福岡県の新名物を、ものすごく山盛りで食べられる店があると聞き、向かったのは埼玉。東武東上線朝霞駅から徒歩10分ぐらいの場所にあるのが『バソキ屋 朝霞店』です。
実はここ、福岡スタイルの焼きそば専門店。福岡市南区那の川に本店があり、本州では唯一の支店。でも、いわゆる関東のオーソドックスな焼きそばと福岡の焼きそばってどう違うんだろう？ ソース？ 麺？ そんなことを考えつつ、店に向かいます。
席について、壁に貼られたメニューを見渡し、発見！ 「一人山盛り」と「お得！山盛り」の張り紙が。一人山盛りの場合、3倍の「アケボノ」、5倍の「フジヤマ」そして7倍の「ジパング」！ 7倍ということは7人前ってことですよね。焼きそばってみんなでワイワイ食べるときなんかは山盛りの場合もあるけれど、1人で7人前なんて人生初！ 早速注文です。
すると、「トッピングは何にしますか？」ん？ トッピング？ 「ジパング」を注文した場合、トッピング5つと味噌汁のサービス付きになります。せっかくだからいろんな味を楽しみたいので、玉子、辛ゴマ、梅、ガーリック、ネギの5種、それぞれ1つずつ選択。出てくるのをワクワクしながら待ちます。
待つこと数分後、出てきたのは、縦横高さ、全部が想像を超えた大きさの焼きそば。強いて言うなら、食べ放題とかブッフェとかで、大勢が取るためにドーンと作られた量。さすが7倍。迫力があります。
早速計測したところ、縦29cm、横41.5cmの大きなオーバル皿に、高さ約14cm。重さは2567g（器の重さを除く）。大きな山の頂上には、中央に玉子、その左に辛ゴマ、反対側に梅、緑はネギ、そして全体にガーリックが振り掛けられています。
本来なら、小鉢にそれぞれ出してもらい、味が単調に感じられたところで1種類ずつ投入、なんですが、今回は一気にトッピング。
ということで、まずは何ものっていない。山の裾野から一口！ モッチモチの麺に、シャキシャキのもやしがいいバランス。「そうなんです。うちの焼きそばは、パリパリ・モチモチの麺に、シャキシャキのもやしが特徴なんですよ」と店主の藤原さん。麺は中太の自家製麺、ソースの味は「すべての中間を取るようにしています。どこか尖ると飽きがくるので」とニッコリ。もちろんバソキ屋オリジナルです。
ちなみに麺は1人前110g。ということで、7人前だと茹でて焼く前で770g。プラス、ソースやもやしなど野菜でトータル2.5kg超え。そう考えると、野菜たっぷり、ヘルシーな焼きそばなのかも？ プレーン味を堪能した後、いよいよトッピングが乗っているエリアへ、麺と混ぜて楽しみます。
まずは卵の黄身をほぐしてトロッと。まろやか～。旨みもアップして、口当たり滑らかに。そして「辛ゴマ」をちょっと乗せて。少しピリッとするけれど、鼻から香りが抜け、味が一気に華やかに。これは酒のアテにも良さそう。
今度は梅。すると、フルーティ、甘酸っぱい美味しさに。うわ～。同じ焼きそばなのに、トッピングによって印象がガラッと変わる。楽しい！
「個人的にイチオシは、梅と辛ゴマのトッピングですね」と藤原さん。確かに、初めて食べる味と香り、そして美味しさです。ちなみに辛ゴマもバソキ屋オリジナル。レジ横でも販売しています。
ところで、なぜ大盛りをメニューに出すようになったんですか？「福岡の本店にはシェアできる山盛りのメニューはあるんですが、一人向けの大盛りは朝霞店だけですね。焼きそば専門店なので、少し面白いメニューがあってもいいかと思ったんですよ」。
なるほど。確かにこのボリュームとトッピングの独自性は面白いかも。そして、完食するのにいい方法は？「……。より多くお腹をすかせてくる、ことしか。普通の人なら3倍だって食べきれないですからね」。と藤原さん。ですよね。完食方法に王道なし。ということで、一人用の注文は、確実に食べきれるボリュームでお願いします。
ちなみに卓上には紅生姜、バソキ屋特製コショウ、特製ソースなどがあるので、トッピングがなくなっても、自分の好きな味にカスタマイズ可能。ただ、トッピング全乗せで最初に頼むと、後半が単調になりがちなので、序盤、中盤、終盤など、途中、途中でトッピングを足していくのがオススメです。
基本の焼きそばは「麺焼きそば」（700円）、「玉子入り焼きそば」（760円）。そして辛ゴマと玉子トッピングの「辛玉焼きそば」（810円）。そして、ランチタイムは、焼きそば＋おにぎり＋味噌汁＋ミニキャベツがセットの「おにぎりランチ」（780円）などもあります。また、17時30分からハーフ焼きそば、餃子3つ、生ビールがセットの「晩酌セット」（1100円）も。
そして、木曜日限定で「焼きそばバーガー」（420円）を販売。こちらは2日前までに要予約。パンから手作り、焼きそば専門店こだわり満載のバーガーです。
もやしなど野菜たっぷりでシャキシャキ、そして麺のモチモチ・パリパリなど食感の楽しさ、そして意外だけれどハマる、トッピングとのコラボ。一気に福岡新名物の焼きそばのファンに。
次回来るときは、友達最低5人は連れて、10倍の「チョモランマ大爆発」に挑む、そして「特製ニラ餃子」（5個300円～）も注文するぞ～！ と、決意したのでした。
（撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子）
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