学生の内定辞退に悩む企業は多い

ディスコ10月18日、新卒採用状況に関する調査結果を発表した。調査は先月、全国の主要企業1万3658社を対象に実施。1474社から回答を得た。

この調査の時点で、2020年卒の採用選考が「終了した」と回答した企業は56.3%だった。その中で、内定辞退が「かなり増えた」(10.7%)、「やや増えた」(22.5%)と回答した企業は合わせて33.2%にのぼった。

内定辞退が「増えた」と回答した企業は全体で33.2%前後だった。「増えた」とする回答はどの企業規模でも3割前後だったが、「かなり増えた(3割以上増)」の回答が最も多かったのは「~299人規模の中小企業」で14.6%だった。

業界別で見ると、「かなり増えた」の割合は「サービス業」が最も高く12.2%だった。一方、最も低かったのは「IT」(6.7%)で業界によって差が出た。

人材確保に関して、「例年に比べ、採用人数の確保が早かった。例年よりも面談回数を増やしたことにより、このような結果となった」(専門商社/大手)という満足の声がある一方、

「早い時期に内定を出した学生の半数以上が辞退をする」(情報処理・ソフトウエア/大手)

という意見も出ていた。

採用状況「厳しい」と答えた企業が8割以上に


ここまでの採用活動の感想を聞くと、「とても厳しい」が33.7%、「やや厳しい」が49.2%と、8割以上の企業が「厳しい」と評価している。

加えて、内定者充足率の平均は 76.2%で前年(77.4%)よりやや低下した。規模別にみると、最も低かったのは「~299人規模の中小企業」で58.9%、最も高かったのは「1000人以上の大企業」で84.1%だった。中小企業のほうが採用に苦慮している様子がうかがえる。

充足率を業種別にみると、「金融」が最も高い(87.8%)。以降、「IT」(81.9%)、「製造」(75.8%)、「流通・商社」(74.8%)と続く。最も低かったのは「サービス業」であった。(71.1%)