Credit: depositphotos

あなたは物事を決定する時、即断できるタイプか、それともじっくり悩んで決断するタイプかどちらでしょうか?

どちらにも良し悪しはありますが、重要度がそれほど高くない日常の意思決定には、前者が向いていることが最近の研究で明らかになりました。

後者のじっくり考え込むタイプの人は、正しい決断を下そうとすればするほどに、ますます悩みの沼にはまってしまうようです。

では、あなたは何型で、どのような選択スタイルが向いているのでしょうか。

論文は、「Journal of Personality & Social Psychology」に掲載されています。

さまざまな意思決定スタイルの特徴

意思決定の仕方には、大別して2つのタイプが存在します。

まずは、評価起因型の意思決定。このタイプの意思決定を行う人は、「正しい」選択をすることに過剰に神経を注ぎがちです。つまり、一つの「真実」を見つけ、「正しい方法」で物事を行うことに執着してしまいます。

もしあなたが「楽しいことよりも正しいこと」を優先しようと考えたことがあるなら、こちらのタイプである可能性が高いでしょう。

これに対して、もう一方の運動起因型の意思決定を行う人は、物事の動きや変化に影響を受けやすい傾向があります。このタイプの特徴は、決断力があり、行動が早いこと。「完璧な決断をしなければ」とうじうじ迷っている評価起因型の人を横目に、運動起因型の人は頭より先に体が動いています。彼らの合言葉は、「まず行動!」です。

Credit: pixabay

ここで、「どっちのタイプが得なのかな?」と思ったあなた。論文によると、どうやら「夕食に何を食べるか?」といった日常的な意思決定に関しては、運動起因型が有利なようです。決定が早い上に、済ませるべきことを確実に済ませることができ、選択によってもたらされた結果に対する満足度も高いといいます。

研究チームは、評価起因型の意思決定は、高額投資や人生を変えるような決断といった、重要度の高い決定が求められる「ここぞというの時」に備えて取っておいた方が良さそうです。

選択行動にネガティブな感情を伴う評価起因型

研究チームは、個人が本来持っている意思決定スタイルから、意思決定を下す際に感じる苦悩の度合いを予測できるかどうかを調べるため、5つの実験を行いました。ここではその一部を紹介しますが、1つはクリスマスシーズンの前に「友人の1人へ贈るプレゼントをカタログから選ぶ」というタスクを、被験者に課すというものです。

評価起因型・運動起因型のどちらであるかを判断するため、被験者はアンケートに回答しました。また、被験者はプレゼントを選ぶ時に感じたネガティブまたはポジティブな感情の度合いを回答し、それがどの程度困難だったかを評価します。

その結果、評価起因型の人は、プレゼントを選択する際にネガティブな感情を抱きがちで、運動起因型の人よりも選択を困難に感じる度合いが高いことが判明しました。

自分の意思決定スタイルの応用

1. 自分の意思決定スタイルを知ろう

自分自身がどのスタイルであるかを知ることは重要です。以下の項目を5段階(1=まったくそう思わない〜5=非常にそう思う)で評価し、合計スコアを算出してみましょう。

1. 私は、さらなる努力が求められたとしても、物事を行うことをいとわない。

2. 私は「仕事中毒」だ。

3. 私は、ゴールに到達する直前にわくわくする。

4. 私は、単に物事を見たり観察したりするよりも、実際に物事に取り組むことを楽しむ。

5. あるタスクを完了する頃には、すでに次のタスクが頭に浮かんでいる。

Credit: pixabay

次に、以下の項目を同様に評価してみよう。

1. 私は、自分の性格の長所・短所を点検するために、長時間を費やす。

2. 私は、自分の発言について、かなり自己批判的で自意識が強い。

3. 私はしばしば、他人の選択や決定が誤っていると考える。

4. 私はしばしば、自分や他人の仕事を批評する。

5. 新しい人に出会う時、私はよく相手のさまざまな側面(容姿・功績・社会的地位・服装など)における出来具合を評価する。

上段と下段の5項目それそれの合計スコアを比較して、前者が25点に近ければ、あなたは運動起因型。反対に後者が25点に近ければ、あなたは評価起因型です。

2. 自分が置かれている状況を評価しよう

どの意思決定スタイルを用いるかを決定するには、まず自分がどんなタイプの決定を下そうとしているかを知る必要があります。重要度の高い事柄は評価起因型を用いる方が得策だが、重要度の低い事柄には運動起因型を用いるべきでしょう。

Credit: pixabay

重要度の高い意思決定の定義は、以下の項目を参考にしてください。

Yes/Noどちらかの明確な1つの答えが得られること

・正誤が明確に区別できること

・間違った決定を下した場合、自分や周囲の人に直接的な結果がもたらされること

重要度の低い意思決定の定義とは、

・重要または公的な結果がもたらされないこと

・他人というより自分個人にとって意味を持つこと

Yes/Noどちらかの明確な1つの答えが得られないこと

3. 自分の意思決定スタイルを必要に応じて応用しよう

どちらの意思決定スタイルを用いるかを決めたら、次は状況に応じて自分のスタイルを修正しましょう。状況に合ったものの見方を引き出すことが大切です。

たとえば、以下に関係するコンテンツを観たり、読んだりしている時は、運動起因型の考え方がぴったりです。

・アクションやヒーローもの

・スポーツの試合やアスリート

・緊急治療室などの差し迫った場面

反対に、以下に関するコンテンツに触れる時は、評価起因型が向いています。

・犯罪の調査

・科学研究

・投資

Credit: depositphotos

自分の意思決定スタイルを把握して、状況や必要に応じてそれらを自由自在に使い分けることができるようになれば、あなたの決断スキルは間違いなく向上するでしょう。

潜在意識を操る心理学的9のコツ「人混みでは目を合わさない」

reference: psychologytoday / written by まりえってぃ
あなたはどっち? 決断への満足度は個人の意思決定スタイルに依存する