今やSNSを見ればタピオカの写真を見ない日はないほどブームですが、もう一つ、タピオカといえばSNSでの炎上。インスタ映えを狙って飲みかけを捨てたり、オジサンは並ばないでなど、過去の炎上事例は数知れずである。

◆炎上ネタをマネたら同じように燃え上がった

 そんなタピオカ絡みの炎上で最近話題になったのが今年6月、タピオカ屋のイートインスペースで競輪をスマホで観戦していた男性のツイートに対する引用リプライが炎上した「タピオカ競輪炎上事件」だ。その時の元ツイートはこれだ。



“俺クラスおじさんになるとタピオカ屋で競輪を観戦できる。”

 このツイートに対する炎上した引用リプライは……

“せっかく可愛い空間でタピオカ飲んでるのに、変なおじさんが競輪してるって雰囲気ぶち壊しだからあんまり来ないでほしい(顔文字

同意の人RTで拡散お願いします!!!!”


 実は元のツイートの男性と炎上ツイートの男性は実はポーカーを趣味とする知り合いどうしで、「タピオカの列にオジサンは並ばないでほしい」と過去に炎上した文体を真似ただけの、いわゆる「ネタツイ」だったのだが、周りからすれば事情を分かるワケもなく、瞬く間にこのツイートは「炎上」した。

タピオカ屋で静かにレース見てるだけで何が悪い」
「また馬鹿にしたいだけの奴が出てきた」


 炎上はこれだけでは鎮火せず、燃え上がった炎は競輪界をも巻き込み、競輪ファンが競輪場でタピオカを飲んでいる写真をツイートするだけでなく、競輪選手、関係者、さらには心を痛めた女子競輪選手からもこの件に関するツイートが溢れるように。まさしく一般人と競輪界での「ダブル炎上」となったのである。

 そこで今回、炎上元となった男性はToMMyちゃん氏(@cureToMMychan)に当時の炎上の様子を聞いてみた。

◆実際炎上するとどうなる?

Twitter上ではもともと普通のツイートをするアカウントでしたよ。でも、1年ほど前にテレビで取材を受けたんですよ。そのとき酔っ払っててOKしてしまったんですが、取材を受けた自分の部屋にアダルトグッズが置いてあったんですね。それがテレビ放送で映ってしまって、ある人がその番組をキャプチャしてツイートしたらバズられてしまったんですよ……そこからはより『はっちゃけた』ツイートをするようになったんです」(ToMMyちゃん氏)

 一度Twitterで取り上げられてからというもの、際どいツイートをするようになったToMMyちゃん氏が今回の炎上を招くのは、時間の問題だったのかもしれない。

「今回タピオカツイートで炎上したのですが、炎上そのものは辛いというわけではありませんでした。一部の方はネタツイだとわかってくれてフォローしてくれたりもしましたから。でも、面倒だったのは『ネットナンパ』が来たことですね」

 Twitterアイコンモフルンプリキュアキャラクター)だったことと、今回のツイートタピオカだったことで、彼を若い女性だと勘違いした男からDMがやってきたのだ。

「DMで3人ほどからネットナンパが来ちゃいました。大丈夫? とかそんな感じで連絡先聞いてきたりとか。なかには卑猥な動画を送りつけてきた方もいました。自分男なんですけどね……」

すみません顔文字
カカオで××見てくれますか…”


 なんともストレートだ。炎上している若い女性が心すさんだタイミングを狙ったナンパ。知り合いならともかく、面識のないアカウントにいきなり卑猥な動画を送りつけるのはさすがにダサい。しかし、炎上疲れした実際の人がこういった「二次被害」にあったりしないよう、事例として知っておきたいところだ。もし炎上して心が弱ったときにこんな誘いがあっても、信頼できる知った人に相談したほうが良いだろう。

◆そして謝罪のために「競輪場」へ

 そんなToMMyちゃん氏の炎上も時間とともに落ち着いたのだが、引用リツイート元の友人男性とともに考えた結果「競輪場で実際に車券を買って競輪ファンにあやまろう」ということになった。実際に車券を競輪場に行って買うことで謝罪になるのではないか……予算は6万円。当たっても負けても、投票すれば競輪界の売上になる。そう考えたのだ。

 そして実際に10月5日に大宮競輪場へ行くこととなった。ToMMyちゃん氏はこれまで競輪をやったことがないのだが、謝罪ではあるもののポーカープレイヤー・勝負師としてついでに勝ってやろうと意気揚々と大宮競輪場に赴いたのだった。

 当日、ToMMyちゃん氏、友人男性のほか、友人たちも集まり、筆者とあわせて7名ほどとなった謝罪ツアー。実はこのとき、競輪界は大変なことになっていた……

◆前日まで競輪がシステムトラブルで中止に

 そう、10月3日から4日にかけて、競輪は前代未聞のシステムトラブルにより開催が全面中止になっていたのだ。システムトラブルが解決しなければこの謝罪ツアーも延期になっていたところだった。なんとか障害は復旧し開催されることとなったのだが、集合の大宮駅ではToMMyちゃんまた競輪に迷惑かける伝説残すところだったねえ」と友人たちに言われる始末だった。

 波乱の幕開けとなった初競輪、大宮競輪場に到着して最初のレース女子選手が走るガールケイリンだ。今回特に炎上に対して女子選手たちが心を痛めたツイートをされた数が多かったこともあり、ここへの投票こそ謝罪になろう。ということで、ポーカープレイヤーだったToMMyちゃん氏は自前の高級電卓を片手に「計算は間違えない!」とばかりに筆者の知らないポーカー用語を連発しながら勝負したのである。

 しかし、初心者がいきなり知識ゼロから勝てるほど甘くはなかったガールケイリンレースは立て続けに惜しいハズレ。そのまま最終レースまで勝負を続行するが、予算の6万円を完全に使い切っての惨敗となった。でも、もともとは謝罪なので、これで良かったのかもしれない……

◆惨敗したけど得られた理解にほっこり

 そんななか、実際のツイート炎上と現場の反応に違いがあることに気づいた。

 ToMMyちゃん氏が一日大宮競輪場で過ごすなかで、よくまわりから声をかけられていたのた。彼の知らない競輪界で有名人となっていたのである。ネタツイだったことを知ってる人も知らなかった人も、こうやって競輪場に現れた時点で、誰一人として彼を非難するものはおらず、むしろ大歓迎。競輪ファン、あったかいじゃないか。

 ネットの様子と現場で実際に会うのとでは、印象も言葉も変わるモノなのだ。百聞は一見にしかずとは、このことを言うのだろう。炎上ツイートも競輪も、実際に見てみてリアルを体感してほしいな、と思える一日だった。



ToMMyちゃん氏】
若き元ポーカープレイヤーで現在はネットゲーマーとして大会で一攫千金を目指す自由な若者。@cureToMMychan

<取材・文/佐藤永記(シグナルRight)>

【佐藤永記】
SPA!ウェブ班に所属しながら、シグナルRightの名義で公営競技の解説配信活動「公営競技大学」を個人運営している。Twitter@signalright

今年6月、タピオカ屋で競輪中継を楽しむオジサンに対するリプライが炎上した