詳細画像はこちら

積算2368km 渋滞で強みを発揮するカローラ

textJames Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
東京でいう外環にあたる、ロンドンのM25号線を雨の渋滞時間に走るのは楽しいものではない。だがカローラスポーツの強みが発揮される。

軽いステアリングスムーズハイブリッドのおかげで、交通量が多い中でも運転は気を使わない。特にエンジンの始動や停止がとてもスムーズで、バッテリーのみで静かに走れることは美点だと思う。

詳細画像はこちら
トヨタ・カローラカローラスポーツ

積算3265km 多様化するハイブリッド・システム

英国でセルフチャージ・ハイブリッドと呼ばれるもの。特に見た目上は、無害だ。だが電動化技術の進む自動車業界の中では、議論を呼び起こす名称だといえる。イーロン・マスクの軽率なツイートのように。

このセルフチャージ・ハイブリッドという単語は、これまでハイブリッドと呼ばれてきたものに新鮮味を加えるために、戦略的に与えられたもの。エネルギー回生システムで充電されたバッテリーの電力を用いて稼働する、モーターが付いた内燃エンジンのことを指す。

詳細画像はこちら
トヨタ・カローラカローラスポーツ

従来式のハイブリッドを、マイルドハイブリッドプラグインハイブリッドPHEV)と区別することが目的なようだ。この呼び方が、ハイブリッドが環境に優しくより電動化したイメージがあるとして、一部のEV支持者からの評判は良くないらしい。

セルフチャージといいながら、充電する手段はクルマに搭載されるガソリンエンジンのみ。このシステムトヨタが20年間に渡って、プリウスを中心に普及させてきたハイブリッドシステムのこと。EVへのステップの1つであり、世界が急速に変化しつつある中で、行き詰まり感もある特化した技術だ。

EVも楽しめ、高速でも有効なハイブリッド

長期テスト車のトヨタ・カローラスポーツは2.0Lのガソリンエンジンを搭載し、トヨタ最新のハイブリッドシステムが組み合わされる。欧州での環境規制強化の流れを受けて、ハイブリッドの販売も近年は増加傾向にある。

社会的な流れの中で、トヨタ・カローラにとっては絶好の追い風状況だと筆者は考えている。低速ではEVモードで走行でき、静かで滑らかな走行を味わえる。エンジンの始動もとても穏やか。低回転域でエンジンが始動した場合、それに気付くことは難しいと思えるほど。

詳細画像はこちら
トヨタ・カローラカローラスポーツ

高速で走行している時もハイブリッドは有効。電気モーターが即時的にトルクを加算してくれる上に、112km/hまでならEVモードのままで走行も可能。

高速道路を一定速度で走らせているときに、アクセルペダルを素早く戻すとEVモードに切り替わることもわかった。そのまま緩やかに踏み込めば、エンジンを始動せずに電気の力で走ることができる。

一方で、ボンネットの中にはバッテリーを積むことができないから、荷室の容量が少し犠牲になっている。PHEVと呼ばれるクルマなら良くあることだが、カローラスポーツPHEVではない。

燃費では優れた数字を返してくれる。以前にテストしていた同価格帯の1.5Lエンジンを搭載したフォードフォーカスの平均燃費は、14.1km/Lを超えることはなかった。だがカローラの場合、現時点で17.7km/Lを上回っている。

もっとEVモードで走りたくなる

PHEVなら燃費はさらに良くなるはずだし、EVなら基本的にガソリンはいらない。そのぶん車両価格は高く尽くし、充電する手間も小さくはない。今後時間を経るごとに解決する課題ながら、当面はドライバーを悩ませることだろう。

そう考えると、カローラスポーツが搭載するハイブリッドは、多くの人にとって理想的な解決策だと思う。通常のガソリンエンジンモデルと大差のない価格で購入でき、運転上の複雑さも従来のクルマと変わらない。電動化技術が搭載されたクルマとしてのメリットもちゃんとある。

詳細画像はこちら
トヨタ・カローラカローラスポーツ

カローラスポーツの場合、EV状態の滑らかで静かな走行を味わった後に、ガソリンエンジンが始動してしまうと、不快に感じることも気付いた。EVの魅力を裏付けるものだとも思う。

一部の人はカローラハイブリッドを、セルフチャージ・ハイブリッドと呼ぶかもしれないが、わたしなりの呼び方を思いついた。「EVの依存薬」 EVに向けた確かな一歩だが、もっとEVで走りたいと思わせてしまう。

気に入っているトコロ

クルージング時の快適性:スムーズパワーと軽快なステアリング高速道路での長距離移動も余裕でこなせる。

気に入らないトコロ

ナビのキーボード:目的地の郵便番号を入力する場面で、わざわざ入力文字モードの変更をしなければならない。

テスト車について

モデル名:トヨタ・カローラカローラスポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
新車価格:2万9075ポンド(386万円)
テスト車の価格:2万9870ポンド(397万円)

テストの記録

燃費:17.9km/L
故障:なし
出費:なし


トヨタの記事
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
北米トヨタ RAV4 TRDオフロード 専用サス+ファルケン・ワイルドピークA/T
トヨタ86で試す、TEINエンデュラプロ・プラス 乗り心地が変わるショックアブソーバー
トヨタeパレット 東京オリンピック・パラリンピック、選手村を走るEV

長期テスト トヨタ・カローラ(2) 電気自動車アレルギーへの処方箋