映画「スクールズ・アウト」でメガホンを取ったセバスチャン・マルニエ監督。同作は、名門学校に教室の窓から身を投げた先生の代わりに臨時教員としてやって来たピエールロラン・ラフィットさん)は、生徒6人が事件に無関心なことに気付きます。6人の冷淡で気まぐれな言動や行動に奔走されたピエールは、彼らが危険なことを企んでいると確信する学園サスペンス映画です。

 オトナンサー編集部では、マルニエ監督に単独インタビューを実施。映画化の経緯や、教師と生徒の距離感を出す演出、ラフィットさんとの仕事などについて聞きました。

学校の評判しか考えない教師たち

Q.学校を舞台にした理由は何でしょうか。

マルニエ監督(以下敬称略)「原作の設定が学校だったからです。舞台になる学校は、フランスの一般的な学校ではなく、私立のエリート校でカトリックの学校です。この学校の面白いところは、校長先生をはじめ先生たちが学校の評判につながることしか考えていません。県でのランクが上がることを重視して、生徒の不安な気持ちに寄り添おうとはしません」

Q.原作の、どのようなところに引かれて映画化しようと思ったのでしょうか。

マルニエ「原作全体に流れている雰囲気が面白かったからです。また、いろいろなジャンルが混ざっているので、映画でもいろいろな雰囲気を出せて楽しそうだと思いました」

Q.先生側と生徒側の距離感を出すための演出は。

マルニエ「生徒役とロラン・ラフィットを分けて演技指導しました。生徒役には撮影に入る3カ月前に指導しました。ロランは撮影に入る直前、役について話し合いました。また、ロランと生徒役は撮影まで会わせないようにしました。初めて会う人には居心地の悪さを感じます。ローランは素晴らしい役者ですが人間です。初めて会う人たちから見つめられると、そういう雰囲気が出ると思いました」

Q.ロラン・ラフィットさんとの仕事はいかがでしたか。

マルニエ「ひどかったです、冗談ですが(笑)難しい役どころだったと思います。口数も多くないし、凝視するのが多い役でした。ロランは素晴らしい役者で俳優です。助けられたところも多かったです。時間もお金も余裕がある映画ではありません。ロランは最初のテークでOKが出ていて、取り直しはほとんどありませんでした」

Q.生徒役の俳優たちはいかがでしたか。

マルニエ「素晴らしかったです。非常に感心しました。撮影時は猛暑でしたが、そんな時期でもポジティブなエネルギーで臨んでくれました。初の長編作品ということでリスクもあったと思いますが、撮影を楽しんでくれました」

Q.日本の映画監督を目指す人たちにアドバイスを。

マルニエ「脚本を書き続けることが大切だと思います。私の時代に比べ、スマホで撮影することが身近になっています。技術だけでなく内容が伴った脚本を書く練習をすること。スポーツと同じで、訓練しないと腕が鈍ります。また、企画がいつ通るか分からないので常に複数の企画を持っておき、何かあったときにすぐ出せるようにしておいてチャンスを逃さないことです」

 映画「スクールズ・アウト」は10月公開。

オトナンサー編集部

セバスチャン・マルニエ監督