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ミュージカル『テニスの王子様』秋の大運動会 2019」が、去る10月8日・9日に神奈川横浜アリーナにて開催された。コミックナタリーでは、10月8日公演の様子をレポートする。

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「大運動会」は、許斐剛原作によるミュージカルテニスの王子様」のキャラクターに扮したキャスト陣が学校の枠を飛び越え、紅白2チームに分かれて一般的な運動会でおなじみの競技に挑むイベント。2014年ぶりの開催となり、3rdシーズンにおいては今回が初となる。センターに競技エリアが配置され、その周りを360°囲むように設けられた客席は紅組・白組のシートに分かれている。観客たちは、競技に打ち込む選手たちに終始熱い声援を送り続けた。

まず姿を現したのは、MCを務める四天宝寺の顧問・渡邊オサムと、応援を担う青学(せいがく)の1年トリオこと堀尾聡史、水野カツオ、加藤勝郎、そして山吹の壇太一。大運動会の概要や得点のルールなどを順に説明していく。続いてプラカードを持った選手たちが、青学、不動峰聖ルドルフ、山吹、氷帝、六角、立海、比嘉、四天宝寺と学校ごとに入場すると、観客たちは割れんばかりの歓声で彼らを迎える。紅組主将の越前リョーマ、白組主将の幸村精市は、片手を掲げ堂々と選手宣誓。そして準備体操の仕切りを任された不動峰橘桔平が壇上へ。ラジオ体操第一のフレーズが流れると、立海の選手たちが腕立て伏せを始めたり、遠山金太郎が周囲の選手にちょっかいを出したりと、体操の時間を自由奔放に過ごす面々も見られた。

最初の競技は二人三脚。第1走では序盤で不二周助樹希彦ペアがリードするも、大石秀一郎菊丸英二の黄金(ゴールデン)ペアが追い上げて先にゴール。さすがの阿吽の呼吸を見せつける。また4走目からは三人四脚、最終レースは5人1組のムカデ競争に。野村拓也柳生比呂士金色小春チームと手塚国光乾貞治木手永四郎メガネキャラが競い合ったレースでは、手塚チームが勝利を収めた。続いては跡部景吾忍足侑士樺地崇弘チームと宍戸亮向日岳人芥川慈郎チームの氷帝対決。運動会を欠席した鳳長太郎は、出走前にビデオメッセージで「宍戸さん、負けたら激ダサですからね!」と、宍戸チームを激励する。スタートの合図が鳴ると、なぜか走るそぶりを見せず優雅に歩き続ける跡部チーム。これを順調に引き離した宍戸チームだったが、中盤で芥川慈郎が寝てしまい、跡部チームが逆転。見事勝利した跡部は「当然の結果じゃねーの」と満足げに微笑んでいた。

続いて行われたのは、音楽が止まっている間に玉入れを行い、流れている間は踊るという「ダンシング玉入れ」。観月はじめ不二周助デュエットを披露したり、白石蔵ノ介の楽曲で玉座に座った跡部が「エクスタシー」と一緒に歌ったりすると、客席からは大歓声が上がった。4人1組で1つの棒を持って走る競技「台風の目」で息を飲む接戦が繰り広げられた後には中間発表が行われ、紅組が25点、白組が35点と、白組が一歩リードしていることが明かされる。

そこへ全力ダッシュで駆け込んできたのは、青学8代目のOBキャストの面々。越前リョーマ役を務めた古田一紀大石秀一郎役の石田隼不二周助役の神里優希菊丸英二役の本田礼生桃城武役の眞嶋秀斗が集結した。石田と軽妙に掛け合いつつ得意のアクロバットを披露した本田は「今日はなんと神様が来てくださっているんです」と、原作者の許斐剛も来場していることを紹介。本田の号令で「許斐先生―!」と会場が一体となって叫ぶと、許斐は立ち上がって一礼し、客席は笑顔に包まれた。

桃城武忍足侑士が紅組、海堂薫切原赤也が白組の応援リーダーをそれぞれ務めた応援合戦は、歌ありアクロバットありの白熱の展開に。知念寛財前光、そして越前リョーマが流暢なボイスパーカッションを披露する一幕もあった。OBたちはいずれかのチームへの投票を求められ、1票につき5点が加点される。石田、本田、眞嶋は紅組、古田、神里は白組へ投票。眞嶋はその理由を「桃城くんの髪型が最高でした!」と説明し、桃城とハグをすると、“桃ちゃんコラボ”に客席が湧いた。また古田は「これは、俺からリョーマへの試練の5点」と、あえてリョーマの相手側に投票した胸中を明かし、これにリョーマは闘志たっぷりの表情で応えていた。

障害物競走では、ゴール寸前でまたも寝てしまった慈郎を丸井ブン太がおんぶして一緒にゴールしたり、パン食いのパンをむしり取ったりテニスラケットで運ぶはずの風船を握り割ったりとやりたい放題な亜久津仁日吉若が抜かしていったり、波乱続きの展開に。不二裕太は兄の周助を相手に勝利を収め、「テニスでも兄貴に負けないんで、皆さん応援よろしくお願いします!」と、晴れやかにインタビューに応え、そんな弟の姿に「楽しみにしているよ、裕太」と、周助は微笑みを見せていた。

各チーム4騎ずつの総当たり戦となった騎馬戦では、実況席の亜久津が気になる選手を問われ「強いて言うならニトキタ(新渡米稲吉喜多一馬)」と回答。白組の新渡米は見事勝利を収めると、亜久津へ「亜久津、見てた?」と満足げに返していた。綱引きでは紅組が白組を下し、OBチームと有志で急遽構成された青組と対戦するボーナスチャレンジへ。紅組があっさりと青組を退けてさらなる得点をゲットすると、OBの本田礼生・石田隼は黒羽春風の手を取り「無理でしょ!あの、手加減っていう言葉、知ってる? 一瞬ケガするかと思った」と彼の力の強さを紹介。黒羽は鍛え抜かれた上腕二頭筋を披露していた。

ついに最後の競技となった紅白対抗リレー浪速のスピードスターと言われるほどの俊足を持つ忍足謙也が出走せず実況席にいることについて、オサムは「一番の見せ場やろ?」と嘆くも、謙也は「俺が出たら3周くらい差をつけて勝ってまうから」とその理由を説明する。5名ずつ4チームに分かれて繰り広げられた激走に、会場は大歓声に包まれ、アンカー千歳千里遠山金太郎柳生比呂士小石川健二郎の順にゴール。白組が1、2位を飾る結果となった。

得点の集計中には、OBたちが順に挨拶。本田は「僕たちのときは運動会を経験できなくて、これが3rdシーズン初の運動会ということで。それを今見られて、僕たちのバトンがこう繋がってるんだなとすごく幸せな気持ちになりました」としみじみ語り、眞嶋は「本日はこんなにたくさんのテニスの王子様の皆様とたくさんのお客様にお会いできて、本当にたくさんのパワーをもらいました!」と感謝を述べていた。

全員が息を飲む中、ついに結果発表。紅組115点、白組135点という総得点がビジョンに映し出され、白組が見事に勝利を収めた。主将の越前リョーマは「運動会では負けちゃったけど、テニスでは負けないからね。みんなの応援なかなか良かったよ、サンキュー」とコメント。神里、古田から優勝旗を授けられた幸村精市は「みんなの応援があって優勝できたよ、ありがとう。この調子で立海の全国三連覇、応援よろしく頼んだよ」と挨拶した。

最後はスペシャルメドレーを展開。各校が代表曲を順に披露し、最後は毎公演のカーテンコールでおなじみの「スマイルアンドティアズ」をパフォーマンスする。選手たちは客席に降り立って観客と交流し、興奮に包まれたままに、2時間15分にわたりノンストップで展開された「大運動会」は終幕した。なお本イベントの模様を収録したBlu-ray&DVDは、2020年1月31日に発売される。

「ミュージカル『テニスの王子様』秋の大運動会 2019」出演キャスト

紅組

青学(せいがく)

越前リョーマ阿久津仁愛
大石秀一郎江副貴紀
菊丸英二田口司
河村隆岩田知樹
桃城武大久保樹

不動峰

伊武深司健人
神尾アキラ伊崎龍次郎
石田鉄中村太郎

聖ルドルフ

観月はじめ宮城紘大
野村拓也佐川大樹
不二裕太大原海輝

山吹

南健太郎北川尚弥
千石清純森田桐矢
東方雅美辻凌志朗

氷帝

跡部景吾三浦宏規
忍足侑士井阪郁巳
滝萩之介山崎晶吾
樺地崇弘八巻貴紀

六角

葵剣太郎矢代卓也
黒羽春風:陽向謙斗
天根ヒカル坂垣怜次
首藤聡:千葉冴太

立海

真田弦一郎田鶴翔吾
仁王雅治後藤大
柳生比呂士大隅勇太
丸井ブン太大薮丘

比嘉

平古場凛岩城直弥
知念寛雷太
不知火知弥:園村将司
新垣浩一:松井遥己

四天宝寺

白石蔵ノ介増子敦貴
小石川健二郎安東秀大郎
金色小春森田力斗
一氏ユウジ谷津翼

白組

青学(せいがく)

手塚国光青木瞭
不二周助皆木一舞
乾貞治竹ノ内大輔
海堂薫中島拓人

不動峰

橘桔平青木空夢
内村京介高根正樹
森辰徳小林辰也

聖ルドルフ

赤澤吉朗中尾拳也
柳沢慎也尾関陸
木更津淳佐藤祐吾

山吹

亜久津仁川上将大
新渡米稲吉登野城佑真
喜多一馬蒼木陣

氷帝

宍戸亮小早川俊輔
向日岳人北乃颯希
芥川慈郎田村升吾
鳳長太郎渡辺碧斗
日吉若内海啓貴

六角

樹希彦:高木眞之介
木更津亮:佐藤祐吾

立海

幸村精市立石俊樹
柳蓮二井澤巧麻
ジャッカル桑原川崎優作
切原赤也前田隆太朗

比嘉

木手永四郎武藤賢人
甲斐裕次郎吉澤翼
田仁志慧高田誠

四天宝寺

千歳千里江本光輝
忍足謙也千田京平
石田銀森一平
財前光廣野凌大
遠山金太郎平松來馬

MC

渡邊オサム碕理人

応援

堀尾聡史:琉翔
加藤勝郎:中三川歳輝
水野カツオ:奥田夢叶
壇太一佐野真白

※大原海輝(不二裕太役)、坂垣怜次(天根ヒカル役)は10月8日のみの出演。
※辻凌志朗(東方雅美役)、渡辺碧斗(鳳長太郎役)は映像出演。
※山崎晶吾と川崎優作の崎は立つ崎、高木眞之介の高ははしご高、辻凌志朗の辻は一点しんにょう、赤澤吉朗の吉は土に口、田仁志慧の慧は旧字体が正式表記。

(c)許斐 剛/集英社NAS新テニスの王子様プロジェクト (c)許斐 剛/集英社テニミュ製作委員会

「二人三脚」にて、優雅に歩き続けたが、見事勝利を収めた跡部景吾・忍足侑士・樺地崇弘チーム。