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はじめに

アリエルアトム4という車名は、厳密に言えばこのクルマの実態を表してはいない。この英国製ライトウェイトマシンの、第4世代とは言えないからだ。

初代モデルの登場は前世紀末、すなわち2000年に、自然吸気のローバー製Kユニットを搭載し発売。数機種のバリエーションが用意され、最高で193psを発揮した。

2003年には、エンジンをホンダ製に換装したアトム2へ発展。最強モデルは304psを発生するスーパーチャージャー仕様だった。2007年のアトム3は、パワーソースを同じホンダユニットながらK20AからK20Zへ変更し、シャシーも改良された。

次のラインナップは2010年、ウイングを纏ったボディに、スズキのバイク用エンジン2基をベースとした8気筒を積んだアトムV8だ。25台限定で、15万ポンド(当時のレートで約2000万円)と高額だったが、3.0Lから507psを叩き出すそれを当時われわれは試乗して「とことんすばらしい」と評した。20数人程度で運営されていたクルーカーンの小規模メーカーは、まさに世界を打ち負かす一台を生み出したのだ。

2013年にはアトム3.5をリリース。過激すぎたV8からすればまともといえる2.0L直4はアトム3のホンダユニットの発展版で、機械過給版の最高出力は319ps。ヘッドライトが新デザインとなり、シャシーは剛性が向上した。当然ながら、走りはコンマ5に相当する程度の改善が見られ、アリエルのウェイティングリストはますますページを増やすこととなった。

と数え上げてみると、今回のテスト車は第6世代のアトムだということになる。そして、バージョン3.5との共通部品はペダルとフューエルキャップのみという触れ込みの全面刷新が図られたモデルだ。すばらしいことは間違いないだろうが、従来モデルを忘れさせるほど魅了してくれるのだろうか。乗る前から、期待は膨らむばかりだ。

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

アリエルアトムは、1台を1人の技術者が手組みするマシンだ。この製造プロセスは、初代から変わることがない。しかし、アトム4はデザインやハードウェアが大きく変わった。直前のアトム3.5と見比べても、変化は明らかだ。

根源的な方法論はそのままだ。剥き出しの外骨格フレームを土台として、アルミ部材のプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンと、調整式コイルオーバーユニットが組み付けられる。

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ダンパーはビルシュタイン製が標準装備。だが、テスト車が装着していたのはオーリンズ製の別体タンク付きダンパーを用いたオプション品で、もちろんアリエル専用設計キットだ。

ステアリングはアシストなし、エンジンは横置きミドシップ、6速MTを用いた後輪駆動であることも従来通り。またオプションとして、機械式LSDが設定されており、テスト車にはこれが装着されていた。

このほか、APレーシング製強化ブレーキキットや調整可能な電子制御トラクションコントロールも、テスト車は装備。新型の過給エンジンには、ブースト圧コントローラーも用意されている。

チューブラーフレームはスティール素材だが、2014年に試作されたチタンフレームでのノウハウも投入された新開発品。ブロンズ溶接した鋼管は、これまでより直径が増し、剛性が15%高められた。

レッグスペースも拡大され、前面衝突に対する乗員保護性能も改善。サスペンションはピックアップポイントを刷新し、アンチスクオットとアンチダイブを期してジオメトリーも見直し。前後異径のホイールは1インチずつサイズアップし、運動性はそれらの恩恵を受けているという。また、わずかに延長されたホイールベースは、スタビリティの向上につながっている。

新採用のターボユニットは、ホンダの現行シビック・タイプR用がベースのK20Cユニット。ショートストロークの2.0L直4 i-VTECは、ブーストコントロールのモードを最強にセットすると320psと42.9kg-mを発生する。

ベースとなる公道仕様の公称重量は595kgで、先代の3.5よりだいたい20kgの増加。それでも、市販車としては最軽量の部類に入る。オプション満載のテスト車は、満タン状態での実測値が680kgだった。

最高速度は260km/h。デザイナーはこの数字を達成するべく、空気抵抗とのバトルを繰り広げたことだろう。ほとんどの部分がカーボン仕様も選べるボディパネルは新規パーツで、ロールバーはエアインテーク部分のボディワークに組み込まれた。また、歴代モデルでもっとも低く幅広い。

内装 ★★★★★★★★★☆

アトムは乗車スペースが完全に剥き出しになるので、インテリアに関する一般的な尺度は当てはまらないかもしれない。運転席は、コクピットと呼ぶのがふさわしいように思える。

そのアトムのコクピットは、サーキット育ちのスリリングなマシンの世界においてみても、かなり簡素な部類に入る。無駄なトリムは削ぎ落とされ、機能上不要なスペースはまったくない。

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運転中に気を散らされるものも見当たらず、とくに、オプションの二輪用後付けナビを装着しなければなおさらそうだ。テスト車には取り付けられていたが。

これまで、シートは左右一体成型だったが、アトム4でようやく左右別体のバケットシートとなった。ドライビングポジションの調節が容易になったので、この変更は歓迎したい。

そのほか、コクピットにあるのはシフトレバーと3つのペダル、径が比較的小さいスエード巻きのステアリングホイールと、その奥に並んだ少しばかりのスイッチくらい。そうそう、ドライバーの目の前には、高精細のデジタルメーターが据え付けられる。

その向こうにスカットルの幅いっぱいに広がるのは肉薄のクリアなパースペックスを用いた低いスクリーンで、左右シートの前が上へ突き出している。ウインドスクリーンというよりは、ウインドディフレクター程度のアイテムだ。これは191ポンド(約2.6万円)のオプションだが、必需品ともいえる標準装備してほしいアイテムだ。走行風を防ぐことで、走行中の快適性は大きく変わる。

複雑に組まれたスペースフレームを乗り越えるには、ある程度余裕のあるズボンと股関節の柔軟さが必要だろう。しかし、いったんコクピットに収まってしまえば、まさにそれらしい雰囲気に満たされる。前も横も、視界を遮るものはほぼない。もっともこのクルマ、ヘルメットをかぶって乗る機会が多いので、十分に視認性を享受できないのだが。

全体的なレイアウトは、エルゴノミクス的にみればエクセレント。だが、小物入れすらない点は、日常使いするならマイナスポイントだ。リュックサックどころか、スーパーバイクのストレージボックスの方がまだ容量がある。

ノーズに小さな収納スペースはあるものの、飲み物と菓子か携帯食でも入れたら満杯という程度。これに比べたら、ケータハム・セブンが実用車に思えてくる。もっとも、このクルマの運転には、手軽に補給できる水分と栄養分が欠かせないだろうから、この小さな物入れは必須だ。

走り ★★★★★★★★★☆

アトム3.5Rに積まれたホンダ製4気筒ベースのスーパーチャージャーユニット、K20Zは6100rpmで33.6kg-mを発生した。アトム4のK20ターボは、42.9kg-mに4000rpmで達する。トルクが増加しアクセスしやすくなったことは、軽量ボディと相まって、非常に大きな増強に感じられる。

その結果、この走る鉄骨は、景気よく操縦しなくても、ヘヴィウェイトなパフォーマンスカーに匹敵する走りを見せる。4速固定での48-113km/hは4.2秒で、725psのアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラにコンマ1秒後れるのみだ。実際の高速道路でこの2台が遭遇したら、低回転からでも高回転でも、かなりの勢いでアトムがオーバーテイクすることはありうる。

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また、十分予期できることだが、スタートはかなりスマートだ。オプションでローンチコントロールも装備できる。ただし、その電子制御デバイスのダイヤルをゼロにして、ギアを2速に入れ、停車時のリミッターが作動する5000rpmまでエンジン回転を上げれば、あとはクラッチの繋ぎ方次第でどれくらいホイールスピンさせるか決めるのも可能だ。

1速を飛ばしても、ターボがしっかり利いていればホイールスピンさせることができる。しかし、完璧なシフトワークをすれば、500万円台のライトウェイトスポーツが、5倍近い価格のエキゾティックカーと変わらぬ0-97km/h加速タイムをマークする。われわれの最速タイムは3.1秒だったが、路面が文句なしのコンディションで、さらに1名乗車だったら、3秒切りは十分にありうる。

このターボエンジン、過給が効いて中回転域で大トルクを叩き出すまでには1秒かそこらの間がある。しかし、驚くほどデリケートなスロットルのコントロールと、ほかにはないほど回りたがる性質は、ホンダの最新4気筒ターボにも残っている。

高回転でのサウンドも秀逸で、吸気音はそれほど大きくなく、内燃機関の音を存分に味わえる。ただし、旧来ユニットにあったリニアなパワーデリバリーや繊細なレスポンス、絶叫するようなエキゾーストノートは持ち合わせていない。

正直言って、高回転域でドラマティックに応えてくれる、これまでのスーパーチャージャーユニットが恋しくなるときもある。しかし、時とともに先へ進まなければならず、将来を見据えて最善の選択をしなければならないのは否定できない。

アトム4の直4ターボは、おそらく間違いなく、アリエルのようなメーカーが手に入れられるエンジンとしては最上級のものだろう。ターボであるかどうかは問わず、選ぶ価値があるものだ。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

このアトムでインフォテインメントシステムと呼べそうなものをあげるなら、デジタルメーターに組み込まれたGPS式ラップタイムレコーダーだろうか。コクピットの直前に設置されたレシーバーは、少なくとも英国内のサーキットは自動的に検出し、人工衛星との通信で計測したラップタイムを記録するとともに、計器盤内に表示もする。

さらに驚かされたのは、395ポンド(約5.3万円)のオプションであるリアビューカメラだ。リアフォグランプ直下のカメラが捉えた映像を、トランスミッションをリバースに入れた途端、メーター内へ自動的に投影する。ヘルメットを被っていると後方視界が著しく限られるので、実にありがたい装備だ。

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アリエルは、アフターマーケット品であるトムトムのポータブルナビゲーションも用意。充電ソケットに有線接続するドックにマウントするもので、480ポンド(約6.5万円)のオプションだが、機能的には十分すぎるほどだった。

燈火類

ヘッドライトはハイ/ローともコンパクトなLEDが標準装備。ライトユニットは、サーキット走行時には取り外すことができる。性能を試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

ペダルボックスは、先代からキャリーオーバーした数少ないアイテムの1つだが、なんら破綻はなく、ポジションはドンピシャだ。A/Bペダル間は比較的近く、ヒール&トウがしやすい。ブレーキのペダルフィールがしっかりしていれば、なおよかっただろう。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

普段使いの速度域であっても、このクルマを自信を持って走らせるには、位置決めの完璧な、アルカンターラを巻かれた小径ステアリングホイールから手を離してはいけない。リムの手応えは実にヘヴィだが、路面からの有意義なインフォメーションをはっきりと伝達してくれる。指先から、甘美で引き込まれるアナログなドライビングの世界へとダイブしていけるのだ。

ステアリングレシオは飛び抜けてダイレクトとは感じられず、むしろ直感的に操れる速さといった印象。小さく軽い、敏捷な性質のクルマにはぴったりだ。切り込むと、荷重もばっちり伝わってくる。フロントタイヤのサイドウォールがたわみ始めると、この上ないコンフィデンスが湧いてくる。また、グリップレベルの上下にかかわらず、荷重が抜けて流れるのも教えてくれる。

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アリエルは明らかに、バンプでキックバックしてきたり、轍にやや足を取られたりしがちなアトムのステアリングを、明らかに穏やかなものへしつけている。しっかりステアリングリムを握りしめていなければならないのは、よほどの低速走行時か、路面の凹凸がきつい時くらいだ。

とはいえ、どんなスピードで走っていても、アトムの荷重が小さい前輪との距離感の近さには驚かされる。サーキットでは、タイヤが暖まっていくのを手に取るように感じ取れるのだ。

サーキットテストにおいて、調整式のオーリンズ製ダンパーは、アリエルが設定したままの伸びも縮みも寛容なセッティング。もう少し硬くしてもいいくらいだった。しかし、軽量なサーキットマシンらしく重心高の高いクルマらしい運動性を示すことは、少し走ればすぐわかった。ばね上が動きたがり、荷重移動に慣れが必要なのは、スーパーバイクや古いポルシェ911にも似ている。

公道上では、リア寄りの重量配分と、バンプでの驚くほど大きな上下動に身体を慣らしていくこととなる。だが、夢中になるのも時間の問題。サーキットではとんでもなく鮮烈なクルマで、おいしい瞬間を余すことなく味わえる。

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

オーリンズのダンパーをサーキット向けに硬くしても路面にしっかり追従するので、はじめはこのアトムハードコアさにはそぐわないような印象を受ける。アンジュレーションのある路面で磨かれたしなやかさを見せ、垂直方向のすばらしいボディコントロールを損なうことなく、突然の突き上げも角を丸めてくれる。

そうはいっても、これをリラックスできるクルマだとは呼べない。また、そのサイズと全体的な活発さゆえに、むき出しのタイヤが不整路面に差しかかればすぐわかるので、身構えてしまう。ありがたいことに、かなり低い速度で、最悪に近い凹凸でもなければ、そうしなくてもいいのだが。総じてこのクルマは、直進性に優れ、この手のクルマの水準に照らせば、極度な緊張を強いるというわけではない。

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このクルマには、シャシーよりもドライバーの身体に負担をかける要素がある。ヒーターがないのだ。寒い思いをしたくないなら、服を着込んで、あとは天候がよくなることを祈るしかない。また、高速道路で頭を振られないようにしているのも、疲労が増す原因になる。

さらに、ノイズの問題がある。アイドリングでも、騒音計の針は74dBを指し、113km/h巡航では92dBにまで跳ね上がる。耳栓をしてヘルメットを被る必要があるほどだ。

シートは、最初のうちは快適だが、長距離乗っているとつらくなってくる。ホールド性がほぼ文句なしというのは、テスター陣も認めるところだが、ランバーサポートの欠如が不都合に感じられる向きもあるだろう。

はっきりいって、このアトムを休憩なしで走らせられるのは1時間がいいところだ。スーパーバイクでの遠出が、イメージとしては近いかもしれない。もっとも、手荷物を置くにも困るこのクルマを、長距離ツアラーとして買うことはないだろうが。

購入と維持 ★★★★★★★★★★

驚くべきは、スーパーカー並みのパフォーマンスと、比類ないほど夢中になれるドライビングが、600万円弱で手に入ること。もっとも、約540万円という価格で手に入るのは、まったくの素の状態だが。

4987ポンド(約67万円)のオーリンズ製ダンパー、2388ポンド(約32万円)のAPレーシング製ブレーキキット、1950ポンド(約26万円)の調整式トラクションコントロールなど、有償オプションが満載のテスト車は、5万4307ポンド (約733万円)相当だ。

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ウインドスクリーンすらオプションだが、驚異的なリセールバリューを考えればそれも安いものだ。

しかし、それほど高価でも、バリューの高さは傑出しているといっていい。値落ちがほとんどないのだ。例えばアトム3や3.5は、5年落ちでも、アトム4の新車価格に匹敵する500万円台半ばの値をつけているのだ。この新型も、初期投資の大きさを後悔することにはならなそうだ。

スペック

レイアウト

革新的なブロンズ溶接のスペースフレームシャシーは、4種類の太さの鋼管を用い、フロントからドライバーの背後に鎮座するエンジンの横、リアアクスルの直前まで伸びている。

サスペンションは前後ともプッシュロッド式の上下異長ダブルウィッシュボーンで、ロッドエンドとプッシュロッドはアジャスタブル。前後重量配分の実測値は、35:65だった。

エンジン

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設計も工法も刷新した新シャシーに、ホンダの2.0L直4ターボを積む。

駆動方式:ミドシップ横置き後輪駆動
形式:直列4気筒1996ccターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ86.0×85.9mm
圧縮比:9.8:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:320ps/6500rpm
最大トルク:42.9kg-m/4000rpm
許容回転数:7300rpm
馬力荷重比:531ps/t
トルク荷重比:72.0kg-m/t
エンジン比出力:160ps/L

ボディ/シャシー

全長:3525mm
ホイールベース:2390mm
オーバーハング(前):770mm
オーバーハング(後):365mm

全幅(ミラー含む):1905mm
全幅(両ドア開き):-mm

全高:1125mm
全高:(リアゲート開き):-mm

足元長さ:最大1030mm
座面~天井:-mm

積載容量:-L

構造:スティールスペースフレーム
車両重量:595kg(公称値)/680kg(実測値)
抗力係数:0.40
ホイール前/後:7.0Jx16/9.0Jx17
タイヤ前/後:195/50R16 88W/255/40R17 98W
ヨコハマアドバン A052
スペアタイヤ:なし

変速機

形式:6速MT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.63/8.0 
2速:2.12/13.7 
3速:1.53/19.0 
4速:1.13/25.7 
5速:0.91/32.0 
6速:0.74/39.4 
最終減速比:4.11:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:9.7km/L
ツーリング:13.9km/L
動力性能計測時:5.2km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:-km/L

燃料タンク容量:40L
現実的な航続距離:388km
CO2排出量:-g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、2ウェイ調整式ダンパー
後:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、2ウェイ調整式ダンパー

ステアリング

形式:ラック&ピニオンアシストなし)
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:10.7m

ブレーキ

前:288mm通気冷却式ディスク
後:288mm通気冷却式ディスク

静粛性

アイドリング:74dB
全開時:105dB(3速)
48km/h走行時:81dB
80km/h走行時:88dB
113km/h走行時:92dB

安全装備

4点ハーネス/衝撃吸収式ステアリングコラム
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.5秒
0-60(97):3.2秒
0-70(113):3.9秒
0-80(129):4.7秒
0-90(145):5.8秒
0-100(161):6.9秒
0-110(177):8.4秒
0-120(193):10.6秒
0-402m発進加速:11.3秒(到達速度:198.6km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)

ライバルの発進加速

ライバルの発進加速
ウエストフィールド・スポーツ250(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温15℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.3秒
0-50(80):2.9秒
0-60(97):3.6秒
0-70(113):4.9秒
0-80(129):5.9秒
0-90(145):7.9秒
0-100(161):11.1秒
0-110(177):14.8秒
0-120(193):26.8秒
0-402m発進加速:12.6秒(到達速度:176.7km/h)
0-1000m発進加速:24.8秒(到達速度:200.5km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.3秒(2速)/2.0秒(3速)/3.1秒(4速)/4.6秒(5速)

30-50(48-80):1.3秒(2速)/1.5秒(3速)/2.4秒(4速)/3.4秒(5速)/5.2秒(6速)

40-60(64-97):1.3秒(2速)/1.3秒(3速)/1.9秒(4速)/2.8秒(5速)/4.3秒(6速)

50-70(80-113):1.4秒(3速)/1.8秒(4速)/2.3秒(5速)/3.5秒(6速)

60-80(97-129):1.6秒(3速)/2.0秒(4速)/2.3秒(5速)/3.1秒(6速)

70-90(113-145):2.0秒(4速)/2.5秒(5速)/3.2秒(6速)

80-100(129-161):2.1秒(4速)/2.7秒(5速)/3.6秒(6速)

90-110(145-177):2.5秒(4速)/3.0秒(5速)/4.1秒(6速)

100-120(161-193):3.3秒(5速)/4.5秒(6速)

各ギアの最高速

1速:58km/h(7300rpm)
2速:100km/h(7300rpm)
3速:138km/h(7300rpm)
4速:188km/h(7300rpm)
5速:233km/h(7300rpm)
6速(公称値):261km/h(6620rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2860rpm/3269rpm

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.6m
50-0マイル/時(64km/h):21.5m
70-0マイル/時(80km/h):44.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.59

ライバルの制動距離

ウエストフィールド・スポーツ250(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温15℃
30-0マイル/時(48km/h):8.4m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):48.6m

結論 ★★★★★★★★★★

長い間、超軽量スポーツカーにおける異端児だったアリエルアトムが、かつては打ち負かそうとしていた主流派の仲間入りをした。それも、重要な担い手として。これほどの進展は、そうあることではない。このクルマは、メーカーが長年にわたっていかにうまく開発を進め、スペシャルなものであり続けさせたかを示す好例だ。

ルックスに関しては、アトムが自分のクルマがどう機能しているのかつぶさに確認したいひとびとにとって魅力的であることに変わりはない。すばらしくシンプルでもあり、現代的な質感とより高い組みつけのクオリティ、変わらぬ熟慮ぶりがうかがえる。

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ターボエンジンはほとんど妥協することなしに、実用性とパフォーマンスをより高い次元で両立した。シャシーとサスペンションの改良も、行った甲斐のあるものだ。没頭できる走りのキャラクターは失っていない。サーキットでも公道上でもその楽しさは計り知れないが、それを両立できるライバルは少ない。

今から買おうとしたら、納車待ちは3年かかる。それでも請け合おうじゃないか。3年後の未来においても、このクルマが今と変わらず、このカテゴリーで頭抜けた存在であり続けていることを。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス

道ゆくひとびとが、クルマに興味を示すのを見るのは楽しいものだ。そんななかでも、走らせていてこれほど注目を集めるクルマはそう多くはなかった。恥ずかしがり屋は、乗っていられないかもしれない。

マット・ソーンダース

個人的に、アトムは欠点があるにもかかわらずすばらしいのではなく、その欠点ゆえに走りが輝くのだと思う。ミドシップの軽量サーキットミサイルの基準からすれば、ロールやピッチはやや大きい。しかし、より多くの情報を伝えてくれて、運動性の面の魅力も大きい。

オプション追加のアドバイス

500万円を超える本体価格は出発点に過ぎず、それで満足はできない。191ポンド(約2.6万円)のエアロディフレクターや4987ポンド(約67万円)のオーリンズ製ダンパー、596ポンド (約8万円)のLSDを追加するのは序の口だ。ただし、見栄えを損なうフロントウインドウは着けないほうがいい。

改善してほしいポイント

・シートに多少なりともクッションをつけて欲しい。とくに、腰を支えるパッドはあったほうがいい。
・実用に耐えるものが見つかれば、低コストでABSが着けられるとありがたい。少なくとも、タイヤが冷えている時の安心感を覚えるためだけにも。
・パドルシフトを備えたギアボックスを、なるべく早く用意して欲しい。


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