累計発行部数50万部突破し、映画化も決定したミステリー小説「罪の声」の著者である塩田武士が、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)やテレビドラマノーサイド・ゲーム」など数々の作品に出演する大泉洋を主人公のモチーフとして執筆したことで話題を呼んだ同名小説を、主演に大泉洋を迎え映画化した『騙し絵の牙』が2020年6月に公開されることが決定した。

【写真を見る】「大泉洋」にあて書きされた小説の書影を大泉自身が飾る!

かねてからの出版不況、創業一族の社長が急逝、次期社長を巡っての権力争い、専務の東松が進める大改革により雑誌が次々と廃刊のピンチに立たされるなど、激震が走る大手出版社「薫風社」のお荷物雑誌「トリニティ」で編集長を務める変わり者の速水は、無理難題を押し付けられて窮地に追い込まれることに。しかし、一見頼りなく見える速水はとんでもない“牙”を秘めていた。嘘、裏切り、リーク、告発、クセモノ揃いの上層部や作家、同僚たちの陰謀が渦巻くなか、速水は新人編集者の高野を巻き込み、生き残りを賭けた“大逆転”の奇策に打ってでる…。

ひょうひょうとした性格と軽妙なトークをみせる一方で、本当の顔を裏に隠す主人公の速水役を人気俳優の大泉洋が演じる。大泉は本作の出演に対し、「とりあえず別の俳優さんに役を奪われなくて良かったと、ホッとしております(笑)」と笑いを込めた喜びのコメントを寄せている。また、速水の策略に巻き込まれるヒロインの高野役には、第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールに輝いた『万引き家族』(18)に出演し、本作で大泉と映画初共演を果たす実力派女優の松岡茉優、次期社長候補のライバルたちを蹴落として改革を容赦なく断行する出版社の重役である東松役として、『64-ロクヨン- 前編』(16)で第40回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した佐藤浩市が演じるなど、共演に豪華俳優陣も集結した。佐藤は「突っ走り続ける大泉洋を間近で見るのを楽しみに現場に行かせてもらいます」と『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』以来の共演に心弾ませていることを語り、同じく松岡も「憧れの先輩方との共演に胸を躍らせながら日々過ごしていけたらと思います」と共演へのはやる気持ちが抑えきれないことを語った

そして、本作のメガホンを取るのは『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞および最優秀監督賞を受賞し、『紙の月』(14)で第38回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した吉田大八監督。『天空の蜂』(15)の脚本家である楠野一郎と共に吉田監督自ら脚本も手掛けるなど、一流スタッフ陣が本作の逆転劇を描いていく。

はたして、大泉、松岡、佐藤は本作でどんな掛け合いをみせるのか。組織とのスリリングな攻防、斜陽の出版業界で繰り広げられる仁義なき騙し合い合戦が待ち受ける大逆転ストーリーに期待せずにはいられない!

<スタッフ&キャストコメント>

大泉洋(速水輝役)

「私を主人公としてあて書きした塩田先生のベストセラー小説の映画化が決定し、いよいよ撮影に入ります!もちろん主演は私が務めさせていただきます。とりあえず別の俳優さんに役を奪われなくて良かったと、ホッとしております(笑)。また共演に松岡茉優さん、佐藤浩市さんと伺い、これほど心強い共演者はいないと歓喜しております。お2人とは“上司と部下”という関係になりますが、台本上も一癖も二癖もある役どころなので、いまからどんなお芝居になっていくのか楽しみでしかありません!吉田大八という素晴らしい監督とともに、原作とはまた違う、映画版としての魅力を持った『騙し絵の牙』を創り上げたいと思います。ご期待ください」

松岡茉優(高野恵役)

「高野恵役の松岡茉優です。実家が町の本屋さんをやっている恵は小さいころから本、そして本が好きな人たち、人と本との出会いを日常的に目撃してきました。私自身小さいころから本が好きで、小説も漫画も雑誌も実用書も読みますが、そのかたちは年々変化しいまでは紙の本と電子が半々です。出版業界のいまを描く今作で、これからの本はどうなっていくのか、どうなっていけるのか、みなさまと模索していけたらと思っています。吉田監督とは『桐島、部活やめるってよ』以来となります。16歳だったあのときから8年経ち、私は24歳になりました。ありがたいことにあれからさまざまな現場を経験させていただきましたが、8年経ったのに、とがっかりされないか。あのときより成長出来ているのか、もしかしてあのときよりよくなかったりして。などなど吉田監督への想いで溢れます。時間が経ってまた呼んでいただけたことを誇りに思い、緊張感を持ち、憧れの先輩方との共演に胸を躍らせながら日々過ごしていけたらと思います。ぜひ楽しみにしていてください」

佐藤浩市(東松役)

大泉洋くんとは前作『こんな夜更けにバナナかよ』ではほとんど絡みはなく、『清須会議』以来のお芝居になります。突っ走り続ける大泉洋を間近で見るのを楽しみに現場に行かせてもらいます」

●吉田大八監督

「誰しもいつかは負けるので、人間はいま負けているか、勝ちながら負けることを予感しているかに分かれます。それがわかっていてもなぜか戦ってしまう、どうしようもなく面倒で熱苦しい人間たちの映画を作りたいと思います。テーマはもちろん“負けて勝つ!”です。はじめましての大泉洋さんと佐藤浩市さん、そしてお久しぶりの松岡茉優さんとの仕事を心から楽しみにしています」(Movie Walker・文/編集部)

本作のメガホンを取るのは『羊の木』(18)の吉田大八監督