働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は都田まりかさん(仮名・放送関連会社勤務・38歳)からの質問です。

「政府が、会社員が75歳まで働けるような取り組みを目指すというニュースを見ました。今、実家から1時間半かけて都内の会社で事務員として働いていますが、通勤電車は辛いし、あと3年くらいが限界……という感じです。とはいえ地元はお給料が安く、正社員は働き損の気がしてしまいますし、年齢的にも雇用が多いとはいえません。できれば、地元の会社で週4くらい派遣社員として働くか、短期の派遣バイトを年に数回して、あとは働かないというのが理想なんですが……。セミリタイアするために、今できることってなんでしょうか」

2018年10月に行なわれた未来投資会議で、議長である安倍総理は「70歳までの就業機会の確保を図り、高齢者の希望・特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討したい」と表明しました。そして、2019年の5月には政府が、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨格を発表。企業の選択肢として7項目を挙げ、企業は努力義務として、70歳まで定年を延長するだけでなく、他企業への再就職の実現や起業支援なども取り組まなければならないという流れに。ということは、一般的に70歳までは「働く」ということが「普通」の社会になるということ。そんな年まで働きたくないよ……という人には、ちょっと厳しい改革なのかもしれません。

人生100年といわれる現在、セミリタイアしたい……という人は、どのようにライフプランを組み立てていけばいいでしょうか。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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働かなくても生きていく方法はある

さて、相談者さんは何のために働いているのでしょうか。生活費を稼ぐためでしょうか。確かに、生きていくにはお金が必要です。衣食住自給自足で賄えない限り、購入しなければいけませんからね。でも逆に言えば、自給自足ができれば、お金がなくても生活できるということです。また、不動産収入や投資など、最近ではSNSで自分の生活を切り売りするなどで、いわゆる“不労所得”でお金を生んでいる人もいます。相談者さんは、“働く”ということが義務になってしまっているのではないでしょうか。

確かに日本の憲法では、国民の義務として、教育・労働・納税が掲げられています。憲法27条の1項、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」という部分です。しかしこれは、労働を強制するというものではありません。国が社会保障する見返りとして仕事をし、納税してくださいというフィフティーフィフティーの関係を保つための約束事なのです。また、70歳までの定年延長にしても、「勤労の権利」として「働きたい人を受け入れる努力をしてください」ということです。働きたくない人を無理やり70歳まで働かせる、などということではないのです。一度きりの人生です。自分らしく、社会の一員として社会貢献しながら自分が心地いい生き方を選べばいいと思いますよ。

辞めたい年齢を決めて逆算して考えていこう

とはいえ、何も準備せず、えいや!と勢いだけで進めてしまえば後悔してしまいます。38歳はまだまだお若いですが、かといって、すぐに軌道修正したりやり直したりというのが簡単な年齢とはいえません。まずは、ご自身が仕事を辞めたい年齢を決めて、逆算して考えていきましょう。

現在、女性の平均寿命は約87歳です。これはライフプランを立てるために、ひとつの目安となるでしょう。その年齢までに自分がいくら必要なのか、月々の支出を計算し割り出してみましょう。そして、今ある貯金や親からの財産分与など、今後に受け取れる額も概算し、ご自身が仕事を辞めたい年齢までに、いくら稼げばいいのかをざっくりと計算してみるのです。60歳以降は希望すれば年金を受け取れますが、そのお金で生活を賄うのは難しいと言われています。年金は「ラッキーなお小遣い」くらいに考えて、今回の計算には含めないほうがいいでしょう。

セミリタイア後の基本の生活の目途がつくようにしておけば、優雅で贅沢な暮らしを望まない限り、不測の事態にもなんとかなるものです。

セミリタイアはなかなかハードルが高い

セミリタイアを考える際には、働き方はふたつあります。ひとつは今の会社で働き続けるか、もうひとつはキャリアチェンジして仕事を変えるかです。自分の仕事に対して、求めていることがやりがいなのか、お金なのか、人間関係なのか……。まずは優先順位をつけてみましょう。そして、賃金が安くても人間関係がよければいいのか、人間関係が悪くてもやりがいを感じられるのか……など、さまざまな状況パターンイメージして、自分がどうしたいのか、今一度考えてみてください。

これは個人的意見ですが、キャリアチェンジしての正社員転職は厳しいのではと思います。イチから教育するメリットが、企業にあまりないからです。今の会社で生き延びるすべを身につけるべきではないでしょうか。また、昨今はAI化が進んでいます。全部が機械化されるわけではありますが、雇用の絶対数は減る傾向にあるでしょう。たとえば金融機関では、事務の自動化が進み、一般職がことごとく採用されなくなっています。なので、単純作業、定型業務以外の手に職や、あなたにしかできない創意工夫、改善がないと、セミリタイアもなかなか難しいですよ。

農業して自給自足を進めながら販売もして、自由に暮らす農ガールに憧れる女子も増えているとか。

賢人のまとめ

まず、自分が生涯を終えるまでにいくら必要なのか、計算していきましょう。そして、セミリタイアするまでにいくら稼がなければいけないのかを考えてみてください。その上で、そのお金を手に入れるために自分が何ができるか考えてみましょう。プロフェッショナルとなれる手に職や、あなたにしかできない創意工夫、改善がないと、セミリタイアもなかなか難しいですよ。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションインストクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

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