―[絶対夢中★ゲームアプリ週報]―


 スマホゲームバブルが弾けて、最近ではたとえ有名シリーズの派生作であっても、ユーザーが思うように集まらなかったり、収益が上がらなかったりする厳しい状況となっています。そのなかで『ドラゴンクエストウォーク(以下ドラクエウォーク)』は9月12日の配信以来、セールスランキングで上位をキープし続け、上々の滑り出しを見せました。

 前回のコラムでは、なぜ『ドラクエウォーク』がスタートダッシュに成功したのか、3つの理由を挙げましたが、今回はその勢いを止めかねない懸念材料をチェックしていきたいと思います。これらを払拭して『ドラクエウォーク』は真の覇権ゲームとなれるでしょうか。

◆懸念その1:ガチャに対する逆風

ドラクエウォーク』のヒットの要因のひとつとして、課金バランスの良さを前回挙げました。『ドラクエウォーク』は課金してガチャ(ふくびき)を引く楽しみ方はもちろん、チクチクとレベルを上げていけば無課金でもシナリオクリアできます。

 とはいえ、やはりガチャが収益の柱になっているのは否めないところ。ガチャは海外では「ルートボックス」とも呼ばれ、世界的に規制の動きに向かっています。ベルギーではゲーム内のルートボックスが賭博関連法に触れるという見方が強まり、その影響もあってか任天堂は『ファイアーエムブレム ヒーローズ』のベルギーにおけるサービスを終了しています。『ドラクエウォーク』は国内向けのコンテンツですが、ガチャへの規制や逆風が強まれば『ポケモンGO』との比較もあり、ネガティブな印象を抱かれる可能性があります。

 また、課金バランスの崩壊も気がかりな点。ガチャを中心に据えているタイトルは、新規ユーザーの流入が止まり出した時点で、収益を維持するためにガチャへの誘導を強化するケースがよく見られます。そうなると無課金や微課金ユーザーゲームを進めるのが困難になり、アクティブユーザーが減少し続ける悪循環に陥ります。

ドラクエウォーク』には、歩数や戦闘数が変換される「マイレージポイント」がたまりやすくなる「ゴールドパス」という定額課金要素が存在します(1週間分1000円、4週間分3000円)。こちらの課金要素をサービス拡充のうえバリエーションも増やして、より広く普及させていく施策が、毎日歩くウォーキングゲームには適しているように感じます。

◆懸念その2:戦闘・シナリオ展開のマンネリ

ドラクエウォーク』の根幹は旧来型のコマンドRPGです。アクションパズルゲームと異なり戦闘自体に強い爽快感はなく、プレイが上達していく面白さも薄いのがややネックです。キャラレベルアップしてもそれを上回る強敵が出てくるインフレシステムのなかで、どこまでユーザーのモチベーションを保てるかは手腕が問われます。

 配信中の全5章のシナリオをすでにクリアしたというユーザーも多く、今後新シナリオマンネリ化させず、どう提供していくのかも注目点。コマンド式戦闘を懐かしの古き良きスタイルと考えるか、旧来型のシステムととらえるかで『ドラクエウォーク』の評価も大きく変わってくるでしょう。

◆懸念その3:リアルイベントの混乱

ポケモンGO』は、スポンサーイベント地方自治体と組んでの大規模なリアルイベントも人気です。『ドラクエウォーク』もいずれはこうしたイベントを開催する可能性は高いですが、その際に起こるトラブルも懸念材料のひとつです。

 すでに各都道府県おみやげを4ヵ所集める「ご当地クエストシステムに関して、ランドマークに設定された新潟のお寺で「アイテム入手目的のみの、無断入山及び返金等のお申し出には応じません」との掲示があったというツイートが話題になりました。

「ご当地クエスト」はウォーキングゲームである『ドラクエウォーク』にとって、新たな展開の種になりうる重要な仕掛け。現実世界とリンクさせることで『ドラクエウォーク』のアイデンティティはさらに強固になりますが、そのぶん起きるであろうトラブルとどう向き合うかは悩ましいところです。

 スタートダッシュに成功し、覇権タイトルへの道を歩みつつある『ドラクエウォーク』。大きなポテンシャルを持っているのは間違いないでしょう。2年後、3年後も安定的な人気を維持し、ユーザーの日常生活の一部となれるか、期待される役割は大きいと言えます。

【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイトディファレンス エンジン

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『ドラクエウォーク』のメガモンスター討伐。ゴーレムと対決!