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9月の販売台数は7533台 大幅に増

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

マツダ3。「魂動デザイン」をさらに深化させ、引き算の美学をテーマに作り上げられたエクステリアデザインなどは日本車離れしていると、登場前から高い評価を受けていた車種である。

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日本ではファミリアアクセラという流れを汲む車種ではあるが、ミドルクラスのベーシックカーというよりは、マツダらしさが前面に散りばめられたモデルに仕上がっている、というのが正直な感想だ。

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マツダ3の販売台数は、6月は1591台/7月は3668台、先月9月の販売台数は7533台と大幅に増進。

裏を返せばファミリアアクセラのイメージとは決別したかったところもあったはずで、今回海外での販売名と同じマツダ3へと改名したのはある意味必然だったのかもしれない。

そんなマツダ3だが、実は販売台数だけを追ってみると登場月の1682台は仕方ないとして(5月24日発売のため)、6月も1591台、7月でも3668台と、前評判からすると非常に物足りない数字となっていた。

しかし、先月9月の販売台数は7533台と大幅に増進し、月販目標台数の2000台を大きく超える数字となっている。

果たしてマツダ3のデビューから9月までの4か月間に何があったのだろうか。

そもそもマツダ3、どんなクルマ?

その前にマツダ3というクルマについて今一度振り返ってみよう。

ボディタイプはファストバックと呼ばれる5ドアハッチバックと4ドアセダンの2種類。

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マツダ3の乗り味はマツダらしいスポーティな印象。

ボディサイズは
全長:4460mm(セダンは4660mm)
全幅:1795mm
全高:1440mm(セダンは1445mm)
と、もはやファミリア時代の面影はない堂々としたもの。

ボディサイズだけでみれば2002年に登場した初代アテンザと同等と言えばそのサイズ感がおわかりいただけるだろう(セダン同士での比較)。

搭載されるエンジンは、ファストバックに1.5Lガソリンが用意される以外は共通で、1.8Lのディーゼルターボエンジンと2Lのガソリン、そして年末に発売が予定されているSKYACTIV-Xと呼ばれる、マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」を採用するエンジンを搭載するグレードが控えているといった寸法だ。

乗り味はマツダらしいスポーティな印象で、こういった車種が好きな人であれば気に入ることは間違いなしだろう。

ただ、その結果、正しい操作をしなければクルマがきちんと動かない、ということも言える。

例えば、他社のコンパクトカーはどちらかというとアクセルが早開きの傾向があり、少し踏んだだけで前に出る感覚がある。

対するマツダ3は、しっかりした加速を得られたければその分アクセルを踏み込まなければならず、慣れていないユーザーだと「出足が悪い」と感じる可能性がある。

ブレーキも同様で、しっかり利かせたければその分しっかりブレーキペダルを踏み込む必要があるのだ。

そのため、そういった「演出過剰な」車種から乗り換えた場合、なじめないドライバーも出てきてしまうだろう。

9月に入って販売が好調に転じた理由は?

さて、本題の9月の登録台数が大幅に伸びた理由であるが、これはひとえにラインナップが充実してきたという理由がひとつにあるのではないだろうか。

実はマツダ3自体は5月に発売がスタートしていたが、当時デリバリーされていたのはファストバックの1.5Lガソリンモデルと1.8Lのディーゼルエンジンモデルだけだったのだ。

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年末にはSKYACTIV-Xが登場予定。マツダ3の販売台数の動向が変わる可能性がある。

そしてようやく7月に入ってから2Lガソリンモデルがデリバリーを開始し始め、その結果ようやく登録台数が軌道に乗ったと思われる。

マツダ販売店によるとマツダ3は新規車種(アクセラの後継車とはいえ)であり、バリエーションも豊富なため、実際に乗り比べてから決めようと考えるユーザーも少なくないとのこと(SKYACTIV-Xは指名買いが多いようだが)。

そのため、試乗をして納得したユーザーが購入をし始めたというのが理由と考えられる。

また、残念ながらSKYACTIV-Xの販売が10月から年末に延期になったことや、レギュラーガソリンからハイオクガソリン仕様に変更になったことで購入を再検討したユーザーも少なからずいたそうだ。

どちらにしても、いわゆる新型車効果で登場後の数か月だけ販売が好調な車種よりは、じっくり選んだ結果チョイスされたマツダ3の方がクルマとしての底力を持った車種であると言えるかもしれない。

年末にSKYACTIV-Xが登場したときにまた販売台数がどう動くのか、期待しながら注視したいところである。


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