【元記事を音楽ナタリーで読む】

昨日10月22日に東京・渋谷ストリームホールでアイドルユニット、simpatixのデビューライブイベントが行われた。

【大きな画像をもっと見る】

simpatixは、ももいろクローバー結成時のメンバーで、2008~09年にはSKE48に1期生として所属していた高井つき奈が「好きなことを好きなまま続けていく」というコンセプトのもと理想のアイドルを作るべく立ち上げたグループ。東京・千代田区神田のカレー屋「秋葉原カリガリ」発の元ソロアイドル・柚餅子みこ、“一夫多妻制アイドルユニット”清 竜人25の元メンバーで現在はロックバンド・Dreamy Meltsで活動中の可恩がメンバーとなり、高井自身もプロデューサー兼メンバーとして活動する。

お披露目ライブは2部制で行われ、simpatixのほか、熱心なアイドル好きとしても知られる高井自身がオファーしたグループやソロアイドルがゲスト出演した。第1部では絵恋ちゃん寺嶋由芙ヤなことそっとミュートフィロソフィーのダンスがパフォーマンスを繰り広げ、simpatixのデビューを祝福。各アクトの出番が終わり、この日の主役であるsimpatixが満を持してステージに登場すると、フロアは熱い歓声に包まれた。3人は出演アイドルや来場者にお礼を言い、結成に際してのコメントを発表。可恩は自身がボーカルを務めるバンド・Dreamy Meltsについて触れ、「これからはバンドとアイドル、二足のわらじで活動していく形になります。感謝の気持ちを持って精一杯がんばっていきます!」と力強く語った。続く柚餅子は「緊張しているー!」と思わず口にしつつ、「ソロ活動から2年経って、また皆さんの前に立つことができてとてもうれしいです」とアイドル活動を再開できた心情を告白。話しているうちに涙ぐんでしまう場面もあったが、「危なかったー!」と言いながら笑みを見せ、喜びを噛み締めていた。そして高井は「メンバー選びからスタートしたのですが、アイドルはいろんな人の力で成り立っていることを実感しました」と述懐し、「大勢のお客さん、メンバーの2人と一緒にこの日を迎えることができて本当によかったです」と穏やかな表情を浮かべた。その後ライブコーナーに入ると、3人はオリジナル曲「安心」を初披露。ヤマモトショウがプロデュースした“胸きゅんポップサウンド”に乗せ、息ぴったりのコーラスやダンスパフォーマンスで初舞台を彩った。

simpatixのパフォーマンスが終わると、高井の呼び込みで再び競演者たちがステージに登場。各組が感想を語っていく中、寺嶋は「つき奈ちゃんのアイドルオーラに衝撃を受けました!」と驚きつつ、「過去にアイドルとして活動していた人たちがまた戻ってきてくれるって、夢のある素敵なユニットですよね!」とsimpatixならではの魅力に触れ、デビューを祝った。またsimpatixの3人とは長年交流があったというフィロのスの奥津マリリは「長く活動を続けたからこそ、また会えたんだなと思いまして。simpatixもずっとずっと何十年も活動を続けて、おばさんになっても対バンしてください!」と激励した。

第2部では第1部に続き寺嶋がライブを行い、さらにtipToe.が高井の“推しメン”三原海考案のセットリストでパフォーマンスを披露。トークコーナーでは高井が寺嶋のライブ現場に足繁く通うコアなファンであることを話題に挙げ、今回競演が実現したことをうれしそうに話した。また高井は寺嶋のキャッチフレーズでもある“真面目なアイドル”になることがsimpatixでの目標で、「楽屋でも寺嶋さんと『真面目とはなんたるや?』という話をしたんです」と明かし、今後の活動に向ける思いを語り合った。simpatixのライブパートでは1部で披露された「安心」に加え、ダンサブルなポップチューン「あなたの好きなひとはだれ?」もお披露目。合間には寸劇のようなパフォーマンスも盛り込まれ、表情豊かなステージングで観客たちを魅了した。今回披露された2曲はどちらも楽曲プロデューサーのヤマモトが作曲し、編曲はフィロのスの楽曲を数多く手がける宮野弦士が担当。作詞には高井も携わっている。

simpatix 終演後コメント

柚餅子みこ
私は誰かと一緒にステージに立つことが初めてだったので、1人じゃなくて仲間とステージに立っていることに、密かにめちゃくちゃ感動してました(笑)。さらにお客さんも、目を配れば笑ってくださっている……そういう場所があることがすごく貴重で、ありがたい機会だなと思いました。

可恩
2年ぶりにアイドルとしてステージに立つというのは、今も応援してくれる皆さんがいるからできた決断でした。私のアイドル第1章は自分の夢を叶えるためだったんですけど、これから始まるsimpatixではファンの皆さんに感謝の気持ちを伝える第2章にしたいなと思っているので、このような機会をくれたプロデューサーに感謝しています。アイドルにしてくれてありがとう!

高井つき奈
2人が勇気を出してグループに入ってくれたことがうれしくて、ゼロから始めた甲斐があったなあという気持ちです。2人がステージに立って楽しいなと思ってくれたなら、この計画はひとまず成功です。これからどこまで行けるかわからないですけど、自分が理想とするアイドルをこれから作っていきます。ストリームホールは4カ月前から押さえていたんですけど、これまでずっと毎日が不安で……やっと今日、皆さんの顔を見て「アイドルを始めてよかったな」と心から思いました。

simpatixの由来

高井つき奈
simpatixはハンガリー語で「恋愛感情のない一目惚れ」という意味なんです。アイドルを好きになるのって、そういう直感的なときめきが長続きするものだと思うので、そういった感情を持ってもらいたいと思ってこの名前を付けました。

ステージデビューを果たしたsimpatix。