プレミアリーグ第9節、マンチェスター・ユナイテッドvsリバプールが日本時間10月20日24:30にオールド・トラフォードキックオフされる。開幕から好対照の戦いぶりを見せる赤の名門同士による、代表ウィーク明け最初のビッグマッチだ。

スールシャール体制2年目となったユナイテッドだが、開幕から多数の負傷者の影響もあって低調な戦いぶりが続き、ここまで2勝3敗3分けの12位に低迷。中断前に行われた直近のニューカッスル戦では格下相手に0-1で敗れ、公式戦3戦未勝利と苦境に陥っている。ノルウェー指揮官は同試合での敗戦後、代表ウィークを挟んでのリバプール戦に向けて前向きな発言を残していたが、そのリフレッシュ期間に守護神デ・ヘアが代表戦で負傷したほか、頼みのMFポグバの復帰も最終的に間に合わず、難しいメンバー構成、コンディションでの戦いを強いられる見込みだ。一部では今回の結果次第で監督更迭の噂も出ており、まさに背水の陣で臨む一戦となりそうだ。

一方、昨季のCL制覇によってクロップ体制での初タイトルを獲得したリバプールはこれまでの勢いに加え、勝負強さを手に入れて“常勝軍団”への階段を一気に駆け上がった印象だ。開幕から相手を完膚なきまでに粉砕する昨季のような試合は少ないが、接戦をきっちり勝ち切って開幕8連勝を達成。絶対王者マンチェスター・シティの取りこぼしによって、2位以下との勝ち点差はすでに「8」に広がっている。今回の一戦ではかつての宿敵に引導を渡すと共に、昨季から続くプレミアリーグでの連勝記録を18試合に伸ばし、現宿敵シティが持つ連勝記録に並ぶことが期待される。

クロップ監督の就任以降、チーム力で大きな差が出てきている両チーム。さらに、今季ここまでの調子を見れば、リバプールの勝利の可能性は非常に高い。その一方で、ユナイテッドにとって心の拠りどころとなりそうなのが、オールド・トラフォードでの直近の対戦成績。ユナイテッドは2014年4月の対戦で敗れて以降、直近のプレミアリーグでのホームゲーム5試合(3勝2分け)でリバプールに負けていない。今回の一戦ではその相性の良さを生かしたい。


マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
(C)CWS Brains, LTD.

GK:ロメロ
DF:ワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、トゥアンゼベ
MF:フレッジ、マクトミネイ
MF:ダニエル・ジェームズ、マタ、ラッシュフォード
FW:マルシャ
負傷者:GKデ・ヘア、DFショー、バイリー、フォス=メンサー、ジョーンズ、MFポグバ、リンガード
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては守護神デ・ヘア、ポグバ、ショーと3人の主力が欠場となる。一方、コンディション面が懸念されるワン=ビサカ、マルシャルに関しては起用可能な模様だ。

多くのケガ人などの影響もありシステムとスタメンに関しては予想が困難だ。その中で左サイドバックとマクトミネイの相棒、前線の構成に注目が集まる。サラーとのマッチアップが予想される左サイドバックはヤングとロホの起用が妥当だが、アーセナル戦でFWペペを封殺したトゥアンゼベの起用を予想。マクトミネイの相棒には機動力に難があるマティッチではなくフレッジ、前線はマルシャルの状態次第でラッシュフォードを1トップに置きアンドレアス・ペレイラを2列目に配する形も考えられる。

リバプール
【4-3-3】

リバプール予想スタメン
(C)CWS Brains, LTD.

GK:アリソン
DF:アーノルド、マティプ、ファン・ダイクロバートソン
MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、ワイナルドゥム
FW:サラーフィルミノ、マネ
負傷者:DFクライン、マティプ、FWシャキリ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはクラインとシャキリが引き続き欠場となる。ヒザに問題を抱えるマティプは起用可能な模様だ。また、開幕戦で負傷したアリソンがようやく戦列復帰を果たす見込みだ。

代表ウィーク明けと水曜日にCLヘンク戦を控えていることからメンバー変更の可能性も想定される。その中でコンディションに不安を抱えるマティプやサラー、マネらに代えてジョーゴメス、オリジ。中盤ではよりフレッシュなミルナーやチェンバレン起用の可能性もありそうだ。

★注目選手
マンチェスター・ユナイテッド:DFハリー・マグワイア
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マンチェスター・ユナイテッドの注目プレーヤーはディフェンスリーダーのマグワイアだ。今夏、レスター・シティからDF史上最高額の移籍金8000万ポンドで加入した194cmの偉丈夫。ここまでは対人の強さや的確なカバーリング、ビルドアップの貢献と個人としてはレスター時代と同程度の働きは見せられている。しかし、その高額な移籍金を考えれば、前DF史上最高額の男、ファン・ダイクのように絶大なリーダーシップや周囲の力を引き出すプラスアルファの仕事も求められるところだ。

現在、チームは泥沼の不振に陥っているうえ、守護神デ・ヘア、ポグバとリーダー不在の中で絶好調の難敵相手の戦いを強いられる。そのため、26歳のイングランド代表には相手の超強力3トップとの一対一の対応に加え、劣勢が予想されるチームを鼓舞するようなパフォーマンスが期待される。さらに、公式戦2戦連続無得点と攻め手が薄い中で得意のセットプレーから移籍後初ゴールを狙いたい。

リバプール:FWロベルトフィルミノ
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リバプールの注目プレーヤーは今季も絶大な存在感を放っているフィルミノだ。今季ここまで公式戦12試合で3ゴールと得点数こそ平凡も、チーム最多の7アシストに加えてファーストディフェンスにスペースメークとチーム随一の仕事量を完璧にこなすブラジル代表FWは、サラーやマネよりも替えが利かない存在だ。

今回のユナイテッド戦ではマグワイア、リンデロフの2センターバックを釣り出す動きやサイドに流れて数的優位を作り出す動きなど、統制が取れていない相手最終ラインをかく乱する仕事が求められる。また、控えGKロメロの起用によって普段以上に相手のビルドアップの質が落ちているだけに、持ち味の1つである質の高いプレッシングからショートカウンターの起点となりたい。なお、ビッグマッチでも存在感が際立つフィルミノだが、意外にもユナイテッドとのリーグ戦8試合で一度もゴールを決めたことがない。そのため、対ユナイテッド初ゴールにも期待したいところだ。
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