代替テキスト

女優・樹木希林さん(享年75)が遺した愛用品に、じっと眼差しを注いでいたのは、安倍晋三首相夫人の安倍昭恵さん(57)。10月15日、昭恵さんが百貨店・西武池袋の別館をお忍びで訪問する姿を本誌はキャッチした。

この日は、西武ギャラリーで開催されていた「樹木希林 遊びをせんとや生まれけむ展・完全版」の最終日。

「夕方で、かなり混みあっていたのですが、気が付いたら昭恵夫人が来場していて驚きました。展覧会の関係者らしき男性や女性も来ていて、その人たちから展示物の説明を熱心に聞いていましたね」(会場にいた女性)

沖縄県辺野古米軍基地建設反対運動を激励するなど、反体制を貫いた名女優と首相夫人の取り合わせは意外に思えるが、ある映画関係者は言う。

「2人を結び付けたのは、希林さんが主演した『あん』(’15年公開)です。希林さんは、元ハンセン病患者であんこ作りの名人という老女を演じました。いっぽう昭恵夫人は以前からハンセン病啓発活動に関心を示しており、’07年には香川県にあるハンセン病療養所を訪問しています。’15年5月に行われた『あん』のプレミアム試写会にも昭恵夫人は招待されており、映画観賞後に、出演者らと歓談したのです」

昭恵さんは希林さんの演技に感動したばかりでなく、その人柄にも引かれたのだという。前出の映画関係者が続ける。

「昭恵夫人は特に希林さんと長い時間をかけて話し合っていました。そして希林さんのことを“人の悲しみに深く寄り添うことができる女性”と、尊敬の念を覚えたそうです。お2人は、今後も偏見を受け続けてきたハンセン病の元患者さんのために尽くすことを約束し合ったのです」

昭恵さんは映画『あん』を安倍首相にもすすめ、夫妻で観賞したという。しかし、その後は森友学園問題なども噴出、また希林さんが’18年9月に他界したこともあり、再会の機会はなかった。

「台風19号の被害が明らかになっていくなか、展覧会を訪れるのは昭恵夫人にとっても、ためらいを覚えることだったに違いありません。それでもあえて来場したのは、希林さんへ追悼の思いをどうしても表したかったからなのでしょう」(前出・映画関係者)

展覧会では、希林さん手作りのブランケットをそっと撫でていた昭恵さん。その胸に去来していたのは、希林さんと交わした約束だったのだろうか。