日本の独自規格の軽自動車。日本では人びとの日常の足として広く普及しているが、海外ではほとんど販売されていない。中国メディアの百家号は19日、軽自動車について紹介する記事を掲載した。「中国では見かけない車が日本ではよく売れている」と伝えている。

 日本で軽自動車が人気の理由として、記事は「日本の政策」によるところが大きいと分析。車体のサイズや排気量の規格が定められており、この制限ゆえに税制面で優遇されていて安いため、多くの人が購入していると論じた。また、車庫証明を必要としない地区が多いことも関係しているという。

 また、小さなボディでありながらも設備が整っており、角ばったデザインで室内空間が割と広く、660ccという小さなエンジンだが意外と馬力があると紹介。国土の小さな日本で軽自動車は多くの人のニーズを満たしていると言えるだろう。

 では、こんなにも利点の多い軽自動車が、なぜ中国ではほとんど見かけないのだろうか。記事は「輸出を禁止しているから」と主張。特に燃費の良い軽自動車のエンジンを海外へ輸出できないのだとしている。

 しかし、日本が軽自動車の輸出を禁止しているというのは大きな誤解だ。実際のところ、海外で軽自動車が販売されないのは日本のような税金面での優遇処置がないためで、税金でメリットがなければただの小さな自動車になってしまう。こうした理由に加え、大きな車が好きで何よりメンツを重視する中国では、軽自動車を販売したとしても日本のように売れるということはまず考えにくい。

 日本独自の規格である軽自動車は、その制約があるがゆえに現在の形に進化し、小さいながらも何でもそろった優れた自動車になったともいえるだろう。日本で軽自動車に乗れるというのはある意味幸せな事なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国では見かけない「軽自動車」、なぜ日本ではよく売れるのか=中国メディア