古今東西嫁姑問題は絶えることがありません。そんな嫁姑問題、今回はとある完全同居の姑が嫁に放った、驚きの「姑語録」をご紹介します。

姑語録1:「愛情が足りない」

「あなたは子供への愛情が足りないのよ」子供が小さい頃に、姑から面と向かって何回もいわれた言葉です。何回もいわれているうちに「そうなのか、自分は愛情が足りなのか…」と真に受けて、その一言がループして子供に明るく接することができない日々がありました。「どうせ私はダメな母親なんだ」と、どうしても後ろ向きの気持ちになってしまうのです。子育てが閉ざされた社会(家庭だけ)でなされていると、そんなリスクをはらみます。

そのことを保育園で一緒だったママ友にポロっと愚痴ったら「え⁈あのバアバがそんなこというの?」と驚いていました。そのママ友はバアバ(姑)と面識がありました。外面がいいので、とてもそんなバアバとは思えないのです。また、そのママ友は「そんなことないよ」と励ましてもくれました。

子供が小学校になって、小学校のカウンセリングルームに相談に行ったときも「姑に『愛情が足りない 』と言われたことが軽くトラウマになっている」とカウンセラーさんにはなしました。「こうやってカウンセリング室に来て相談してくれる時点で、それ自体がお子さんを愛している証拠です」といってもらえました。すっと肩の荷が降り、よかったと胸をなでおろした瞬間です。

このように誰かに「今のままでいいんだよ」といってもらうだけでもホッとするものです。
子供を産んで20年近くたっていても忘れられない、ノドに刺さった骨のようにいつまでも自己肯定でいないキーワードでした。

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姑語録2:「頭が悪い」

5年前の夕食時の話です。ニンジンの皮をあえて剥かずに作った料理を出したら「ニンジンの皮を剥くことも知らないなんて、頭悪すぎる」と姑の言葉。ニンジンの皮を剥かなかった理由は、マクロビオティックの「身土不二」という食べ物の全部を食べましょうという理念を知って「やってみよう!」と思ったからです。見た目的に差し支えのない範囲で皮を剥かずに料理をしました。その理由を姑にはなしても、聞く耳を持たないでしょうし、聞いたとしても受け入れることはないでしょうから、そのまま放置しました。

姑は、自分と同じやり方・考え方をしないと「頭が悪い、人としておかしい」と言い切ります、決めつけが激しすぎるのです。

他にも、洗濯ものの畳み方が自分の「教えた通り」じゃないと納得しません。孫の洋服が入っている引き出しを開けて、全部畳み直してしまうのです。義母の息子である夫の洗濯ものまで嫁が「教えた通り」にやらないと畳みなおします。「何回いっても直らない、本当にあなたは頭が悪いのね」と付け加えて。嫁の流儀は、全く受け入れられません。

頭が悪い人ほど、人のことを「頭が悪い」といいます。頭がいい人は、他人のことを「頭が悪い」とは言いません。なぜなら、自分で自分の立ち位置を肯定できているので、人と比較しません。人を貶める必要がないからです。自分の立ち位置に不安な「頭の悪い人」は、相手を貶めるのです。そんな見方ができると「かわいそうだな」と思ってしまいます。

姑語録3:その洋服の趣味悪いわね

「あなた、自分で分からないと思うけど、洋服の趣味悪いわね」ともいわれたこともあります。

プリーツの幾何学模様の今っぽいロングスカートですが「そのスカートじゃ太っているのが余計目立つわよ」とも付け加えました。洋服は、それぞれの趣味の問題で、趣味がいいか悪いかは世代や好みが違うものです。それを「自分の趣味こそがいいもので、他の人の趣味は認めない」と思い、思うだけならともかくそれを口に出して相手にいいます。さながらシンデレラのお母さん・お姉さんよろしくな言動です。

残念ながら姑は、親戚からも「おかしい」と思われている

でも救われたこともありました。姑、夫、子供たち、嫁で親戚のうちに泊まりに行ったときのことです。嫁は子供たちを寝かしつけたのと一緒に、夜早いうちに寝てしまいました。布団を敷いて寝ていた部屋の襖一枚隔てた向こうの部屋から「うちの嫁はまったく」という話を親戚にしている姑の言葉が漏れ聞こえてきます。眠かったので途切れ途切れにしか聞こえてきませんでしたが、明らかに「台所は汚い、洗濯物はちゃんとできない困った人なのよ」というような話でした。

ところが後日、夫から聞いた話だとその親戚が姑の事を「困った人だ」と思っているということ。泊まっている間に見た姑の孫である長女への執着に近い溺愛ぶりと、嫁への態度のギャップを見て「異常だ」と思っていたそうです。「何だ、分かってくれていたのか…」と思ってホッとしました。

いつも周りの目を気にしている人は、実は自分にコンプレックスのある人です。自分を高く見せたいから見栄えのいい格好をします。「他人からどう見られているか」が最大の関心事なので他者との比較に事欠きません。

以前電車にあった発泡酒の広告で、ウッチャンが「聞き流すのも大事なスキル」といっていたものがありました。考え方が合わない相手とはなるべく関わらない、色々いわれても真に受けず聞き流すのが一番です。俯瞰してみると、攻撃的な相手のいっていることはトンチンカンなことが多いです。

昔、会社に行く前に姑に呼び止められて説教されて、会社に向かう電車の中で心が真っ白になっていた状態なことが何回もありました。でも、何度かあまりに理不尽なことを言われたとき言い返したら最近はそのようなことはなくなりました。嫌味をしばしばいわれますが、こちらも忘れるスピードも速くなりました。(笑)どうしても許せないということをいわれたときに逆マウンティングして釘をさすことも効果的なことも付け加えておきます。