新宿・歌舞伎町の治安が加速度的に悪化しているのか。

NHKなどによると、10月16日歌舞伎町のチケットショップで売上金430万円余りが盗まれた事件が起こった。犯人は外国人グループとみられ、事件の直前にも他の店で同様な試みを行っていた疑いもあるという。

警視庁はすでに、歌舞伎町などに多数設置している監視カメラをもとに、SSBC(捜査支援分析センター)が分析・捜査を始めていると思われるが、インバウンド効果と相まって、膨大な数が訪れる外国人から犯人を絞り出すのは容易なことではあるまい。

実は今回起こった外国人絡みと見られる犯罪は、ここ数年目立って多くなっている。なかでも特に注意しなければいけないものがある。

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それは飲食店などでの置き引きやスリだ。治安の良さに慣れている日本人は彼らからしたらカモなのか、店の入り口付近に陣取っている客のバッグなどがターゲットになっている。

スリに関しては、フレンドリーにハグを求めるふりをして巧妙に財布などを抜く手口だ。これらは、外国の観光地では比較的ポピュラーな手口ではあるが、日本人してみればまさか国内で……というところがあるのだろう。もっとも、これらの犯罪は被害額の多寡はあれども身体に著しく危害を加えるものではない。被害者はまだ金銭的損害で済む話だが、文字通り身体に多大な危害を加える犯罪も起きた。

マスコミなどでは報道されていないが、9月某日、歌舞伎町の東側の端にあたる路地で外国人と思われる男による強姦事件が発生。確かに夜中は暗くなる路地ではあるが、歌舞伎町に勤める女性にとっては「通勤路」のひとつであるだけに衝撃が走ったのだ。

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スリ、窃盗、強盗未遂、そして強姦……と、相次ぐ外国人犯罪に対する心構えは、歌舞伎町住民にとって喫緊となりつつある。もちろん、インバウンドによって外国人の絶対数が著しく増えたことは影響しているであろう。しかし、そのほとんどが善良な観光客であり、歌舞伎町の経済を潤している。住民も賛否はあるが総意としては、概ねウエルカムだ。それだけに、一部外国人による犯罪に頭を悩ましているのが現状だ。

さらにここに来て、不穏な動きがある。それは、麻薬犯罪が表面化しつつあることだ。これは、外国人犯罪の範疇ではなく、日本人犯罪組織が関与している思われ、歌舞伎町ランドマークでもある区役所通りF会館からほど近い場所で取引が目撃されている。実際、近隣の飲食店では、コカインらしきものを持ち込んだ外国人客がいた、という話を従業員から直接聞いた。

とまれ、バブル崩壊以降、没落の道を歩んでいた歌舞伎町にとって、外国人観光客が干天の慈雨となったことは間違いない。また今後も、日本旅行を楽しむインバウンド客が歌舞伎町を潤してくれるだろう。だが反面、総量に対する負の部分も露わになりつつある。歌舞伎町住民の悩みは尽きない。(取材・文◎鈴木光司)

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