「過去の失敗体験を教えてください」「あなたにとって一番の失敗は何ですか?」

 面接では定番となっているこの質問。成功体験ではなく失敗体験となると、どのように答えればいいのかと悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

面接 就活
※画像はイメージです(以下同じ)
 過去の失敗談をそのまま話せばOK! なんてことは残念ながらありません。ただ辛かった胸の内を話しても「質問の意図が把握できていない」として面接官にマイナスイメージを与えてしまいかねません。

 面接官からの質問には必ず意図があり、伝えるべきポイントがあります。『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』(実務教育出版)の著者である川畑翔太郎氏(株式会社UZUZ専務取締役)は、就活という日本特有の仕組みに合わず、悩んだり、苦しんだり、自信をなくしてしまった若者たちの就職・転職サポートしてきた経験から「1か月もあれば、納得できる就職はできます。テクニックよりも大事なのは考え方です」と、力強く言います(以下、川畑氏寄稿)。

テクニックよりも大事なのは「考え方」

 ここからは面接を突破するためのノウハウを説明していこうと思います。といっても細かいテクニックは就活本で言い尽くされているため、この記事ではもっと大枠の面接に臨むうえでの「考え方」を話します。

 そんな抽象的なアドバイスが本当に役に立つのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、じつはテクニックを知るよりも考え方を知るほうがはるかに重要です。

 細かいテクニックを覚えると、ただでさえ緊張してしまう面接の場でかえって邪魔になり、普段通りの力さえ出せなくなってしまいます。自分のことを知ってもらい、アピール材料を相手に伝わるように話す。それが面接の本質なのに、テクニックを披露するための場になってしまっては、いい結果にも繋がらないでしょう。

 たくさんの求職者に仕事を紹介してきて感じることは、1か月もあれば、納得できる就職はできるということです。就活の時間はムダに多くの面接テクニックを学ぶことに使うのではなく、面接で本当に大事な考え方、自分のことを深堀りすることに使いましょう。

求められているのは過去の失敗から学べる人

勉強

 人間は誰しもが何らかの失敗をしています。失敗をしたことがない人はいないでしょうし、もし本当に失敗をしたことがない人がいれば、その人は生まれてからほとんど成長していない人なのでしょう。

 自分にとって初めてのこと、いままでできなかったことにチャレンジすることで、人はできることを増やしていきます。失敗と成長は表裏一体です。だから、失敗の経験がない人は成長の経験もない、とも言えます。

 誰だって失敗は嫌です。とくに過去に就活に失敗したり、短期離職や中途退学した就活ひきこもりの人は、余計にその失敗を隠したり、言い訳したくなります。

 ここに求職者と企業との間で認識のミスマッチがあります。企業は面接で過去の失敗経験をこと細かに質問します。求職者は自分が責められているような気分になってしまうかもしれません。でも本当のところは、企業は失敗の中身よりも、その失敗から何を学んで、どう変わったのかを知りたいのです。

失敗を重ねた人は3年目に差がつく

就活ひきこもり
『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』(今村 邦之、川畑 翔太郎)
 会社に入って仕事ができるようになる人には共通点があります。それは「たくさん失敗(行動)している人」と「失敗からのリカバリーがうまい人」です。たとえば、同期で仕事ができるAさんとBさんを例に例えてみましょう。

 Aさんは慎重派で、つねに自分のできる範囲の仕事をやり、当然、失敗もほとんどありません。仕事ぶりも丁寧で同僚や上司からも信頼されています。

 一方のBさんは自分の守備範囲外の仕事にもチャレンジします。最初は失敗ばかりなので、周りからの評価も低いのです。それでも彼は、持ち前の粘り強さもあり、何度もわからないことを周りに質問しながら自分のできる仕事を増やしていきました。

 3年後、この2人の社内評価はどうなっているでしょうか。1年目はAさんのほうが高い評価をもらうかもしれませんが、3年後はほぼ確実にBさんが勝っているでしょう。さらに、重要度の高い仕事はAさんではなくBさんが任されているはずです。

企業が欲しがる就活生の「失敗エピソード」

面接

 実際の面接で好印象を与えた「過去の失敗経験から学んだことのアピール」はどんな内容でしょうか。以下にその事例を紹介します。面接官が失敗したことを聞く理由や評価されているポイントを事前に押さえて、疑問や不安を解消して面接に臨みましょう。

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【例】過去の失敗経験から学んだことのアピール

 私は大学院1年のころに学校を中退しました。当時は研究にも行き詰まり、呆然としながら日々を過ごすだけでした。現実逃避するようにアルバイトの勤務日数を増やしていましたが、研究の中間発表の日、ついに無断欠席してしまいました。

 これを機に研究室にから足が遠のき、同期とも顔を合わせたくない、この状況から逃げ出したいと思うようになりました。教授に相談し、半年間休学したのですが、やはり状況が変わることもなく、最終的には1年で大学院を中退しました。

 それからしばらく経って気づいたことは、自分の身勝手さから周囲の人たちに多くの迷惑をかけてしまったことです。大学院の入学金や学費を出してくれた両親、最後まで自分のことを気にかけてくれた教授、休んだ講義のノートを見せてくれた研究室の同期たちには感謝しかありません。

 私はこの失敗経験を振り返り、同じ過ちを2度としないと心に決めました。今回の失敗には2つの要因があると思っています。ひとつは研究がうまくいかなくなった際に、すぐに周りに状況を話し、助けを乞わなかった点です。もうひとつは状況が悪くなってから、現実逃避に走ったことです。

 私にとって社会人になることは弱い自分を変え、自分のことを認め、好きになるために必要なことだと思っています。もちろん生計を立てるためにも社会人になることは必要です。

 会社に入ったら、自分が任せてもらった仕事には一生懸命臨みますが、うまくいかないときにはその状況から目を背けずに、周りに助けを求め、乗り越えていきたいと思っています。そのためにも、日頃から先輩や上司とコミュニケーションを頻繁に取り、気に入ってもらえるよう努力します。

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 成長を止めないためにも、失敗(行動)は必要です。過去の失敗経験から学ぶことこそが、仕事ができる人の条件でもあるのです。そのような失敗から学んだエピソードを面接官に伝えられたら、高評価につながります。

 就活ひきこもりの人たちは共通して過去に大きな挫折や失敗をしています。失敗した直後は気持ちも落ち込み、自信をなくしてしまっています。でも、その失敗を有効活用すれば自分を成長させるだけでなく、大きなアピール材料にもなることを知ってもらいたいのです。

TEXT/川畑翔太郎>

【川畑翔太郎】

川畑 翔太郎 株式会社UZUZ専務取締役。創業から7年間で20代を中心に1,200人以上の就職/転職をサポート。 ■twitter:@kawabata_caree@kawabata_caree@kawabata_caree ■前田に就活・転職の相談をしたい方はお問合せお問合せお問合せより ■就活・転職のお役立ち情報は第二の就活第二の就活第二の就活から