東京都下水道局は、カンヌ国際広告賞をはじめ、多数の広告賞を受賞しているライゾマティクス・アーキテクチャーの齋藤精一氏と、グッドデザイン賞など、国内外のデザイン賞を数多く受賞しているNOSIGNER代表の太刀川英輔氏をお迎えし、東京の未来について考える講演会「特別講演 東京地下ラボPRESENTS 『クリエイティブの力で都市インフラの未来を考える』~見えないものから見えるものまで~」を10月17日(木)に首都大学東京 南大沢キャンパスにて開催しました。
 東京都下水道局では、若者の下水道事業への関心を深めるためのプロジェクト「東京地下ラボ by東京都下水道局」(以下「東京地下ラボ」)を2018年度より実施しており、本講演会は東京地下ラボのプログラムの一環となります。

齋藤精一氏
 講演会では、齋藤氏が、複雑化する世の中において、デザインは個々をつなげる役割を果たすと述べ、関係性を築くことで新たな発見や本来の価値に気づくことができると話しました。
 また、太刀川氏は、これから下水道についての動画を制作する東京地下ラボ参加学生に向けて、アイデアの発想法についてパターンを上げて説明し、表現の仕方やデザインの考え方を助言しました。
太刀川英輔氏
 なお、齋藤氏、太刀川氏による公開ブレインストーミングでは、下水道をはじめとする「目に見えないインフラの価値を可視化するためにどうやってグランドデザインするか」がテーマとなりました。二人は、目に見えない都市インフラにエンタメを掛け合わせることで、これまで情報が届かなかった人々に対して広く体験してもらう機会を創出し、物事の存在やその価値に気づいてもらう第一歩となると議論しました。  また、規模が小さくてもクオリティの高いものを創ることが、その真価を発信することにつながると述べました。
 さらに、イベントや日常での親水体験を通して、下水道等の都市インフラが果たす役割などの知識を蓄えることで、災害に備えながら水と共存するあり方について考えました。
公開ブレインストーミングの様子

 東京地下ラボの参加学生は、「生活に重要な都市インフラの一つである下水道を発信することの大切さを改めて感じた」、「今回の話を受けて制作動画の内容をブラッシュアップしたい」などと話し、グループで取り組む動画制作に対して、さらなる意気込みを示しました。






【講師プロフィール】
ライゾマティクス・アーキテクチャー 齋藤 精一氏 (さいとう せいいち)

ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰。1975年神奈川生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエイティブ職に携わり、2003年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイターとして活躍後、2006年株式会社ライゾマティクス設立、2016年よりRhizomatiks Architectureを主宰。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。2015年ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクター。現在、2018-19年グッドデザイン賞審査委員副委員長、2020年ドバイ万博クリエイティブアドバイザー。


NOSIGNER 太刀川 英輔氏 (たちかわ えいすけ)
デザインストラテジスト。NOSIGNER代表。慶應義塾大学大学院SDM特別招聘准教授。 1.ソーシャルデザインで美しい未来をつくる。(デザインの社会実装) 2.発想の仕組みを解明し、社会の進化を生む変革者を増やす。(デザインの知の構造化) この2つの目標を実現するため、NOSIGNERとしてソーシャルデザインの社会実装をしながら、イノベーター創出の教育者として、知と発想を生物の進化から学ぶ「進化思考」を提唱。大学や企業にてイノベーターを増やすために教鞭を執る。建築・グラフィック・プロダクト・アートの分野に精通し、それぞれの分野で世界的に評価される総合的なデザイナー。グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞(香港)など国内外のデザイン賞にて100以上の国際賞を受賞。またグッドデザイン賞・DIA Award(中国设计智造大奖)など、多くの国際賞の審査委員を歴任する。SDGsに代表される多くの社会課題、次世代エネルギー・地域活性・伝統産業・科学コミュニケーションなどの分野において企業や行政との共創から多くのプロジェクトを実現し、デザインで社会を進化させる活動を続けている。


【東京地下ラボについて】

 若者の下水道への関心が低い中で、東京下水道の先進性や社会貢献性を 魅力的に伝えようと発足したのが、「東京地下ラボ」プロジェクトです。デザイン、工学、科学など多様なバックグラウンドを持つ学生が集まり、ワークショップやフィールドワークなどを通じて下水道について学び、新たな切り口から東京下水道を発信します。
2018年度は、ファッションや食べ物など多角的な視点で下水道の魅力を 掘り下げ、チームごとに雑誌(ZINE:ジン)を制作しました。

 2019年度は、学生が有名クリエイターから直接アドバイスを受けながら、新しい視点で下水道を再考し、チームごとに30秒の動画を制作します。 8月20日(火)には、CMディレクターの中島信也氏を講師としてお招きし、アイデアを形にする方法について学ぶワークショップを開催しました。8月26日(月)には、下水道施設を見学した他、処理水が流れる隅田川東京湾に生息する生き物を船上や公園で観察するフィールドワークを実施し、下水道の働きを様々な方法で学びました。


本プロジェクトの内容は、参加学生が発信しているWEBサービス「note」※でご覧いただけます。
※文章やイラスト等の投稿を通して、クリエイターとユーザーとをつなげるWEBサービス
【東京地下ラボ by東京都下水道局note】
http://note.mu/tokyogesuido



配信元企業:東京都下水道局

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