JR九州西日本鉄道が輸送サービスの連携に関する覚書を締結しました。両社は基本的に競合関係ですが、少子高齢化や人口減少により公共交通の需要が減少中。これらの課題に対し、連携して輸送サービスと公共交通網の維持に取り組みます。

会社の枠を超えて連携

JR九州西日本鉄道(西鉄)は2019年10月23日(水)、輸送サービスの連携に関する覚書を締結したと発表しました。

これまで両社は基本的に、福岡都市圏を中心として競合関係にありましたが、少子高齢化や人口減少の進展、自動運転をはじめとした技術革新などから事業環境は転換期を迎えているといいます。

大きな変革に対応し、将来にわたり輸送サービスと公共交通網を維持していくために、両社は会社の枠を超えて連携し、利用者目線で利便性の高い輸送サービスの実現に取り組むとしています。

連携当初は、MaaS(マース)の推進に向けて、両社の持つ公共交通を活かした情報提供サービスの展開に取り組みます。MaaSは「Mobility as a Service」の略で、様々な移動手段をひとつのサービスとして捉え、利用者に提供する概念です。両社はこのほか案として、MaaSアプリの提供、運行情報の相互提供、乗り換えやすい運行ダイヤの検討などを挙げています。

JR九州と西鉄による取り組みの具体的な内容は、今後、検討の進行にあわせて随時発表されます。

西日本鉄道(左)とJR九州(右)の鉄道車両(草町義和、恵 知仁撮影)。