10月20日、京都国際映画祭2019が閉幕した。10月17日に開幕し、全29か所に及ぶ各開催会場で行われた上映作品本数104本、アート作品展示573作品の鑑賞、体験者は、20万2000人に上った。

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登壇者も、特別招待作品である『草間彌生∞INFINITY』(11月22日公開)からはヘザー・レンズ監督、『BLACKFOXAge of the Ninja』(配信中)の坂本浩一監督や山本千尋、『超・少年探偵団NEO -Beginning-』(10月25日公開)の芦塚慎太郎監督や佐野岳、『恋恋豆花』(2020年2月公開)の今関あきよし監督やモトーラ世理奈、『喝風太郎!!』(11月1日公開)の柴田啓佑監督や市原隼人らが、また「TV DIRECTOR’S MOVIE」からは『僕の好きな女の子』(2020年初頭公開)の渡辺大知や奈緒、『生理ちゃん』(11月8日公開)の二階堂ふみや伊藤沙莉、『酔うと化け物になる父がつらい』(2020年3月6日公開)の松本穂香、『クソみたいな映画』の内田理央稲葉友ら、豪華メンバーが勢ぞろいした。

また、今年は「ありがたやぁ」をテーマに様々な会場でアート展示やイベントを実施。芸人や子どもたち、福祉施設に通う人々など、多様なメンバーからなる個性豊かな作品が展示されているのはもちろん、才能あるクリエイターの発掘、育成を目指し、世界に発信する公募型プロジェクトクリエイターズ・ファクトリー」では、松尾豪監督の映画『グラフィティグラフィティ!』が最優秀賞・優秀賞・観客賞の3部門を受賞して、ほかに圧倒的な差をつけるなど、若き才能も見いだされた。

さらに、世界を変えるための17の目標である「SDGs」のテーマを盛り込んだネタを披露し、優勝者を決定する「SDGs-1グランプリ」では、かまいたちやゆりやんレトリィバァら実力派をおさえ、EXITが優勝。審査員には桂文枝、西川きよしに加え、会場から選ばれた観客も参加したが、西川が審査員に選ばれた女性の1歳の赤ちゃんに「誰がよかった?」とたずねると、「いぐじっと」「かねち」とまさかのハッキリした回答を返し、客席は大爆笑。西川も「子どもには勝たれへん」と、最終的に優勝をEXITに決定したことを明かす場面も。

ほかにも、厚生労働省の取り組みの1つでもある、もしもの時のために自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みである“人生会議”の普及啓発イベント「人生最期に笑う為のネタライブ」では、ミキやゆりやんレトリィバァ、銀シャリら人気芸人が、人生会議を楽しく学びながら、普段は話題にしづらい”人生の最期”について明るく楽しく考えてもらうきっかけを作り、「我々芸人もこれを機会に楽しく最期を迎えられるようにできたらなと思いました」と振り返っていた。

本映画祭の目玉企画でもある「牧野省三没後90年 スペシャル企画」では、牧野省三が製作総指揮した映画黎明期の傑作サイレント映画『雄呂血』(25)を活弁つきで上映。現役最高齢81歳の活動弁士、井上陽一が約80分に及ぶ本編に挑み、和洋合奏団と共に渾身の名調子を響かせるさまは圧巻で、劇場は大喝采に包まれた。

続けて行われた中島貞夫監督監修による「没後90年 牧野省三の功績を偲ぶ」では、吉本ちゃんばらパフォーマー&東映剣会が迫力満点の殺陣を披露。中島監督は「牧野省三さんは“1スジ、2ヌケ、3ドウサ”という現代でも映画をつくる上で非常に的確な名言を残し、俳優も多く育てた」と話し、時代劇に限らず、牧野省三が日本映画で果たした功績は計り知れないことを明かした。さらに、“日本映画の父”に改めて敬意を示すと共に、「京都には映画づくりの歴史が脈々と受け継がれてきた。皆さんのお力でもう1度京都を盛り上げてほしい」と呼びかけた。

映画祭を振り返って、総合プロデューサー、奥山和由は「映画の歴史を振り返り、未来を見据え、現代の我々が何を成すべきかを知る映画祭。この京都ならではの映画祭の本質が参加してくださる皆さんに浸透してきた実感があります。その土台のもとに、今後は徐々に先端的自由表現の開発へとウエイトをかけていきたい。そして第10回の時までには、世界のクリエイターが京都国際映画祭にチャンスを求めに訪れる映画祭になることを目標にしたいと思います」とコメント

また、実行委員長、中村伊知哉は「今回のプログラムは、京都は映画のふるさとだと皆さんにご理解していただけたのではないかと思います。イベント会場は集客も増し、映画祭が皆さんに支持されている証だと感じています。今年も“映画もアートもその他もぜんぶ”という世界に例のないイベントを楽しんでいただけたと思います。もう6年生ですが、ますます今後の広がりを感じました」とコメントを寄せている。

今後もますますの広がりが期待できる「京都国際映画祭」。来年の開催が早くも楽しみである。(Movie Walker・取材・文/オチアイユキ)

『生理ちゃん』の舞台挨拶に登壇した二階堂ふみ、伊藤沙莉ら出演陣