チャンネル登録者数1億人を突破した、スウェーデン出身のユーチューバーPewDiePie(ピューディパイ)さんは最近の動画で再び中国を批判した。

ピューディパイさんは19日に公開した動画で、「やっちゃいました!とうとう中国に禁止された。香港デモについてコメントしたり、中国指導者がプーさんに似ていると話したら、中国に禁止されちゃった。今、中国のネットでPewDiePieで検索しても、何も出てこないだろう」と述べた。

ピューディパイさんはドイツ出身のDJゼッドさんの例を引き合いに出した。ゼッドさんはツイッターで中国政府を風刺した米成人向けアニメ「サウスパーク」の投稿に「いいね」を押しただけで、中国政府に締め出された。ピューディパイさんは自身が禁止されることにある程度の予想をしていたという。

さらに、中国に絶対、禁止されないユーチューバーも挙げた。中国の人気ソングをカバーする、米エンターテイナーのBart Baker(バート・ベイカー)さん。YouTube社はアリゴリズムの変更で、多くのユーチューバーの収入が激減し、ベイカーさんもその一人。ベイカーさんはその後、中国国歌を含むヒット曲を熱唱することで、中国で新たな活路を見出した。

中国当局に媚びを売り、ベイカーさんは中国に引っ越す計画や、ライブで中国大手通信機器メーカー「ファーウェイ」の製品が好きだと公言している。

上海のあるウェーディングドレスの会社は2017年、無断で「PewDiePie」の名前で登記したことにも触れ、「私のせいで、この会社も中国で禁止されるかな」「Pewdiepieのウェーディングドレスはもう入手できないだろう」と嘆いた。

さらに、中国共産党の支持者はツイッターで同氏への批判を書き込むために「ネット封鎖を突破しないといけない」とその苦労をねぎらった。

同氏はツイッターでネット封鎖を突破するためのVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)の販売サイトを貼り付け、「コードにPewdiepieを入力すると、1カ月無料で自由の空気を体験することができる。私の動画を見て、君たちの政府が何をやっているのか、よく考えてください」といさめた。

ピューディパイさんは17日のユーチューブ番組で中国は「批判に耐えられない奴だ。批判者全員を封じ込めている」と非難した。番組には香港デモや、オンライン対戦カードゲームハースストーン」世界大会で、香港人プレイヤーがデモ応援メッセージを叫ぶ映像を使用した。

この番組はユーチューブで放送後、中国のオンラインコミュニティからPewdiepieに関するすべての書き込みは削除された。

スウェーデン出身のユーチューバーPewDiePie。写真は2015年10月ニューヨークで撮影したもの。(John Lamparski/Getty Images)