渋谷駅東口地下広場が間もなく供用開始。地下鉄からJRなどへのルートが完成し、乗り換え時間も短縮されます。また、観光案内機能などを持つカフェや都営バス定期券発売所兼案内所、公衆便所が整備されます。

壮大な土木環境を広告に活用

渋谷駅東口地下広場が、2019年11月1日(金)から一部で供用開始されます。

広場は渋谷駅地下の宮益坂中央改札付近に位置。同日に開業予定の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」方面やハチ公改札方面などとも接続します。地下1階と地下2階で構成され、その間には短めのエスカレーターが設置。これは、天井を流れる渋谷川を避けるために生じた高低差を克服するためです。

ほかにも、観光案内機能などを持つカフェ「UPLIGHT CAFE(アップライトカフェ)」や都営バス定期券発売所兼案内所、公衆便所も整備されます。

供用開始に先立ち10月30日(水)、オープニングセレモニーが開催されました。

セレモニーに出席した渋谷区長谷部 健区長は「川の下にできた空間はスペシャルです。谷底地形の渋谷で、渋谷川を東に約35m移設したのは難工事でした。でも関係各位のご尽力で、ここにカフェまで入る広場が誕生しました。地下の新名所を、来訪される方々に覚えてほしい」と話しました。

また、東急の渋谷開発事業部長 東浦亮典執行役員も登壇。「壮大な土木環境を活かして、天井などに広告を展開します。デジタルサイネージも用い、収益は渋谷のにぎわい創出事業に活用します。エリアマネジメントに期待してください」と挨拶しました。

広場ができることで、宮益坂中央改札からJR渋谷駅などへのルートが完成し、乗り換え時間も短縮されます。

むき出しのコンクリで「発展の余地」を表現

広場の壁や天井を見ると、コンクリートがむき出しになっている箇所がたくさんあります。これは工事中なのではなく「未完成さ」をあえて表現することで、渋谷が持つ「発展の余地」を示唆しているそうです。

地下1階には、都営バス定期券発売所兼案内所が開業。現在9番出入口の地下にある施設が移転します。外壁サイネージには、バス乗り場や時刻表が表示されます。

向かい側には、パウダールームを併設した公衆便所が設置。アットコスメを運営するアイスタイルがプロデュースしています。リアルとデジタルが融合する空間として整備され、タッチすることで照明を変えられるインタラクティブミラーなどがあります。

地下2階には、情報発信型カフェ「UPLIGHT CAFE」がオープン。「新たなにぎわいを作り出す場所」として、憩いの場であるとともに、観光客やインバウンドに向け観光案内やカルチャーなどの情報を発信します。千駄ヶ谷のフレンチ店「Sincere(シンシア)」のシェフがメニューを監修。サンドイッチ(税込550円から)などが提供されます。また、併設されるオリジナルベイクブランド「PUFFZ(パフズ)」では、バニラやほうじ茶のシュークリーム(税込300円)などが提供されます。

渋谷駅東口地下広場の様子(2019年10月30日、大藤碩哉撮影)。