日本経済は長く停滞が続いており、失われた20年とも30年とも言われる。中国メディアの今日頭条は17日、「日本が失われた20年からまだ抜け出せないのはなぜか」と疑問を投げかけ、分析する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の「失われた20年」はどんなところに表れているかを紹介。中国のメディアやネット上では、「低欲望、高齢化、経済停滞」などは失われた20年の後遺症と言われているそうだ。また、人口減少、結婚率や出生率の低さ、アベノミクスの不発などが盛んに伝えられ、中国人にとって日本の印象はまるで「余命わずかな老人」のようだとしている。

 では、その印象は正しいのだろうか。実際に日本に行ったことがある人は、日本の繁栄を目にして意外に感じるという。むしろ、日本は冷静に自分を見つめることができていて、バブル崩壊前からすでに「自己分析と反省」を始めていたと感心している。映画や文学作品にも、日本沈没、日本崩壊、日本の危機、挑戦、劣勢といった内容が多く、いかに日本人が危機感を抱いているかを伝えた。

 それと同時に、日本では「科学技術」に力を入れてきたと記事は指摘。これは、日本が「失われた20年」の間に、ただ手をこまねいてきたわけではないことを示しているだろう。2001年には、「50年間でノーベル賞受賞者を30人出す」と目標を掲げ、実際それに向かって人材を集め、育成し、基礎研究に多額の費用を投入している。記事は、科学技術に注力する日本を「球団を買ったり不動産を購入したり、ワイナリーを買うよりもよほど良い」と将来性のある投資だと称賛しているが、これは現在の中国に対する批判の意味もあるのだろう。

 こうしてみると、日本は失われた20年と言われるものの、この20年間は目立たないところで科学技術を進歩させてきたと言えるだろう。記事は「才能を隠すというこの点で、中国は学ぶべきだ」と締めくくっている。自らの功績を見せびらかしたがる中国は、「失われた20年」などと言われて軽く見られながらも、黙々と科学技術を発展させてきた日本が良いお手本になっていると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

目立たずに科学技術を進歩させてきた日本、「中国は才能を隠す点で日本に学ぶべき」=中国メディア