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大型トラックにも搭載が進む自動運転
だがまだ始まったばかり

 2019年秋、三菱ふそうトラック・バスは、大型トラックとしては日本初となる自動運転技術レベル2の機能を「スーパーグレート」に導入する。レベル2とは、システムが縦方向と横方向の操作を行なうもの。監視はドライバーが担う。いわゆるACC(アダプティブ・クルーズコントロール)にステアリングアシスト付きのレーン・キープ機能を組み合わせたものだ。三菱ふそうは、この機能を導入することで、年間約1000件発生している大型トラックの事故のうち、36%ほどを防止できることを期待するという。

 こうした自動運転技術は、乗用車だけではなく、当然のように商用の大型トラックにも求められるもの。しかし、商用ということで、乗用車と同じというわけにはいかないようだ。三菱ふそうが属する、ダイムラーグループでは、「レベル3はメリットが少ないため、レベル2の次はレベル4(限定的な自動運転)を目指す」という方針をとっている。

 商用トラックの場合、運用コストの約40%がドライバーの人件費になる。つまり、ドライバーの負担を軽減することが重要だ。そうした目線で考えると、レベル3は走行中の監視はドライバーの役割であり、ドライバーの負担軽減は限定的といえる。それよりも、レベル4になればドライバーが完全に休憩できる。レベル3の技術的なハードルの高さに対して、レベル3の負担減では足りないということなのだ。

 ちなみに、ドライバーの負担を大きく減らす、隊列走行という技術もある。当然、三菱ふそうは、隊列走行の実用化にも向けて、積極的な姿勢を見せており、昨年から実施されている新東名高速での後続車有人システム実証実験にも参加している。ドライバーの負担が減ることは、そのまま運用コストの軽減につながる。そのため商用トラックは、自動運転技術開発にかけるモチベーションは高そうだ。

2019年にようやくレベル2を搭載
なぜトラックは遅れていたのか?

 しかし、それでいて2019年になって、ようやくレベル2を導入するというのは、乗用車に比べて遅いと感じるだろう。実のところ、大型トラックの自動運転技術の開発は乗用車よりも格段に難しいのだ。

 難しさの理由のひとつは、車体の大きさだ。乗用車に比べてトラックは車幅が大きい。それに対して、道路の幅は乗用車トラックも同じ。つまり、それだけトラックスペース的に余裕がない。これが難しさのひとつとなる。

 もうひとつが、車両の重さだ。車両が重いため、ステアリング操作に対するクルマの反応が悪い。空間的な余裕がないうえに、反応が悪いと走行車線枠の中をキープするだけでもひと苦労。そのため、なるべく遠くまで車線を認識し、遅れて動くクルマの動きまでを予測しつつ制御しているという。センサーだけでなく制御系にも高い能力が求められる。そのために乗用車に比べて導入のタイミングが遅くなっているのだ。

 とはいえ、商用トラックは車両価格が数千万円に届くもの。自動運転技術にかかる費用に対する許容性は乗用車よりも高い。技術が完成すれば、一気に普及は進むことだろう。高速道路を自動運転の大型トラックが隊列を組みながら走る姿を見るのは、そう遠い未来ではないことだ。

トラックの自動運転搭載はなぜ遅れているのか?