アラジン』や『ダンボ』などなど、ディズニークラシック作品の実写化企画が続くなか、ついにこのジャンルにおいて続編作品が作られた。『眠れる森の美女』を基にした『マレフィセント2』である。

前作『マレフィセント』は、実写化ブームの火付け役となった作品のひとつ。『眠れる森の美女』に登場するマレフィセントは、その風貌と邪悪さから、ディズニーヴィランズ(悪者たち)のなかでも最もおそれられているキャラクター。そこでアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、おとぎ話のなかで悪役だと思われているマレフィセントのイメージをひっくり返していく内容が話題となり、大ヒットを果たした。

悪な美しさを誇るマレフィセントは、一見すると冷たく感じるが、じつは誰よりも、“眠れる森の美女オーロラ姫のことを保護者の目線で親身に想っている。今回のストーリーは、おとぎ話同様に、永遠の眠りから目覚めたオーロラ姫が、フィリップ王子のプロポーズを受け入れたとき、妖精界を滅ぼそうとする恐るべき罠が動き出すという内容。結婚式の日、危機が迫ったオーロラ姫を救うため、マレフィセントの愛が試される。

眠れる森の美女』では、マレフィセントの陰謀が打ち破られ、オーロラ姫がフィリップ王子と結ばれてハッピーエンドを迎える。本作も、マレフィセントがふたりの結婚を邪魔しようとするところは同じだ。しかしその裏には、結婚をめぐる罠からオーロラ姫を助けようとするマレフィセントの優しい心があったという逆転が面白いところ。

それは、“理想の王子様と一緒になってめでたしめでたし”という、古くから信じられてきた女性の幸せのかたちへの疑問を呈する意味も持たせられているのかもしれない。多様性が重要視されてきているいま、新しい世代へ向けた、おとぎ話の現代的解釈にも注目してほしい。

『マレフィセント2』
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