近い将来、女優やモデルといったさまざまな分野の最前線で活躍していくであろう10代の美少女たち。そんな彼女たちの魅力を読者に知ってもらうべくスタートした、週プレNEWS&週プレモバイル連載『微熱少女』。

毎週月曜日に、週刊プレイボーイが注目した美少女が登場するこの連載では、撮り下ろし写真とロングインタビューで彼女たちの魅力をお届けします。

第25回は、新人女優・見上愛ちゃん。スラっとしたスタイルと、ミステリアスな顔立ちが印象的な美少女だ。芸能界に飛び込むまでの意外な経歴を話してくれたインタビュー前編に引き続き、後編では自身の演技論について語ってもらいました。

――ロックバンド・sajiの新曲『ツバサ』のMV出演されている見上さん。MVでは、地方都市で音楽で夢を追う高校生の役を演じられていますね。

見上 私は東京出身で、祖父母の家も東京なので、"田舎"が身近にないんです。だから、MVで訪れた高知ロケはすごく新鮮で楽しかった。相手役の野島健矢さんと三石直和監督、カメラマンさんと私の5人だけで行ったので、ロケハンも全員で足を運び、メイクをするのも自分。私たちキャストも含め全員がスタッフみたいで、まるで文化祭の前日のようでした。「裏方として演劇に携わりたい」というのが当初の目標だった私にとって、これ以上ない経験をさせていただきました

――楽器経験もある多才な見上さんですが、MVでギターを奏でるシーンはさすが"経験者"だな、と。

見上 事前に耳コピして、楽曲と同じ音が鳴らせるようにして撮影に臨んだんです。でも、撮影を終えて東京でsajiさんにお会いして本当のコードを教えてもらったら実は全然違ってて。音自体は合ってたようなんですが、なんでもチューニングを1音下げた上でカポ(カポタスト)で音をふたつ上げているらしく......プロならではの繊細なこだわりがあるんだなって感動しました。

――ギターだけでなく、キーボード演奏の経験もあるんですよね。

見上 胸を張って特技といえるかどうかはわかりませんが、とにかくいろいろやってみることが好きなんです。祖母がピアニストで、父と兄が音響系の仕事をやっていることも影響しているのかな。特に、昔から6歳年上の兄が「この作品いいよ」と、いつもオススメの映画を教えてくれたので、幼少期から少し背伸びした作品に触れて、世界を広げることができました。

――MV『ツバサ』は、今年6月に事務所所属された直後のお仕事と伺いました。にもかかわらず新人離れした演技力は、学校や演劇スクールで培った演劇論に裏打ちされたものなのでしょうか。

見上 「作り手」として学んだことが役に立っている部分はあると思います。俯瞰的に舞台を見る癖がついているぶん、演じている自分を客観的に見ることができているのかも。ひとつの役を点としてとらえるというより、「この人がどんな役割を果たしたら、作品全体がもっとよくなるんだろう?」ということは常に意識していますね。

――学校の授業では、「即興劇」みたいなものもされるんですか?

見上 インプロ(インプビゼーション)ですね......実はあまり得意じゃないんですが(笑)。でも、MVってかっちりした台本がなくて、ある意味インプロに近い側面があると思うんです。『ツバサ』の撮影でも、「楽しく会話してみて」「遊んでみて」という指示だけで、あとは基本アドリブ。私たちキャストからも「こういうシーンはどうですか?」って提案したりできたので、非常に勉強になりました。三石監督も「インプロを学ぶより、MVにたくさん出たほうが演技の練習になるよ」って。

――プライベートでも観劇が趣味という見上さんですが、多くの週プレ読者にとって「劇場に足を運ぶ」というのは少々ハードルが高いように思われます。初心者向けの観劇アドバイスがあれば教えてください。

見上 「観劇するぞ!」と肩肘張らず、ふらっと劇場に入ってみるのがいいんじゃないでしょうか。そうやって見て気に入った作品があれば、何度も同じ舞台を見てみるのもオススメです。というのも、繰り返し見ることによって回ごとの役者さんのアドリブも楽しめますし、そうした要素は映画やドラマにはない、舞台ならではの面白さだと思います。

それに、映画はカメラを通しているから、主人公が画面に大写しになったり、スポットが当たるキャラクターにカメラが寄ったり、こちらの視線が特定の人物に固定されますよね。でも、演劇にはそれがない。主人公を見てもよし、端っこでじっとしている脇役の人を見てもよし。好きな視点で見られるというのも大きな魅力のひとつだと思います。

――寺山修司に傾倒し、観劇が趣味で、劇場帰りには純喫茶に通う見上さん。18歳とは思えない渋いカルチャー嗜好をお持ちですね。

見上 純喫茶、よくないことかもしれないけど、面白い人お客さんだらけで聞き耳立ててると時間を忘れちゃう(笑)。あと私クリームソーダが大好きなんですが、あれって純喫茶じゃないとなかなか味わえないですよね。どこのお店で飲んでも一緒だと思われがちですが、店によって微妙に味が違っていて。濃厚な高級アイスがのってるクリームソーダよりも、シャリシャリ感が感じられる安いアイスを使ってるほうが好きかな、うん。とにかくクリームソーダには"夢"が詰まっていると思います!

――熱いクリームソーダ愛をありがとうございます。本記事公開後の10月26日には19歳を迎えられますが、今後の目標について聞かせてください。

見上 現在はまさに「何かを表現するツールとしての演技」の面白さに目覚めているところ。今は実際の年齢や性格に近い役をいただくことが多いのですが、今後は重たい役、演じていて身を切るようなつらさを伴う役、生きていくのがいやになるような役......そういった難しい演技にもチャレンジしてみたい。まだまだ女優としても人間としても経験が浅いので、お仕事を積み重ねていって演技の幅を広げていけたらいいなと思います。

――新人女優さんが掲げるには、なかなかヘビーな目標ですね!?

見上 全然、大丈夫です。人生、生きていればどうにでもなると思ってます(笑)。将来的には、松尾スズキさんみたいに、演出・脚本・主演をすべてひとりでやり切るのが夢。自分でいろいろ動くのが好きなんでしょうね、休みの日だって家でじっとしてられないですもん。

最近は映画『ジョーカー』も気になるし、今日撮影で乗ったスケボーも興味出てきたし......運動はあまり得意じゃないのですが、練習していつか乗りこなしてみたいですね。

(ヘア&メイク/たかべともみ スタイリング/石塚愛理 衣装協力/BODYSONG、Quatorze、R for D、&ellecy)

●見上 愛(みかみ・あい)
2000年10月26日生まれ 東京都出身
○2019年6月に事務所所属後、日本テレビ系『ボイス 110緊急指令室』(第7話)、 NHK総合『ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~』(第3話)と早くも話題作に出演。MVに出演したsaji『ツバサ』が10月23日より発売。
公式Instagram【@mikami_ai_】

取材・文/結城紫雄 撮影/池野詩織

期待の新人女優・見上愛ちゃん