まるでホラー映画のワンシーンのように、自宅の地下室が血の海と化してしまい嘆いている家族の一報がアメリカから届いた。原因は隣の食肉処理場にあったようだ。『New York Post』『FOX 13 News』などが伝えている。

アイオワ州バグリーに住むニック・レスティナさん(Nick Lestina)一家は10年ほど現在の家に住んでいるが、その間は近隣との揉め事もなく暮らしてきた。しかし昨年、隣の食肉処理場として使われていた建物の所有者が代わったことが原因で、今月に入ってからニックさんの自宅の地下室が血で真っ赤に染まることになってしまった。

それは食肉処理場の排水口から流された牛や豚の血が、ニックさん宅の地下室に排水管を通じて流れ、溜まってしまったものだった。『FOX 13 News』ではその様子を「ホラー映画のワンシーンのようだ」と表現しているが、まさに地下室の床一面は血の混じった排水で覆われ、いくつかの動物の小さな肉片があり、血の臭いが充満し恐怖すら感じる状態だ。

ニックさんは「アイオワ州天然資源局(DNR)」に連絡したところ同局が調査を開始し、隣の食肉処理場で今月3日に牛と豚の肉を加工した際、排水口に血液や肉片などを洗い流していたことが判明した。また、この食肉処理場の排水管とニックさん宅の排水管が繋がっていたそうだ。

ニックさん宅の地下室の掃除は、専門業者に依頼すると数千ドル(数十万円)は下らないという。ニックさんは「地下室を単に消毒するだけで2千ドル(約21万7千円)もするため、全ての掃除には数千ドル(数十万円)かかるんじゃないかと見ています」と話している。

DNRでは、食肉処理場のオーナーであるケイトリン・ダール氏(Katelyn Dahl)に対して「今後は動物の血液、肉片などを排水口に流さないように」と言い渡した。

しかし血で染まった地下室は病原菌などによってニックさん家族に健康被害をもたらす可能性があるため、DNRは州保健局と連携してこの件を対応することにしたそうだ。ニックさん家族は、地下室が安全な状態となるまで自宅以外の場所で生活することを勧められた。

地下室のクリーニング代に加え、引っ越しの費用、また地下室には1歳になる息子のために置いてあったベッドなどを保管していたが全て廃棄処分しなければならないという。ニックさんによると、これらの費用に対して食肉処理場側では一切の援助を拒否しているそうだ。

現在のニックさん家族は自宅を出て仮住まいをしているが、ニックさんは「私はこの問題を誰かに押し付けるつもりはありません。今、私にできることは前に進んで問題を解決することです」と前向きであることを明かした。

ちなみに『KULR8 News』の最新報道によると、食肉処理場のダール氏は保険会社に掛け合ってニックさん家族を支援する費用を捻出しようと試みており、もしそれができないようでも「清掃費用については必ず支払う」と話しているとのことだ。

画像は『New York Post 2019年10月15日付「Slaughterhouse runoff turns family basement into bloodbath」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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