたルートをめぐる団体旅行と違って、個人旅行ビザで訪日すれば日本滞在中に好きな時に好きな場所を訪れることができる。中国人の訪日目的がモノ消費からコト消費へと変化すると同時に、個人旅行ビザでの訪日が人気を集めるようになっているようだ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、個人旅行ビザで訪日した中国人のなかには「日本滞在中に中国ではまず起こり得ない体験をする人もいる」と伝え、「日本ではあり得るのに、中国ではまず起こり得ないという事実に、中国人としては心が痛む思いだ」と論じた。

 記事が紹介した「日本ではあり得るのに、中国ではまず起こり得ない体験」とは、タクシーの乗車料金に関するものだ。個人旅行ビザで訪日した中国人のなかには、目的地までの行き方が不案内の際にタクシーを利用する人も多いようだが、「日本でタクシーを利用した際、運転手が道を間違って遠回りしてしまったが、運転手はすぐに謝ったうえでメーターを止めた」、「メーターは止めなかったが、料金を割り引いてくれた」という体験をする中国人が少なからずいるという。

 記事は、こうした体験について「中国人を震撼させるものだ」と伝えつつ、旅行で他国を訪れた旅行客にとっては、滞在中に遭遇した出来事が「その国に対するイメージを形成することになる」と指摘。日本滞在中に利用したタクシーで遭遇した体験は、中国人に「日本に対して好印象を抱かせるもの」であると強調する一方、中国では「観光地といえばぼったくりが横行していて、日本と正反対」だと伝え、その対照ぶりに中国人としては心が痛む思いがすると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本で「中国ではまず起こり得ない体験」、中国人が「心が痛む」と語る理由=中国メディア