Point

■アメリカ・MITが、外部アームを使わず、移動・回転・ジャンプできるキューブ型ロボットを開発

■搭載されたバーコードシステムで、キューブ同士が認識し合い、組み合わさって列や塔を構築することが可能

■設計上、キューブは100万個まで拡張でき、巨大な梯子を作って人命救助に活用するといった用途が考えられている

MIT(マサチューセッツ工科大学)コンピュータ科学・人工知能研究所は、先月30日、自律的に動くキューブ型ロボット「M-Blocks 2.0」を発表しました。

キューブは、自律的にジャンプやスピンが可能で、複数のキューブが寄り集まって、壁や塔を築くこともできます。

同研究所のダニエラ・ルス所長によると、M-Blocksは3つのM、「モーション・マグネットマジック」を表しているとのこと。

「モーションは、跳躍や回転などの運動機能を、マグネットは、磁石による集合・合体機能を、そしてマジックは、外部の推進パーツなしに移動できる機能を示す」と説明します。

設計上、キューブは100万個まで集合可能であり、多方面での応用が期待されています。

ジャンプもスピンも安定感バツグン

キューブは、一面につき縦横4方向への移動が可能です。

外部に余計なアームやタイヤがないので、複雑な移動の動きが必要ありません。物に絡まって破損する心配もなく、シンプルかつ頑丈な造りとなっています。

しかし見た目のシンプルさとは違って、中身はかなり複雑です。

中には、2万rpm(=1分間で2万回転)で動く「フライホイール」が内臓されており、キューブの動きを平均化して、安定させています。

また、キューブの各辺と面に搭載された「永久磁石」により、お互いの接続や積み上がったタワーの上り下りが実現しています。

キューブ同士で認識可能

さらに驚くべきは、キューブ間の認識や通信ができることです。

各面にはバーコード・システムを搭載されており、それをキューブ同士で読み取って集合的な動き(一列に並ぶ、塔を作る)を行います。

また、各面に記載された矢印をスキャンすることで、キューブの進む方向を決めることも可能です。

研究チームは、現在、キューブの数を増やした集合的な動きの制御に取り組んでおり、これに成功すれば、建物レベルの大きさまで拡張できるとのこと。

例えば火災現場などで火事で梯子が消失した場合でも、キューブを地面に置くだけで梯子を構築し、被災者の救助を行えます。

見た目だけでもワクワクしますが、実際に人命救助にも役立ってくれる優れもののようです。

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reference: news.mit / written by くらのすけ
自律的に空中を飛び回って合体するキューブ型ロボットが開発される