TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。10月22日(火・祝)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが“日本の治水対策”について見解を述べました。

◆台風19号で露呈した日本の治水の現状

日本各地に甚大な被害をもたらした台風19号の直撃から、未だ復旧が進んでいない地域も多く残されています。そんななか、千曲川の堤防決壊により、長野市にあるJR東日本の車両基地が水没するなど治水対策において行政機関に大きな課題を残しました。

議員時代から治水の在り方について持論を展開してきた田中さん。今回の件に関しても、「いわゆるスーパー堤防は万里の長城。何百年、何百兆円もかかり、これは分が悪いとできたのが八ツ場ダム。でも、全然(水が)溜まっていないところが2日間であそこまでいってしまった」と言い、2000年2006年に在任した長野県知事時代を振り返ります。

当時、浅川ダムの建設計画があったそうです。しかし、国土交通省国交省)から派遣されていた土木部長は、「浅川ダムを作っても千曲川との合流部分の氾濫は防げない」と県議会答弁を行っていたと話しました。

田中さんは天井川になっていたおよそ3kmの区間を改良し、護岸補修を敢行。そして、千曲川の立ヶ花狭窄部に注目。「ここは川幅が200m。今回決壊した場所は800m。つまり、向こうで糞詰まりになっているから、渋滞している電車が行列するようなものだった」と田中さん。そこで、周辺のリンゴ畑を遊水池として契約し、何かあった場合には水を逃がすなど、河川改修をした上で放水路を作ろうと言っていたそうです。

◆根底から考え直すべき日本の治水対策

今回決壊したのは“長沼”という場所で、そこには新幹線の車両基地がある“赤沼”も含まれており、田中さんが「名は体を表す」と言うように、洪水になると水が溜まる場所だったようです。

それだけに「1998年長野オリンピック」開催前、そこに車両基地を建設することになった際には住民らが猛反対。しかし、国交省(当時・建設省)は「浅川ダム計画を復活させるから大丈夫と発言。

田中さんは、このダム計画の背景には「1998年長野オリンピック」のボブスレーとリレージュの会場に行くためのトンネルと橋を作る予算の捻出があったそう。「ダム計画を復活させ、結果的に380億円で私の(在任中の)後に作り始めたが、すでに200億円使っていた」。

さらには、「当時の河川局、今の水管理・国土保全局は、八ッ場ダムも道路から民家の立て替えまで、全部住宅局や道路局の予算じゃない」と言い、「ここは変えなくてはいけない」と指摘します。

そして、「治水なのに、今は水管理・国土保全局。水は管理できない。水こそネットワーク社会。全部繋がっていて道路とは違う。地域分散型で行いながらネットワークで考えることが必要」と主張していました。

ジャーナリスト福島香織さんは田中さんの話を聞き、今回の災害は人災だったと改めて感じたようで「調査活動をするといろいろなことがわかってくる」と話します。

最後に田中さんは、「(在任時に)国土交通省を説得できなかったのは私の力不足だったかもしれない」と前置きした上で、「国土交通省千曲川河川事務所は『川は難しい』とコメントを出しているが、それは違う」と言います。そして、日本はなぜ欧米のように鉄板やソイルセメントで堤防を補強しないのかと問題を提起し、「大元の根底から考え方を変えてほしい」と切望していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttps://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter@morning_cross

いまこそ根本から見直しを! 台風19号で明らかになる日本の治水対策