今週フランス、パリの動物園で驚くべき能力を持つ謎生物が公開された。
それは「ブロブ(blob)」と呼ばれており、見た目は黄色っぽいカビのようにみえる。単細胞生物で粘菌の一種だが、まるで動物のように行動するのだという。
ブロブは1時間で1センチ移動することができる。しかも1日で2倍にも大きくなる。720種の性別を持ち、脳がなくても問題解決ができるし、半分に切断されても自己修復できる。
我々の想像をはるかに超えたこの生命体は、もしかして異星人が地球に持ち込んだものなの?と思うほどなのだ。
―あわせて読みたい―
最短ルートで迷路を解く、恐るべき粘菌の処理能力
したたかな裏切り者が生きのびる驚異の粘菌世界(英研究)
人間には祖先から伝えられたものとは異なる、”外来”遺伝子が組み込まれている事が判明(英研究)
南極の湖の氷の下に生命体を発見。更に研究を進めれば驚くべき生命体を発見できるかもしれない(米研究)
単細胞の藻類が多細胞生物に進化した瞬間を捕らえた貴重な映像(米研究)
Cultivateurs de blob
脳がないのに学習能力、更には情報伝達能力、自己修復能力も
ブロフに脳はない。だが、学習能力がある。迷路に入れると、餌までの最適なルートを探し、早くたどり着く方法を覚える。しかも合体することで、その知識を仲間に伝えることもできる。
「自然の神秘といえる生物です」とパリ自然史博物館のディレクターは話す。
「驚いたことに、脳がないのに学習できます……しかもふたつのブロブを合体させれば、知識を伝えることまでできます。」
休眠状態になることもできる。そして、殺すことすらほとんど不可能だ。真っ二つに切り裂かれても、1、2分で自己修復してしまう。
更には有毒物質を避ける能力があり、1年たってもその行動を覚えていることがフランスの研究で明らかになっている。
胃袋がないのに餌を見つけて食べる、合体して巨大化する
はっきり確認できる目も口も胃袋もないが、どいうわけか餌を見つけて食べる。キノコやおかゆが好物であるらしいが、塩分は苦手であるようだ。
餌を与えられなかったときの行動がまた奇妙だ。ブロブを研究する動物認知学者が1週間それを放置したことがあった。すると天井と一体化していたのだ。
実験室には誰もおらず、また私も私用でブロブに餌をあげられませんでした……いいですか、ブロブは逃げて仲間を見つけると合体します。遺伝的に同じ仲間を見つけると、必ずブロブは合体します。融合して巨大ブロブになるんです。そいつらはオートミールを見つけられませんでした。でも実験室の天井を見つけました……。
Mysterious 'blob' goes on show at Paris zoo
720種の性別を持つこの謎生物の正体は?
この謎生物、ブロブの正体はモジホコリで、学名の”Physarum polycephalum”は、「多頭のスライム」という意味だ。
生物分類学における3つのドメイン(細菌・真核生物・古細菌)のいずれの特徴も備えている。動物のように食い、キノコのように繁殖し、植物の色を持つ。しかも性別が720種もあるというデタラメさだ。
既に10億年前から存在していたと考えられており、1973年、アメリカ・テキサス州の民家の庭で増殖しているのが発見されて脚光を浴びた。
野生のブロブは主にヨーロッパの森林の地面に生息している。気温19~25度、湿度80~100%の環境で繁殖する。天敵は光と乾燥だが、命の危険が迫ると何年も冬眠することもできるという。
ブロブは数キロ四方に成長できるので、科学者は森や汚染された地面の清掃など、自然のリサイクルに利用したいと考えているそうだ。
地球には人知を超えた驚くべき生命体がまだまだ存在しているのかもしれないな。我々が気が付いていないだけで、それはすぐ近くにも...
References:Beware: A “blob” is arriving at Paris zoo this weekend / euronewsなど/ written by hiroching / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52283694.html
こちらもオススメ!
―動物・鳥類についての記事―
なるほどこうすればかまってくれるのか。怪我したフリして家族の注意を引こうとする犬が、なんとも健気でいじらしい件
お父さんが好きすぎる子猫。お父さんを追って屋根の上まで上がってスリスリ
その辺ちょっと転がしてきていい?キックボード練習中の柴犬、さて初の路上はどうなった?
嵐の日にやってきた野良猫を保護し「猫弁護士」として雇用した弁護士協会(ブラジル)
どんなに高くしても軽々とペットフェンスを飛び越えてしまう犬に対して飼い主がとった最終兵器。効いてる効いてる!
―動画の紹介記事―
お父さんはがんばった。娘のために人間UFOキャッチャーマシーンを自作。クレーンには愛娘が!(アメリカ)
お父さんが好きすぎる子猫。お父さんを追って屋根の上まで上がってスリスリ
その辺ちょっと転がしてきていい?キックボード練習中の柴犬、さて初の路上はどうなった?
生前は人を笑わせることが大好きだった男性、遺言通りに葬儀中のサプライズ。追悼者らを笑顔に(アイルランド)
どんなに高くしても軽々とペットフェンスを飛び越えてしまう犬に対して飼い主がとった最終兵器。効いてる効いてる!
カラパイアの公式アプリがついにリリース!サクサク見やすい、使いやすいよ! https://t.co/0PBhJB1jK7 pic.twitter.com/M1QblHgKJ7
— カラパイア (@karapaia) 2017年12月9日
コメント