近年、次々と登場する肉や魚の代替品には、ヴィーガン(完全菜食主義者)やベジタリアン(菜食主義者)だけでなく、普段肉を口にする消費者たちからも大きな関心が寄せられている。
これら植物由来の製品は、健康に良いという利点に加えて、大きな環境保全にも繋がり、今やそのブームは加速している。
そんな中、植物性製品を作るアメリカのサンフランシスコのスタートアップ企業「JUST」が、鶏卵に代わって卵の代替品を製造・販売し、話題になっている。
―あわせて読みたい―
肉汁ジュワーで食感も味も本物の牛肉。オランダの企業が植物100%のビーフステーキを開発。受注販売開始
見た目も味も超リアル!マグロとサーモンの刺身そっくりなベジタリアン向け商品が登場していた(オランダ)
カニカマとは違うやつ。エビ、ロブスター、カニの代用になる細胞ベースの培養肉(人工肉)を開発中(シンガポール)
2040年、世界の肉の60%が人工肉に置き換わると予測される(米研究)
ついにマクドナルドも! 植物由来の人工肉を使用したベジバーガーが、期間限定で試験販売(カナダ)
Making a Vegan Omelette using JUST Egg
緑豆(リョクトウ)をベースにした植物由来の卵
Hampton Creek(ハンプトン・クリーク)という社名で、植物たんぱく質をベースとした「MAYO」というマヨネーズの代替品を開発・販売したスタートアップ企業は、社名をJUSTに変更してからも、様々な卵代替製品を開発してきた。
その中でも特に話題になっているのが、遺伝子組み換えフリーの緑豆(リョクトウ)を原料とした植物由来の卵「JUST Egg」だ。
日本では、緑豆は、主にもやしの原料(種子)として利用されている。
This is a big one: #JUSTEgg has arrived at select @Walmart stores. https://t.co/yIluiilE3t
Find it in the egg aisle at participating locations --> https://t.co/zpVcoDfgHa pic.twitter.com/3UW4TiSeHG
— JUST (@eatjust) September 25, 2019
これまで、卵については各企業が代替品への様々な試みを行ってきたが、味や栄養面の問題をじゅうぶんクリアできなかった。
しかし、JUST Eggは2017年12月にサンフランシスコのレストランに登場して以来、鶏卵の代替品としてかなりのクオリティが評価されているという。
鶏卵と同様の調理役割を果たせる液状の卵る
液体状で容器の中に入っているこの商品は、見た目こそまるでスムージーのようだが、調理すると鶏卵で作るスクランブルエッグやオムレツと大差ないほど、卵としての標準レベルを軽くクリアしている。
ERROR: Unable to decipher how @justforall’s plant-based scrambled eggs are so similar to the real thing. W/ @Constantine_Spy. #FoodbeastExpoWest #ExpoWest #veganfood @foodbeast pic.twitter.com/M1qZByHNpb
— phambot (@phamb0t) 7 March 2019
JUST Eggの調理法は幅広く、ハンバーグやホットケーキ生地などに使用することも可能な他、フレンチトーストのように厚く調理することもできる。
要冷蔵で保存期間が短いため、購入後は早めの使用が勧められるが、なんといってもJUST Eggの利点は、通常の鶏卵と同じだけのたんぱく質を含む一方でコレステロール含有がゼロということだ。
From "really good" to "mind-blowing" – #JUSTEgg 2.0 is now everywhere.
That's right, all JUST Egg in stores is now version 2.0, with better texture and flavor, and even more versatile in recipes. Try it for yourself --> https://t.co/zpVcoDfgHa pic.twitter.com/f0f3d8B13F
— JUST (@eatjust) October 4, 2019
JUST Eggは、今や市場で次第に人気を高め、卵を食べないヴィーガンにとっての画期的なチャレンジになっただけでなく、普段卵を食べる人からも大きな注目を集める結果になった。
A better breakfast, no matter how you stuff it. #JUSTEgg pic.twitter.com/QFgNztUzqi
— JUST (@eatjust) October 11, 2019
目指すは、健康に食べられるものが簡単に手に入るフードシステム
これまでは、「健康にいいとされる代替品は、価格は高いが味は従来からかけ離れておりイマイチ」という概念が定着していた。しかし、それは近年確実に変わりつつある。
JUSTは、2019年8月の時点で、JUST Eggの売り上げが1000万個相当に達したことを誇りに思うと述べており、企業側のホームページでも次のように説いている。
植物由来の製品を口にすることは、3億6100万ガロン(13億6700万リットル)以上の水と146万kgの温室効果ガスの排出を回避でき、250万平方メートルの土地の節約になるだけでなく、鶏卵を使わないことで動物愛護にも繋がります。
I Tried the @justforall Egg Frittata at @LPQUSA. It’s Another Win for Plant-Based Foods. https://t.co/kSWhb9Rafy
— Stephen J. Bronner (@StephenJBronner) September 20, 2019
via @TheSpoonTech
ヴィーガンだから、気候変動の激しい環境を考慮しているから、もしくは単に興味があるから、といった動機に関係なく簡単に食べられるこの製品を是非トライしてみてください。私たちには長い道のりがあり、そこに辿り着くまでに更に多くの努力が必要です。当社が全ての解決策になるわけではありませんが、私たちの地球のためにより公正な食物システムを構築していくことを目的としています。
そしてそれは、朝食から始まるのです。
Celebrate #BetterBreakfastMonth with us by visiting one of our #JUSTBetterBreakfast partners to enjoy a breakfast made tastier, healthier and more sustainable with #JUSTEgg --> https://t.co/oTIafKpmik pic.twitter.com/HwuMAw2CXL
— JUST (@eatjust) September 13, 2019
アジア原産の緑豆の輸送コストや加工コストを考慮すると、どうしても鶏卵の値段よりも販売価格はあがる。
しかし、従来の動物源よりも水の使用量が98%減、二酸化炭素排出量が93%減、土地利用が86%減とあれば、大きな環境保全に繋がることは間違いない。
この先、コスト低減を目標としながら、地球に優しく健康に良い、そして従来の味を損なわない植物由来の製品を開発・提供していくことに尽力するJUSTのチャレンジは、今始まったばかりだ。
References:Thrillistなど / written by Scarlet / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52283706.html
こちらもオススメ!
―グッズ・商品の紹介記事―
カップヌードルが専用フォーク「カップヌードル THE FORK」を限定販売。右利き・左利き対応
タピり方が日本と違う!フィリピンで登場したタピオカ・フライドポテト
聖水が注入された聖なるスニーカーが売り出される。高額ながら数分で即完売
複数つけると猛禽に守られている感がする。タイのジュエリーブランドから、ファンタジーなフクロウの指輪が発売中
自分に似ている猫を紹介してくれる、猫マッチングアプリ「NYAPPLING(ニャップリング)」が登場
―知るの紹介記事―
古代遺跡で発見された1500年前の鉛板。そこに刻まれていたのはライバルのダンサーへの呪いだった(イスラエル)
植物が世界初の自撮りに成功(イギリス)
空港のセキュリティーチェックで、スーツケースを開けたら飼い猫が混入していた件。夫婦びっくり
嵐が海底に地震を引き起こす「ストームクエイク」の存在が確認される(米研究)
女性が男性医師から直接診察が受けられない時代に使用された医療人形とその使い方(中国)
カラパイアの公式アプリがついにリリース!サクサク見やすい、使いやすいよ! https://t.co/0PBhJB1jK7 pic.twitter.com/M1QblHgKJ7
— カラパイア (@karapaia) 2017年12月9日
コメント