10月22日夜、海外の賓客らを招いた祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」が皇居・宮殿で行われた。「饗宴の儀」は、「即位の礼」の儀式の1つで、計4回開かれる予定だ。1回目の22日は、「即位礼正殿の儀」に参列した元首や王族など約400人が招待されたという。

 まず19時20分頃から「竹の間」で、天皇皇后両陛下が約1時間にわたって出席者からあいさつを受けられた後、「豊明殿(ほうめいでん)」へと場を移し、秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方も出席されて、21時頃から食事が始まった。

フリルの華やかさと、ティアラの煌めき

 19時頃、天皇皇后両陛下を乗せた車両が皇居へ向かう中継映像に、目を奪われた。雅子さまがとてもゴージャスなローブデコルテをお召しになっていて、フリルの華やかさ、そしてダイヤモンドがあしらわれたティアラの煌めきがはっきり伝わってきた。

即位礼正殿の儀」を終えられた直後の雅子さま

 13時から行われた「即位礼正殿の儀」に、非常に緊張された面持ちで臨まれた雅子さまは、皇居での儀式を終えられた後、15時30分頃に半蔵門をお一人で通過され、いったん赤坂御所へお戻りになった。雅子さまは十二単の装束からスーツ着替えられていて、ゆっくりと走行する車両から沿道の人々へ笑顔を向けられていたものの、表情にお疲れがにじんでいるご様子だった。

 この時の表情から比べると、夜の「饗宴の儀」に向かわれる車中ではいくぶん緊張が和らいだご様子のように拝察した。皇太子さま(当時)のご婚儀に際して雅子さまがお召しになったローブデコルテのデザインを思い起こし、シンプルかつゴージャスなお召し物がよくお似合いになる方だとあらためて実感した。

「お出ましになる場にふさわしいかどうか」という視点

 フリルレースを甘くなりすぎないように取り入れられるのは、雅子さまらしいスタイルの1つではないだろうか。例えば、秋田県で行われた全国豊かな海づくり大会の歓迎レセプションで、雅子さまはホワイトスーツをお召しになり、そのジャケットには細やかなフリルが施されていた。スカートデザインによって縦長のIラインを作ることで、全体的にシャープな雰囲気を演出されていた。

 さらに、令和初の国賓として来日したアメリカトランプ大統領夫妻を迎えた宮中晩餐会では、ショールカラーのシースルージャケットに、ノースリーブドレスをお召しになっていたことは記憶に新しいだろう。この時、雅子さまは16年ぶりに、食後にお茶などを飲みながら歓談する後席(こうせき)にもお出ましになった。

 私がこれまで雅子さまのお召し物に注目してきたなかで、衣服の美しさというよりはむしろ、お出ましになる場にふさわしいかどうか、という視点からお選びになっているのでは、と思うことがあった。特に令和の時代に入り、スーツドレスを新調される機会が増えてからは、それぞれの式典の性質や雅子さまのお役目を一層考えられているのではないかと拝察している。

 その意味で、お召し物は雅子さまのお気持ちをうかがい知ることができるポイントの1つだと言えるだろう。これから行われる「即位の礼」の一連の儀式を通じて、雅子さまの装いへの関心はより高まっていくのではないだろうか。

(佐藤 あさ子)

祝宴「饗宴の儀」に臨まれる雅子さま ©共同通信社