10月18日に放送された「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)に、女子サッカーなでしこジャパンの丸山桂里奈がゲスト出演。福島第一原発勤務だった当時を振り返り、いつも支えてくれた亡き上司を思い、涙する場面があった。

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幼少期から運動神経が抜群だった丸山。小学校6年生の時にサッカーと出合い、ヴェルディ傘下の名門「読売メニーナ」の入団テストに合格。中学3年間で100ゴールを決めたほどで、「謙遜したいところですけど、サッカーだけはうまかったです」と胸を張った。

大学卒業後は東京電力に就職。勤務地は福島第一原子力発電所で、東京電力女子サッカーマリーゼの看板選手として迎えられた。

午前中はオフィスで働きながら、午後はサッカー練習に励んでいたが、周囲から理解が得られない中での生活が続いた。

しかし、福島第一原子力発電所で当時ユニット所長を務めていた吉田昌郎さんは、丸山たちを励まし、応援してくれていたと当時の思い出を語った。

けがの治療などで、2010年にマリーゼを退団した丸山は、後にアメリカのプロサッカーチームフィラルフィア・インディペンデンスに移籍した。

2011年3月に発生した東日本大震災を機に、吉田さんやお世話になった町の人に向けて何かしたいと思った丸山。

「何か見てもらえるってなったら、自分がW杯に選ばれて活躍するところしかないって思ったし、ゴールを見せるっていうのがやっぱり届くじゃないですか」と、20kmの走り込み、急な坂道を毎日100本走っていたという。

1年9か月ぶりに代表に選出された丸山。2011年6月26日FIFA女子ワールドカップが開幕し、準々決勝のドイツ戦において、延長後半3分で丸山が決勝ゴールを決めた。

その時の様子について「蹴る時に光が見えたんですよ。私が決めるところに。それって今までサッカーやってても、ワールドカップ以降引退するまで一度も見えたことない光で、その光の通り、イメージ通り蹴ったら入ったんですよ」と明かした。

「いまだに見返すと本当にすごい、信じられないというか、絶対自分だったらあのコースに蹴ってないですから。自分じゃないみたい…みんなの思いが乗ったゴール」と語った。この大会でなでしこJAPANワールドカップ初優勝という快挙を成し遂げた。

吉田さんからのメッセージも人づてに届いてきたが、11月には吉田さんにステージ3の食道がんが見つかり、入院。面会することがないまま2013年7月に吉田さんはかえらぬ人となった。

VTRを見終えた丸山は涙を見せ「本当にたくさん町の人にも支えてもらいましたし、会社の人もそうですし、あとは本当に吉田さんに…」。

中居正広から「ワールドカップ優勝の報告、直接は?」と聞かれた丸山は「できてなかったんですよね」。

「今思えば、メールでも打って残しておけばよかったと思うんですけど、それすらも多分しない方がいいなって…こんなに心残りがあることってあるのかな」と後悔の念を明かし、「いつもどこかで見守ってくれてるっていうふうに思ってる」と前向きな言葉で締めくくった。

SNS上では「丸山さんにこんな一面があるとは知らなかった」「天然キャラを演じてるのではないことがわかったので応援したい」などの反響が寄せられていた。

次回の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」は、10月25日(金)放送。夜8時からの2時間スペシャルで、社交ダンスのその後を特集する予定。(ザテレビジョン

丸山桂里奈が「金スマ」にゲスト出演