数多くのアニメーション作品を製作してきたサンライズの作品を、映画館で連日上映する毎年恒例のイベント「サンライズフェスティバル2019風月」が、2019年9月13日から2019年9月27日にかけて開催された。

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今年の「サンライズフェスティバル」では、サンライズおよび、同社とかかわりの深いバンダイナムコピクチャーズ作品を上映。13日から19日まではバンダイナムコピクチャーズ作品上映のほか、サンライズロボットアニメを中心にOP・EDを一挙65曲も上映するイベント「おんがく!!~主題歌応援上映編~」がTOHOシネマズ新宿にて開催された。

そして9月20日からはテアトル新宿に舞台を移し、9月27日まで連夜サンライズ作品を上映。さらに毎回、作品にかかわったスタッフ、キャスト、関係者が登壇するトークステージも用意され、より深く作品を楽しむことのできる貴重なイベントとなった。

 

今回、アキバ総研はテアトル新宿での全ステージに密着取材! 各トークステージの模様や登壇者への個別インタビューなど、ここでしか読めない記事をお届けしよう。

今回は9月20日に開催された「ダーティペア」のレポートだ。

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最新技術で蘇った映像に衝撃!

テアトル新宿でのサンライズフェス2019初日は、80年代を代表する作品「ダーティペア」のステージから幕を開けた。

 

今回登壇するのは、ユリ役の島津冴子さん。司会進行は、ライターの大橋豊さんが務めた。なお、大橋さんは「ダーティペア」Blu-ray BOXの制作にも参加されているそうで、島津さんの相手役としては申し分のない人物。作品を知り尽くした2人が、今だからこそ語れる「ダーティペア」の裏話を語り明かした。

 

 

オープニング主題歌「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」をバックに登場した島津さんは、「皆さん、今日は一緒に夜遊びね」といたずらっぽくあいさつ。まさか放送から34年経ってのイベントが開催されるなんて、と驚きつつ、実は緊張していることを明かしたが、そんな緊張感すら楽しんでいるような笑顔をみせ、観客を魅了した。

 

まずは今回のステージ出演に至る前のエピソードが語られる。

ツイッター上で、島津さんが当時本作のプロデューサーを務めていた初川則夫さんについてつぶやいたことがきっかけで、今回のステージの声がかかったという。

「なんでも言っておくものね」と島津さん。

そして、肝心のパートナーであるケイ役の頓宮(とんぐう)恭子さんだが、ちょうど別の仕事とスケジュールが重なっていたため、残念ながらコメントのみの参加となった。「私にとって珍しい、美形キャラのケイは愛すべき宝物のようなもの」とキャラへの思いが込められたコメントに、観客席からは温かな拍手が起こった。

 

ちなみに島津さんと頓宮さんは、今回のBlu-ray BOXでのオーディオコメンタリー収録の現場で久々に再会したそうで、「(再会した時)島津さんの声がすごいことになっていた」とは大橋さん。そんな大橋さんから、今回リリースされるBlu-ray BOXは、前回発売されたDVD-BOXではレーベルの都合で実現不可能だったTVシリーズ、OVA、劇場版をひとつのパッケージに収めることが実現したことが語られると、島津さんは「LDもビデオもあった。ずっと皆さんが応援してくださったおかげで今日があるんだと思います」と各収録作品を振り返りつつコメントした。

 

また、今回のBlu-ray BOXの映像は「マスターポジフィルムから2KスキャンしたHDリマスター映像」となっており、これまでの商品と比べて明瞭な線や段違いの発色具合など、飛躍的に美しくなっている。その映像をひと足早く目にした島津さんは、「衝撃でした」と感想を語った。

 

島津さんの生演技に、ファンも感激!

話題は島津さんの好きなセリフについての話題に突入。

島津さんがあげたのはTVシリーズ19話「恋の恨みと逆恨み 恨みはらさず愛させて」でのユリのセリフ「私は自分がかわいいのよ。だってかわいいんだもん。あなたは憎たらしいんだから、自分でも憎たらしいでしょ? だからあなた行けば?」など。これをステージ上で再現するというサービスに、会場からは盛大な拍手があがった。

第〇話のどのシーンと、細かく解説を入れつつ次々とセリフを読み上げる島津さん! その作品愛に、ファンも嬉しそうな笑顔をみせていた。

 

 

また、TVシリーズ後に制作されたOVA「ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎」において、ユリとケイのキャラクターデザインが一新された点については、「なんで?」と今でも疑問だという島津さん。「ダーティペア」はそのほかにも、作品ごとに微妙に衣装やデザインが異なっており、「それぞれキャラが変わっていて、とまどいはあった」と正直な気持ちを語るいっぽう、絵柄が変わるごとに少しずつ演技を変えていたことを明かす。

特に「ノーランディア」は、もっと大人っぽい演技にしたかったそうだが、大きく変えるとTVシリーズを観てくれていたファンが違うキャラのように思ってしまうかもしれない。それはいけない、と思い、TVシリーズの声と島津さんが演じたかった声の中間を狙って演技したという。

 

アニメ化が決定する以前にファンから「面白い作品だから読んでください。ユリは冴子さんにぴったりだと思います」と原作小説を紹介されていたため、島津さんはもともと原作小説の読者だったことも明かされた。その頃から「やりたいな」と思っていたということで、その縁に大橋さんも「すごいですね」と目を丸くする。

 

そんな「ダーティペア」という作品について、長年イベントや作品の展開がなかったこともあって「残念ながら、遠い思い出のかなたにあった」そうだが、「(今回のステージを通じて)近くなった」というのが、今の島津さんの気持ちだという。また、改めて作品を見直して「私ってすごくいい声優だなと思った」と語る。そんな言葉も、キュートなユリの声で言われると「そうだよね!」と思ってしまうのは、ファンゆえか。茶目っ気たっぷりにコメントする島津さんに、観客も拍手喝さいを送った。

 

 

イベント終盤は島津さんと頓宮さんの不思議な関係性について語られた。

島津さんいわく「頓宮さんが言うことは、私が覚えてなくて、私が言うことは、頓宮さんが覚えてないの」。ということで、「2人あわせて一人前、はじめて何かを生み出すことができる」と冗談交じりに語る。そんな2人が、2019年12月14日に声物語3 島津冴子 頓宮恭子の大聖夜~エンジェルの時 ラブリーな夢~」というイベントを開催するという。「ダーティペア」でも共演したムギ役の巻島直樹さん、グーリィ主任役の沢木郁也さん、第1話にゲスト出演していた難波圭一さんとの共演で行われるということで、こちらも注目だ。

 

次から次へと話題が尽きないトークステージも、いよいよフィナーレの時が迫ってきた。しかし、「35年分たまってるんだもん!」と叫ぶ島津さんは、全然話し足りない様子。続編への希望を力いっぱい語りつつ、イベントは終幕を迎えた。

 

島津冴子さん、イベント終了後コメント

──久々の「ダーティペア」関連イベントでしたが、感想をお願いいたします。

 

島津 こんなに月日が経過してもいらしてくださったファンのみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ただ、いつも「ダーティペア」のイベントは頓宮さんとご一緒でしたので、やはり寂しかったです。

 

──イベントの中で印象的だったことを教えていただけますか?

 

島津 自分が思っていた以上に緊張していたこと。お客様がしっかり反応してくださったこと。私も上映を客席で観ていたのですけれど、OVAの5話の最後に「そして誰もしなくなった」というテロップが出た時、客席のみなさんの笑い声が聞こえたことが、とても印象に残りました。一体感が嬉しかったです。

 

──島津さんにとって「ダーティペア」とはどんな作品ですか?

 

島津 大切な作品。演じることにとても幸せを感じていた作品です。何度も形を変えて作品が生まれたことも思い出深く、ただ、最終回という作品の区切りがはっきりないままに途切れてしまって、私の中では完成形が作れなかったような心残りがありました。言い換えれば…まだ続いているような…続いていくような、希望を感じさせてくれる作品でもありました。

 

──ファンの皆さんへ、ひと言コメントをお願いいたします。

 

島津 今までずっと忘れないでくだって、ありがとうございました。これからも頓宮さんと私のケイとユリを記憶に留めていただけますように。

今回は私独りでしたが、12月14日の2人のイベント「声物語3 島津冴子 頓宮恭子の大聖夜~エンジェルの時 ラブリーな夢~」では、私たち2人にグーリィ主任役の沢木郁也さん、ムギ役の巻島直樹さん、二枚目役でおなじみの難波圭一さんというダーティペアのメンバーが集まるトークショウを開催することになりました。(後日、「刀剣乱舞」 静形薙刀や「新サクラ大戦神山誠十郎、「クロムクロ」青馬剣之介時貞などで注目の若手男性声優阿座上洋平さんの出演も発表)

これはずっと前から私が考えていたイベントです。アニメは私たちだけでは作れませんが、声優だけでその雰囲気を感じていただけるイベントを企画しました。

今回、サンライズさんの上映会バップさんのBlu-ray BOX発売で、みなさんが関心を寄せて下っている、この時を逃したらもう二度とチャンスはないだろうと開催を決めました。

一度限りのイベントです。ぜひ、いらしてください!よろしくお願いします。

 

 

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【サンライズフェスティバル2019特集】30数年ぶりの「ダーティペア」イベントに、島津冴子も緊張!? 作品愛あふれるトークに盛り上がった「ダーティペア」トークステージレポート!