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2019年上半期 ダイハツが首位

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎

全国軽自動車協会連合会がまとめた2019年9月の軽自動車の国内新車販売台数(速報値)は、前年同月比13.2%増の20万503台と2か月連続での前年実績超えを記録する。

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新型ダイハツ・タント・カスタムRS。

これで2019年度上半期(4月~9月)の新車販売の成績は、前年同期比6.2%増の96万1730台と3年連続でのプラスとなった。

9月の軽自動車のブランド別新車販売台数は、ダイハツが前年同月比33.2%増(6万7584台)を成し遂げて4か月連続でシェアトップにつく。最大のライバルのスズキは同1.9%増(5万4683台)と久々のプラスとなり、前月と同様に第2位に位置。

また、Nボックスの販売が堅調なホンダは同0.4%増(3万7179台)、デイズを新型に切り替えた日産は同15.9%増(2万2199台)、eKシリーズを新型に切り替えた三菱は同15.0%増(7278台)とプラスを達成した。

また、OEM供給を受けるトヨタマツダスバルも前年実績超えを成し遂げる。

一方、2019年度上半期で見ると、ダイハツが前年同期比11.0%増(31万3006台)を記録して2年ぶりのトップとなり、前年度首位のスズキは同4.0%減(27万2866台)で第2位に陥落した。

駆け込み需要は?

9月の軽自動車の販売動向について業界団体の関係者は、「消費税アップ直前の駆け込み需要に関しては、全ブランドがプラスを記録したことから、一定程度はあった模様。ただし、前回の消費税アップ時と比べると、盛り上がりは小さめだ。9月の新車販売が2桁プラスを記録したのは、駆け込み需要というよりも、新型車効果が大きい」と概説する。

また、2019年度上半期の結果については、「軽自動車が3年連続で年度上半期の前年超えを達成する一方、小型乗用車は前年同期比0.7%減(62万2371台)にとどまっており、コンパクトで経済的なクルマを求めるユーザーは軽自動車に移行しつつあるようだ」と分析。

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ダイハツ・タントの内装。主力グレードの運転席は540mmのスライドが可能。

「その軽自動車は、大規模リコールの影響でマイナスに落ち込んだスズキを除くと、独自モデルを生産する主要ブランドがすべてプラスを成し遂げた」と指摘した。

タントvsNボックス 9月は?

9月の軽自動車の車名別ランキングでは、新型に移行したダイハツ・タントが常連トップのホンダNボックスをどれくらい追いつめるかに注目が集まった。しかし、結果は予想外にあっけなかった。

首位に立ったのはホンダNボックスで、前年同月比26.4%増の2万8484台を記録して25か月連続でのトップにつく。

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9月に2万8484台を販売したNボックス。タントの追撃を退けた。

8月は1444台の差で第2位となったダイハツ・タントは、同84.3%増の2万1858台と9月も同順位に入ったものの、その差は6626台。前月より広がってしまった。

直接のライバルとなる新型車の追随をものともしない盤石の好セールス。もはやホンダNボックスは、往年のトヨタ・カローラトヨタ・プリウスの境地に入っているのかもしれない。

トップ2に続いて第3位に入ったのは3月に新型に切り替わった日産デイズで、同18.4%増の1万7841台を成し遂げる。また、第4位には同14.2%増の1万5754台とプラスに復帰したスズキ・スペーシアが入った。

ジムニー増産

ちなみに、登録車と合わせた車名別ランキングでもホンダNボックス、ダイハツ・タント、日産デイズの順(登録車第1位のトヨタシエンタは総合で第5位)となり、13か月連続でトップ3を軽自動車が占有した。

注目のニューモデルの販売成績を見ていこう。

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増産体制のスズキ・ジムニーは、13位にランクイン。

3月に新型へと移行した三菱eKは前年同月比13.0%増の5675台で第10位にランクイン。

7月末に特別仕様車のVSシリーズを追加したダイハツ・キャストは同31.0%増の4279台で第11位に。検査体制の再構築を図るとともに増産体制に入ったスズキ・ジムニーは同49.9%増の3102台で第12位に入る。

また、昨年7月にデビューした新型軽バンのホンダNバンは月販計画3000台を上回る3238台の販売台数を記録。着々と定番軽バンとしての地位を固めつつあるようだ。


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