アリババグループとユニバーサル北京リゾートは2019年10月17日、戦略的パートナーシップを締結し、革新的な次世代テーマパーク体験を開拓すると発表した。2021年に開業を予定するユニバーサル北京リゾートは、世界最大のユニバーサル・パークの「ユニバーサルスタジオ北京」、小売りの「ユニバーサルシティウォーク北京」の他、ダイニング、エンターテインメントの複合施設、ユニバーサルツーリズムグランドホテル、ユニバーサルをテーマにした初のリゾートホテル、北京観光グループ初のNUOブランドリゾートホテルが含まれ、上海ディズニーリゾートに並ぶ中国本土の一大レジャー拠点になると目されている。

 今回の提携でめざすのは、たとえば、アリババグループのオンライン旅行サービスプラットフォーム「フリギー(Fliggy)」との連携により、来場客はスマートフォンの画面をスワイプするだけで、フリギー上にあるユニバーサル北京リゾートの旗艦店でチケットを購入し、ホテルを予約することができるようにする。

 また、ユニバーサル北京リゾートでは、入場からロッカー利用、エクスプレスレーンへのアクセス、そして、商品や食事の支払に至るまで、リゾート全域にわたってアリペイ(Alipay)の顔認証システムを利用することができるようになる。

 このほか、アリババグループのローカルサービスアプリの「口碑(Koubei)」を通して、好みに基づいたフードやドリンクのおすすめ機能を活用し、オンラインで食事を買うことで待ち時間を最小限に抑えることもできる予定だ。

 さらに、アリババグループとユニバーサル北京は、「アリペイ(Alipay)」上のミニアプリを活用して、来場客の体験をより最適化する施策を検討している。この施策では、テーマパークの来場者による旅行プラン、駐車、その他の課題を改善することを目的としているという。

 ユニバーサル・パークス&リゾーツを展開するNBCユニバーサルの親会社であるコムキャストの会長兼CEOのブライアン・ロバーツ氏は、「私たちは、ゲストのために創り出す体験に重要な考えを導入しました。体験とは、素晴らしいライドやアトラクション以上のもので、ゲストが楽しく簡単に家族や友人と過ごす時間を楽しむということです。アリババとのパートナーシップは、まさにその実現をサポートしてくれます。共にテーマパーク体験を新たなレベルに引き上げることができます」と今回の提携に期待を込めた。

 アリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャン(張勇)氏は、「アリババグループはユニバーサル北京リゾートとともに、中国と世界中の消費者に、比類ない楽しい体験を提供したいと考えています。本パートナーシップは、業界向けの多次元データ対応運用管理ソリューションを実現し、真にデジタル化されたテーマパークを創り出します。テクノロジービッグデータによってコマースの未来が推進され、デジタル化は全てのビジネスにとって新しい成長機会の源泉となります」と語った。

 そして、北京観光グループ党書記長の段強氏は、「ユニバーサル北京リゾートを北京の文化観光の新しいランドマークとして確立するための絶え間ない努力を重ね、そして、北京サブセンターの計画と建設の実行に積極的に貢献し、北京観光の発展を強化します」と語っている。

 なお、ユニバーサル北京リゾートアリババグループのパートナーシップは、低炭素のライフスタイルを促進するアントフォレスト(Ant Forest)にも対応する予定だ。ユーザーは、チケットレスエントリー、および、デジタル決済などの低炭素アクションを通じて、グリーンエネルギーポイント(Co2削減ポイント)を獲得し、ポイント高に応じて中国北京市の通州区に本物の木を植える活動に参画できるようになる。(写真は、ユニバーサル北京リゾートアリババグループの戦略パートナーシップ発表セレモニー。左から北京観光グループの段強氏、アリババグループの張勇氏、コムキャストのブライアン・ロバーツ氏。提供:アリババグループ)

次世代のテーマパーク体験を提供! アリババグループがユニバーサル北京リゾートの戦略的パートナーに